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【風霊使いウィン】について

 皆さん初めましての方は初めまして、そうでない方は前回までの記事を読んでいただきありがとうございます。その辺の決闘者の衣玖(いく)と申します。

 今回の記事は普段のものとは少々毛色が異なり、趣味で組んでいるファンデッキについての記事になります。
 楽しみながら戦うことが前提となるため、いわゆる環境デッキとは異なります。また筆者がファンデッキに手札誘発を入れたくない人間のため、その辺も削っています。
 それでも良いという方だけ読んでください。
 誘発を入れなければ勝てない、などと文句を言われても困ります。

デッキレシピ

 こちらは筆者がマスターデュエル内で使用している【風霊使いウィン】のデッキレシピです。
 「ただの音響SRじゃないか!」
 と文句を言いたい人もブラウザバックしてください。

 以下各カードの採用枚数についてです。
 レシピ内の左上からいきます。

《風霊使いウィン》

 主役です。絶対3積みです。かわいい。
 環境にいる風属性モンスターが軒並みモンスター効果無効や対象耐性を持っているため、効果は無視します。
 たまに使えたらラッキーくらいの感覚です。

《憑依装着ーウィン》

 主役です。絶対3積みです。かわいい。
 他の霊使いに無い強みとして《デブリ・ドラゴン》によって《風霊使いウィン》を蘇生させると、自身の効果でリクルートできるというものがあります。
 そもそも守備表示モンスターがあまりいないという問題はありますが、貫通能力を持たせてリクルートさせることは比較的容易でしょう。
 基本的には彼女によるビートダウンを行います。

《風霊媒師ウィン》

 他の霊使いには存在しない謎の存在。
 レベルが高いのに幼さが残っててかわいい。
 【風属性】全般に採用できるカードですが、当然このデッキにも採用します。しかし効果が同名ターン1である点やレベル5である点からこの子は2枚のみの採用です。
 《SRベイゴマックス》や《ガスタの神裔 ピリカ》からシンクロやエクシーズに繋げたり、②の効果による戦線維持を担ったりします。
 基本的に《灰流うらら》などの効果を受けないことを前提にデッキを組んでいるため、直撃したらそのまま負けるレベルで致命傷になります。

《音響戦士サイザス》

 ウィンの介護担当その1「音響戦士」のサーチャー。
 それなりに高い守備力、他の「音響戦士」のサーチ、除外されている「音響戦士」の帰還、と幅広い活躍をしてくれるナイスガイです。
 《風霊使いウィン》を寝かせるためのカードを共有でき、多くのシンクロやエクシーズの素材にもなるためとても強力な1枚です。
 ただし召喚権を割く必要があるため採用枚数は2枚。

《音響戦士ベーシス》

 手札の枚数分だけレベルを上げられるチューナー。
 手札の枚数を調節する必要こそあるものの、柔軟な活躍ができる存在です。
 ただしあまり引いても困るので採用は1枚。

《音響戦士ドラムス》

 属性を変更できるチューナー。
 ただこのデッキには風属性しか入ってないので、適当に無駄撃ちした上で《音響戦士サイザス》の効果で帰還させるだけの存在、といったところです。
 そんな扱いなので採用は1枚。

《音響戦士ピアーノ》

 種族を変更できるチューナー。
 OCGの新規のイラストで唯一ハブられた哀れな子ですが、このデッキでは《ルドラの魔導書》のコストに「音響戦士」を使うことができるようになるという役割があります。
 また素のレベルが3なので、他の「音響戦士」チューナーより多少扱いやすいです。
 ただしこちらも手札に来ると少し困るので1枚のみ。

《音響戦士ギータス 》

 手札を捨てて「音響戦士」をリクルートするP効果と召喚成功時に「音響戦士」を蘇生させるモンスター効果を持つペンデュラムモンスター。
 基本的にはP効果を利用して状況に合わせた「音響戦士」をリクルートしますが、墓地の状況次第では召喚することもあります。
 守備力がわずか100のため《風霊媒師ウィン》や《蒼翠の風霊使いウィン》でサーチできる他、先述の《音響戦士サイザス》でもサーチできるため、手札に呼び込む手段は豊富です。
 デッキの要とも言えるカードのためフル投入。

