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4.灼熱の孤高の男


暑い・・・
いや・・熱いのだ
生きたまま
オーブンに入れられて
焼かれていくロブスター
君の気持ちがよーくわかる
今後、君を食べないようにする
誓うよ

顔が完全にツートンカラー
行く先々で皆に心配されている
「日焼け止めクリーム、塗ってる?」って
上半分はサングラスとヘルメットのお蔭で
焼かれずに済んでいる
目から下
完全に真っ黒

強い日差しの毎日

俺は今
TEXAS州EL PASOに向けて
10号線をひた走っている
とりあえずEL PASO、なんだ
相変わらず行先など決めていない
気の向くまま相棒を走らせている
朝起きて飯食って走って
カフェで
ガスステーションで休んで
またフリーウェイに戻り
夕方になると
MOTELを探してチェックインする
そんな毎日の繰り返し

最近ハマっているのは
RIB EYE STEAK
MILLER LITE

気のせいなのか
体が大きくなってきている
心も体も
アメリカンサイズになってきている
これ、まずいんじゃないのか⁇

そうそう
さっき見つけたウエスタンウェアの店
さすが本場TEXAS
すっごい品ぞろえで
店員さんも上から下まで
ばっちりキメているよ
俺もウエスタンブーツとか
ウエスタンシャツ大好きだったんだよ
上から下までウエスタンでキメていたんだ
でもさ・・・
最愛の人と破局して・・・
・・・なぜなんだろう
着れなくなっちまったんだ
誰か教えてくれるかなぁ・・・
心が木っ端微塵になると
嗜好品まで変わっちまうらしい
それからというもの
俺は黒一色
黒しか着ないようになっちまった
不思議だよなぁ
でも
プラスな点もあるぜ
バイク乗ってんと服が汚れるわけ
でも黒だと目立たないでしょ?
それとさ
黒っていうのは
「身を護る」
という意味合いもあるみたい
だから俺は無意識に
心護っていたのかなぁって
ある日さ
横浜元町のウエスタンウェアの店に行ったんだ
そこで何気なく試着した
黒の革ジャンと革パン
両方で30万円
でもさ
完全におかしくなっていた俺は
即決で購入しちゃうんだよな
完全にイカレてる
この旅だってそうだよ
勢いで来ちまった・・・

で、結局
ここ本場TEXASの
素敵なウエスタンの店では
何も買えなかったんだ
以前なら完全にリミッター壊れて
買いまくっていただろうけどさ・・・
なんか悲しいよな・・・

店員さんとはいろいろ話したよ
「日本の女性はウエスタン好きか?」
「日本でバイクレンタル出来るのか?」
「フランス人の血が混じってるだろ?
 フランス人みたいだぞ
 本当に身内は日本人だけか⁇」
などなど盛り沢山な話をしていた

でもアメリカ人は本当に人懐こい
誰とでも会話するし
一生懸命に話を聞いてくれる
まぁ・・・
俺が出会った人みんなが
たまたま
そうだっただけかもしれんが・・・

そんなわけで
ひとしきり会話を楽しんで
何も買わずに店を出てきた(笑)
記念の写真だけ撮った

で、今晩泊まるMOTEL
値段は$32+TAX
朝食付き
安いけど
高級感が凄いMOTELで気後れしているくらい
部屋なんかかなり広い
で、すぐ横には
PIZZA屋、BURGER KING,
コンビニエンス、ガスステーションがある
俺は長いことシャワーを浴びて(2回も!!)
ランドリーに
溜まった洗濯物を洗いに行った
長いこと旅していて分ったのは
シャワーの勢いがいいのは
白人のオーナーのMOTELなんだよな
インド人オーナーのMOTELは水圧が
物凄く抑えられてる
水道代ケチってんだろうな(笑)

しかし本当に暑い
走っていてもアスファルトから熱風が来る
凄く暑い
相棒も休ませながら走らないとな
オーバーヒートなんて望んでいない
灼熱の荒野でポツンと助けを待つ
なんてのはごめんだからな・・・

              続く・・・

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