《SRベイゴマックス》

 言わずと知れたパワーカード。
 このデッキではランク3のエクシーズかレベル6のシンクロかを選ぶことができます。
 また防御の要でもある《SRメンコート》をサーチする手段でもあるので、(2択ですが)状況に合わせたサーチをしましょう。
 制限カードのため採用は1枚。

《SRカールターボ》

 自己ssと全体強化の2つの効果を持つ、全てが優秀なチューナー。
 デッキ・エクストラデッキの中身を風属性で統一した最後の決め手にもなったカードです。おかげでデメリットを全て無視できます。
 また②の墓地で発動する全体強化が非常に強力で、モンスター3体が並ぶだけでも総攻撃力は2400も増えます。
 大型モンスターの突破からワンターンキルまでこなせる便利屋ですが、多く積みすぎるとメインギミックが「SR」になってしまいかねないのであえて1枚のみの採用です。

《SRメンコート》

 10期以降ちょっと弱くなった手札誘発。
 直接攻撃を止められる効果、《デブリ・ドラゴン》に対応する攻撃力、《憑依装着ーウィン》の効果の補助、《SRカールターボ》のコスト、とあらゆる面で活躍できるカードです。
 リンクモンスターや一部のモンスターには機能しませんが、ファンデッキ同士でデュエルするような環境ならば役に立つでしょう。
 貴重な防御札ですがサーチが効くため2枚です。

《デブリ・ドラゴン》

 既に何度も名前が挙がっているチューナー。
 召喚時に攻撃力500以下のモンスターを蘇生させる効果と、ドラゴン族以外のシンクロ素材にできずレベル4モンスターとはシンクロできないデメリットがあります。
 蘇生対象になるのは《風霊使いウィン》と《SRメンコート》の2種類のみですが、前者は☆7シンクロや《憑依装着ーウィン》に、後者はランク4に繋がります。加えて両者とも《蒼翠の風霊使いウィン》のリンク召喚も狙うことができます。
 このカード自体も《嵐征竜ーテンペスト》によってサーチできるため効果の発動機会はそれなりに多いです。
 キーカードの1つのため、フル投入です。

《ガスタの神裔 ピリカ》

 召喚・特殊召喚時に墓地の風属性チューナーを蘇生させるモンスターです。かわいい。
 効果の発動後は風属性しか特殊召喚できないデメリットがありますが、風属性しか採用していないので問題ありません。《SRカールターボ》とは異なり風属性以外のモンスター効果は発動できるため、《灰流うらら》や《増殖するG》などとの併用は可能です。
 先述したチューナー群を全員蘇生でき、《音響戦士ベーシス》を除く全員とはシンクロ可能です(☆4シンクロを採用していないため)。
 ただし効果の発動のために召喚権を使用する都合上、少々扱いづらいため採用は2枚です。

《嵐征竜ーテンペスト》

 元禁止カードのイカれカード。だいたいこいつのせいで《レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン》がエラッタされました。
 しかし今回は「征竜」の本領である、属性サポートに徹してもらいます。
 《封印の黄金櫃》で除外することにより《デブリ・ドラゴン》をサーチ、手札から《風霊使いウィン》を捨てながら《デブリ・ドラゴン》をサーチ、自己再生すると《幻獣機ドラゴサック》のエクシーズ素材、と活躍は多岐に渡ります。だいたい【征竜】での使われ方と同じですね。
 なぜか制限カードのため1枚のみの採用です。

《おろかな埋葬》

 言わずと知れたパワーカード。
 基本的には《風霊使いウィン》を墓地に落とすためのカードですが、手札に《ガスタの神裔 ピリカ》がある場合は《SRカールターボ》や《デブリ・ドラゴン》を落とすこともあります。
 引いたら適当に使っていいでしょう。筆者も何も考えずに使ってます。
 制限カードなので採用は1枚。

《死者蘇生》

 こちらも強力な汎用魔法カード。
 まあ状況に合わせて使えばいいんじゃないですかね?
 そもそもあまり使った記憶が無いのでわかりません。
 制限カードのため採用は1枚。

《ハーピィの羽根帚》

 説明いる?一応しよっか……。
 他の魔法罠除去との比較でもしましょう。
 《サイクロン》や《コズミック・サイクロン》では処理が追いつかないことが多いです。罠やエクシーズモンスターでも対処は可能ですが、引いて即座に発動できる除去として非常に優れています。
 《ツインツイスター》と比較すると手札コストがやや重くのしかかる場面が多いことが欠点です。特に《音響戦士ベーシス》の効果の都合上、手札の枚数に気を配る必要があります。そのため少々重いカードですね。
 《砂塵の大嵐》は明確な1:2交換になる除去札であり、バトルフェイズが行えないだけの軽いデメリットで発動できる点が非常に強力です。しかし罠カードである都合上、発動のタイムラグが発生する点が気になったため《ハーピィの羽根帚》に軍配が上がりました。
 制限カードのため採用は1枚です。

《封印の黄金櫃》

 一応万能サーチカードです。
 その真価はメインデッキのカードを何でも1枚表側表示で除外できることにあります。
 除外された時に発動できる効果を持つカードが登場する度に環境で活躍し、【征竜】や【サンダー・ドラゴン】といったデッキの活躍と共に制限カードにされる不運なやつです。
 このデッキでも基本的には《嵐征竜ーテンペスト》を除外し《デブリ・ドラゴン》をサーチするために使います。しかし双方とも制限カードである以上、先に《嵐征竜ーテンペスト》を引くこともあります。その時は本来の使い方である万能サーチカードとして2ターン後の未来で必要になりそうなカードを除外しましょう。
 《虚空海竜リヴァイエール》によって帰還させたいモンスターがいる場合はそれを除外することもあります。
 制限カードのため採用は1枚です。

《グリモの魔導書》

 ウィンの介護担当その2「魔導書」のサーチ札。
 《魔導書士 バテル》が不採用のため、頑張って引く必要があります。
 その場の状況に合わせたカードをサーチしますが、なんとサーチ先は3種類しかありません。とりあえず最初は《魔導書院ラメイソン》を、その後は打点補助なら《ヒュグロの魔導書》、ドロー目的なら《ルドラの魔導書》をサーチするといいでしょう。
 ウィンの補助を担うキーカードのためフル投入です。

《ヒュグロの魔導書》

 魔法使い族の打点を1000アップさせる強カード。
 さらに相手を戦闘破壊すると「魔導書」カードのサーチも行えます。
 《憑依装着ーウィン》の貫通能力に打点補助が加わるため、ライフポイントに差をつけやすいです。
 貫通能力を考慮せずとも攻撃力2850で殴れるのは単純に強力で便利ですね。
 《グリモの魔導書》で手札に加えるため採用は2枚。

《ルドラの魔導書》

 フィールドの魔法使い族か手札・フィールドの「魔導書」カードをコストとするドローソースです。厳密にはコストではなく効果扱いなので無効にされても1:1交換ですが。
 複数枚ダブって持て余している《グリモの魔導書》や相手ターンに特殊召喚して残っている《風霊媒師ウィン》を使ってドローするといいでしょう。
 ボードアドバンテージを失うデメリットは少々重く、適当にウィンを召喚してから発動するのはリスクが大きすぎるので避けましょう。
 そんな感じで使い勝手は微妙なので採用は2枚です。

《魔導書院ラメイソン》

 ガバガバな条件で手札を増やせるフィールド魔法。
 フィールドか墓地に魔法使い族がおり、スタンバイフェイズに墓地の「魔導書」魔法カードをデッキボトムへ戻すことで1枚ドローできます。
 《グリモの魔導書》でこのカードをサーチするだけでも次のターンに追加で1枚ドローできます。
 破壊された場合の保険の効果も強力で、事前に2枚の「魔導書」魔法カードが墓地にあれば《風霊使いウィン》をリクルートできます。
 総じて優秀ではありますが、その効果の発動の遅さがややネックであるため、ピン挿しとなっています。2枚に増やしてもいいかもしれませんね。

《月の書》

 シンプルなテキストの汎用速攻魔法カード。
 なんでこいつ「魔導書」じゃないの?
 ウィンを反転召喚させるために寝かせる、相手の攻撃や展開を止める、自分のモンスターを守る、貫通能力を活かす、といった非常に幅広い活躍ができます。
 強力である反面、1枚だけでは役に立たないカードでもあるため、採用は2枚です。

《風霊術ー「雅」》

 風属性をコストに発動するデッキバウンスカード。
 とてもかわいい。
 風属性なら何でもコストにできるため、【幻獣機】や【マジェスペクター】で採用されていたこともありました。このデッキでは全モンスターがコストになります。
 効果自体はデッキボトムへのバウンスです。デッキトップを固定化できずドローロックには繋がりませんが、永続カードなどは再利用させにくい利点にもなります。またエクストラデッキのモンスターを相手にしたらどっちでもいい効果です。
 元々《SRデュプリゲート》と1枚ずつの採用でしたがマスターデュエルでは未実装のため2枚の採用としました。

 ここから先はエクストラデッキのカードです。

《HSRチャンバライダー》

 2回攻撃でき、攻撃の度に打点の上がるアタッカー。
 レベルの都合上、チューナーには《音響戦士ベーシス》か《音響戦士ドラムス》しか使用できず、シンクロ召喚の機会はあまり多くありません。
 しかし単体でLPを4600も削ることができ、《SRカールターボ》を併用することでその量を6200まで増やすことができます。
 余程手札が揃っていないと狙えないとは思いますが、詰めの一手として非常に強力なカードです。

《スターダスト・チャージ・ウォリアー》

 シンクロ召喚時に1枚ドローする効果と全体攻撃を持つアタッカーです。
 ほとんどのデッキでは展開の繋ぎとして使用されることが多いですが、このデッキではアタッカーとしてガンガン攻撃してもらうことになります。
 そもそもこのカードは《SRベイゴマックス》からシンクロ召喚できる唯一のモンスターです(他の☆6シンクロをリストラしたため)。そのためシンクロ召喚の機会はそれなりに訪れます。
 また展開力に難のあるこのデッキでは、相手のモンスターを倒すまでに時間がかかりがちです。そのためこのカードの全体攻撃に頼ることでそれを補います。《SRカールターボ》の効果を受けた場合、攻撃力2800による全体攻撃となるため相手のフィールド次第ではそのままフィニッシャーになり得ます。
 見た目以上に重要なカードと言えるでしょう。

《ダイガスタ・スフィアード》

 非チューナーに「ガスタ」モンスターを要求するシンクロモンスターです。
 シンクロ召喚成功時に墓地の「ガスタ」を回収する効果と、戦闘破壊耐性、そして「ガスタ」モンスターの戦闘ダメージを相手に肩代わりさせる効果を持ちます。
 デッキの構造上、攻撃力が高く効果破壊耐性と対象耐性を備えるモンスターを相手にすると突破がほぼできません。《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》や《月光舞獅子姫》といったモンスターが該当しますね。
 そのようなモンスターに対する回答としてこのカードを採用しています。
 《ガスタの神裔 ピリカ》からシンクロ召喚でき、墓地の《ガスタの神裔 ピリカ》を回収して次のターンにも備えることができます。
 攻撃力は2000と最低限の数値を持つため、《ガスタの神裔 ピリカ》を使って☆6シンクロを出す場合はこちらを出しても良いでしょう。

《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》

 ☆5以上のモンスターを守りつつ☆5以上のモンスター効果を妨害するシンクロモンスターです。
 レベル7であることから、《デブリ・ドラゴン》+《風霊使いウィン》でシンクロ召喚できます。
 しかし残念ながら守るべき☆5以上のモンスターがほとんどこのデッキにはいないので、自衛用の効果と化しています。またあえてこのカードを対象とするようなモンスターもいないため活躍の機会はあまりありません。
 もっぱら《幻獣機ドラゴサック》のエクシーズ素材となることでしょう。

《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》

 非チューナーに風属性モンスターを要求するシンクロモンスターです。
 エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にする効果を持ちます。破壊された時にPゾーンへ移動できる効果はおまけです。《風霊媒師ウィン》がP召喚できるようになります。Pゾーンから復活する効果も発動機会はほぼありません。
 《デブリ・ドラゴン》の効果で《風霊使いウィン》を蘇生させてシンクロ召喚を狙う最たる理由となるカードと言っても過言ではありません。
 昨今の環境においてエクストラデッキを使わないデッキは少ないでしょう。特にファンデッキ同士でデュエルする場合には多用されることと思います。そのような相手に刺さる1枚であるため、有効的に使いましょう。
 攻撃力を0にする効果も付随しているため、こちらから攻撃を仕掛ける際にも使用できて大変便利です。

《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》

出ません
 役割としては、戦闘で破壊するしかないレベルを持つモンスターに対する返し札であり、モンスター効果を無効にする効果はおまけです。このデッキでは②の効果が本体です。
 シンクロ召喚を狙う際に《HSRチャンバライダー》を除くシンクロモンスターを利用する場合☆1か☆2のチューナーを必要としますが、それらは大抵墓地にいるので出すタイミングがありません。
 しかし先述した《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》や《月光舞獅子姫》などを突破するためには必要となるため、そのような相手と当たった時には必ず召喚ルートを模索します。特に後者は全体破壊効果によって《ダイガスタ・スフィアード》でも1回しか攻撃を耐えられないため、このカードで突破する必要があります。
 言ってしまえばエクストラデッキにおける自由枠なので、このカードを入れたままにするか他のカードに入れ替えるかは個々人の好みになるでしょう。

《虚空海竜リヴァイエール》

 素材を1つ使うことでお互いのモンスター1体を帰還させることができるモンスターです。
 正直あまり出ることはありません。
 このデッキで能動的に除外するカードは《SRカールターボ》《嵐征竜ーテンペスト》《封印の黄金櫃》「音響戦士」モンスターくらいです。そのためそれらのカードと併用して盤面を横に並べるためのカード、といった扱いです。
 相手のモンスターも利用できるため、場合によっては相手のモンスターを奪うのもいいでしょう。

《トーテムバード》

 攻撃力を300下げる代わりに1回限りの魔法罠無効ができるエクシーズモンスターです。
 何なんですかねこのデメリット?
 登場は古く、海外のLord of the Tachyon Galaxyに収録され、EXTRA PACK ーSWORD OF KNIGHTSー(2013年のEXTRA PACK)で来日しました。あの《機動要犀 トリケライナー》の同期です。
 エクシーズモンスターも自重しなくなってきた頃の環境のカードだというのに、とても大人しい素材と効果ですが、【マジェスペクター】の登場でようやく日の目を見ました。
 通常のデッキでは重くのしかかる風属性縛りがありますが、このデッキでは何の問題も無くエクシーズ召喚できます。主に《SRベイゴマックス》+《SRカールターボ》や、《ガスタの神裔 ピリカ》+《音響戦士ピアーノ》といった組み合わせで出すことができます。
 効果の使用後は攻撃力が下がるため《風霊術ー「雅」》のコストや《蒼翠の風霊使いウィン》のリンク素材にしましょう。

《電光千鳥》

 《トーテムバード》と同様に風属性の縛りがあるエクシーズモンスターですが、こちらはランク4です。
 エクシーズ召喚成功時にセットカード限定でデッキボトムへバウンス、起動効果で素材を1つ使うと表側表示カード限定でデッキトップへバウンスという便利なカードです。
 《憑依装着ーウィン》がレベル4である他、《音響戦士ギータス》の効果で《音響戦士サイザス》をリクルートすることでもレベル4を調達できます。また《デブリ・ドラゴン》で《SRメンコート》を蘇生させることでもエクシーズ召喚できます。
 伏せカードのチェックや盤面の処理に使うことができ、攻撃力も最低限の数値はあるため、要所要所で活躍してくれるはずです。

《鳥銃士カステル》

 こちらは素材に縛りの無い汎用ランク4エクシーズモンスターです。
 素材1つを使って《月の書》の効果を使う起動効果と素材2つを使って表側表示のカードをデッキバウンスする2つの効果のうち片方を使用できます。
 ほとんどの人は後者の②の効果のみを使用し①の効果には見向きもしませんが、このデッキでは①の効果も発動の余地があります。
 起動効果とはいえ、曲がりなりにも《月の書》と同じであり、2ターン維持できれば2回も発動機会が訪れます。その点だけで言えば後述する《超量機獣エアロボロス》も同様ですが、あちらは少々ステータスが高い代わりにエクシーズ素材がない時は攻撃ができません。
 《月の書》の効果とデッキバウンスを使い分けられる点を活用して《風霊使いウィン》の効果の発動機会を少しでも増やしていきます。

《竜巻竜》

 同じく素材に縛りの無い汎用ランク4エクシーズモンスターです。
 フリーチェーンで《サイクロン》が使えます。
 ただそれだけのカードではありますが、除去の少ないこのデッキでは貴重な除去カードになります。
 風属性である点も採用理由のひとつで、《風霊媒師ウィン》などの効果を使用した後も出すことができ、効果も発動できるということで採用に至りました。
 シンプルながら強力なモンスターですね。

《超量機獣エアロボロス》

 こちらも《月の書》の効果を内蔵するランク4のエクシーズモンスターです。
 エクシーズ素材に《超量士グリーンレイヤー》がいる場合はフリーチェーンで使えるようになるため正真正銘の《月の書》となるのですが、今回は採用していないためインクの滲みです。
 また無視できないデメリットとして、エクシーズ素材が無い時は攻撃できない、というものがあります。そのため相手モンスターを寝かせてから攻撃に出られる機会は1回だけとなります。
 と少々不便な面もありますが、それなりに高い守備力を誇り《蒼翠の風霊使いウィン》のリンク素材にもなるので、《トーテムバード》同様にコストや素材にしましょう。

《幻獣機ドラゴサック》

 ランク7の大型エクシーズモンスターです。
 《嵐征竜ーテンペスト》の同期であり、【征竜】の基盤を支えた強力なモンスターです。
 素材を使うことで貧弱な《幻獣機トークン》を2体生成する効果、「幻獣機」モンスターをリリースし自身の攻撃を放棄することで場のカードを破壊する効果、自分フィールドにトークンがいる時に戦闘・効果で破壊されない効果を持ちます。
 素材に使えるのは《嵐征竜ーテンペスト》《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》のみであり、4900〜5000の攻撃力を捨ててまで出す必要があるかは一考の余地があります。
 筆者も使ったのは2〜3回くらいですが、その全てで勝利に貢献しています。使いどころを見極めて場に出し、効果を通していきましょう。

《蒼翠の風霊使いウィン》

 リンクの「霊使い」の一角です。かわいいですね。
 筆者のこだわりで2枚積んでいます。
 環境的に風属性が相手の墓地にいる可能性は低いので、相手の墓地のモンスターを奪う効果はおまけです。いるとしたら「電脳堺」モンスターくらいでしょうか?
 どちらかというと、モンスター2体だけでリンクできて破壊された場合に後続を呼べるカード、という認識で使用しています。
 風属性さえ含んでいれば相手から送りつけられた「壊獣」モンスターや《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》などを素材にすることもできます。
 また《ヒュグロの魔導書》で強化して攻撃することもできるので、タイミングを見極めることで活躍が見込めます。

まとめ

 以上が私の使っている【風霊使いウィン】の構築と各カードの採用理由となります。
 ちなみにマスターデュエル内で組もうとすると

・×16 N
・×11 R
・×13 SR
・×17 UR

 と少々お高いデッキとなります。

 私は《風霊使いウィン》が好きでこのデッキを組みました。皆さんも好きなカードを軸にファンデッキを組んでみてはいかがでしょうか?

 それでは、良いデュエルライフを!


おまけ(不採用カード)

《プチリュウ》

無理です
 組むなら【プチリュウ】にするくらいには介護が必須です。同じレベル2風属性ドラゴン族の通常モンスターで見ても攻撃力だけなら《ヤマタノ竜絵巻》に劣るため、《暗黒火炎龍》の融合素材として指定されている点を活かしたいですね。
 《融合派兵》によるリクルートに対応し、そのデメリットを無視して《憑依装着ーウィン》の特殊召喚や《地獄の暴走召喚》を発動できるため一考の余地はありそうです。

《ランリュウ》

 一応《プチリュウ》の進化した姿らしいです。
 長いこと名称不明であった《憑依装着ーウィン》の相方ですが、私のデッキでは不採用となりました。
 というのも、破壊された場合に発動できるリクルート効果でリクルートできるモンスターの中で、これといって強いモンスターがいなかったためですね。また能動的にこのカードを破壊する手段を用意できなかった点も不採用に拍車をかけました。
 《嵐征竜ーテンペスト》のサーチに対応する、《憑依装着ーウィン》と共にランク4に繋がるといったシナジーこそありましたが、魔法使い族の数が少ないこともあり採用を見送りました。

《憑依覚醒ーラセンリュウ》

 《ランリュウ》の最終進化形態です。凛々しいウィンちゃんもいいですね。
 これいる?
 いや、書いてることは決して弱いわけじゃないんですよ。種類を問わないバウンスに加えてサーチの難しい魔法・罠をサーチできると優秀なカードではあります。
 しかしこのデッキは魔法使い族が少なく(メインデッキだけで8枚)、フィールドのモンスターを2体消費してまで出す意義があるかは少々疑問でした。加えてサーチできるカードは《風霊術ー「雅」》しか採用していないため、採用を見送りました。

《吹き荒れるウィン》

 正直使い道がわかりませんでした。
 わざわざモンスターをリリースしてまで手札から出したい風属性がいなかった、という方が正しいかもしれません。《嵐征竜ーテンペスト》でサーチできる《守護竜アンドレイク》が採用候補に挙がったくらいですが、片方だけ引いても事故要因にしかならなかったため泣く泣く不採用としました。
 一応《幻獣機トークン》を多く生成できる構築にすることで貧弱なトークンを手札のモンスターに変換できるため、【幻獣機】に寄せた構築にするなら採用の余地はあるかもしれません。

「WW」モンスター

 ウィンと同じ風属性魔法使い族であり、召喚権を使わずに展開ができるカテゴリです。
 そのギミックは非常に強力であり【召喚獣】や【真竜】といったデッキとのシナジーが強かったため、OCG環境に居座っていた存在でもあります。《ルドラの魔導書》による手札交換にも対応していた点も評価が高かったですね。
 《WWーアイス・ベル》1枚から効果破壊耐性を得た《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》まで繋げることができます。正面からの突破は難しく、相手の貴重な除去を消費させることができるでしょう。
しかしそれが【風霊使いウィン】であっていいのか?
という疑問を抱いたため、丸ごと不採用としました。
 勝ちにこだわる姿勢が悪いとは思いませんし、否定することはありません。
 ただ筆者の「ウィンで戦って勝つ」という理念に反したために不採用としただけです。強力であることは事実であるため、こだわりが無ければ採用するといいでしょう。

《精霊術の使い手》

 「憑依」魔法・罠を丸ごと不採用としたため、採用する理由が無くなり不採用となりました。
 それぞれのカードについては後述しますが、端的にまとめるとそれぞれをフルに活かせないと判断したからですね。

《憑依覚醒》

 このデッキは風属性しかいません。そのため複数の属性を参照できるこのカードも全体300アップのカードでしかありません。《デザートストーム》の方がマシです。
 とあえて弱そうに書きましたが、ウィンが効果破壊耐性を得る効果と攻撃力1850の魔法使い族が場に出た時に1枚ドローする効果はシンプルで強力です。
 しかし特に《蒼翠の風霊使いウィン》は破壊されることが前提で採用していますが、このカードを使用することで破壊以外の方法で処理されかねません。《憑依解放》を併用することでサーチ効果が機能しなくなります。
 複数の「憑依装着」モンスターを採用する【憑依装着】ならば何も考えずにフル投入すると思いますが、風属性のみの採用、《魔導書院ラメイソン》の存在、《蒼翠の風霊使いウィン》の効果の発動トリガーといった要素を勘案した結果、不採用となりました。
 「魔導書」のギミックを全部抜いた場合は採用しても良いかもしれません。

《憑依連携》

 風属性のみが採用されているこのデッキでは追加効果の破壊効果を適用できません。発動に時間のかかるウィン専用の蘇生札以上の価値を見出せません。
 墓地の「憑依」永続魔法・罠カードを置ける効果も、このカードを墓地に送る必要がある点と蘇生効果の使用ターンには発動できない点が足を引っ張り、不採用となりました。
 他の属性を少し混ぜる構築であれば採用しても問題無いと思います。

《憑依解放》

 《風霊使いウィン》と《蒼翠の風霊使いウィン》に戦闘破壊耐性を与え、《憑依装着ーウィン》と《蒼翠の風霊使いウィン》の攻撃力を2650まで押し上げるカードであるため非常に強力です。
 他の「憑依」魔法・罠カードとは異なりこのカードは採用するか否かで結構悩みました。
 しかしリクルート効果を活かせない点、《ヒュグロの魔導書》によって打点を補助できる点、《風霊使いウィン》をリバースさせてまで奪いたいモンスターが仮想敵として一向に思い浮かばない点から不採用となりました。
 こちらも「魔導書」のギミックを採用しないならば採用する価値はあると思います。併用すると攻撃力3650まで上がるのでそちらも良いでしょう。

《スターダスト・ドラゴン》

 そもそも素材に縛りのある《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》ではなく同じレベル8の《スターダスト・ドラゴン》の方が使いやすいのでは?と思った人もいると思います。
 実はこのデッキは筆者がリアルで組んでいる【風霊使いウィン】からマスターデュエル未実装のカードを他のカードに入れ替えたものなのです。
 具体的には以下の通り

現実のデッキ
《SRデュプリゲート》
《いろはもみじ》

マスターデュエル
《風霊術ー「雅」》
《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》

 《いろはもみじ》の枠は正直何でも良かったのですが、現実のデッキの方でごく稀に《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》が欲しくなる場面に遭遇したことがあったため、そちらに軍配が上がった次第です。
 そのため《スターダスト・ドラゴン》を不採用とした明確な理由もありません。好みで採用しても良いでしょう。

《古神ハストール》

 わかりやすく強力なシンクロモンスターです。
 《ガスタの神裔 ピリカ》の項目で「《音響戦士ベーシス》を除く全員とはシンクロ可能です」と記載しましたが、このカードを含む☆4シンクロを全て不採用としたからですね。
 微妙な攻撃力になるだけの《ダイガスタ・ファルコス》と瞬間火力がちょっと高いだけの《HSR快刀乱破ズール》と異なり、安定した攻撃力と強力な拘束とコントロール奪取ができます。しかし一度装備されたこのカードを能動的に墓地へ送る手段が無い点とそもそもレベル4をシンクロする機会がほぼ無いという点から採用を見送りました。
 強いんですけどね。レアリティもNなので手に入れやすいですし採用の余地自体はあると思います。

《No.3 地獄蝉王ローカスト・キング》

 要塞と化す偽物の「No.」の1枚。
 魔法罠を無効にする《トーテムバード》とは対をなしこちらはモンスター効果を無効にします。
 また守備力の高さは《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》と並び、1度でも効果を発動すれば《青眼の白龍》の攻撃を受け止めるほどになります。
 とまあ強力ではありますが、①の効果が完全に死んでおり壁以上の役割が持てませんでした。フィールドのモンスター効果しか止められない点も評価を下げます。
 やはりこのカードは【電子光虫】でこそ真価を発揮するでしょう。風属性というだけでは採用できませんでした。

《ダイガスタ・エメラル》

 ランク4の中でも使いやすいカードで、とりあえず適当に入れても機能するカードです。
 しかしこのデッキはあまり展開力に長けておらず、《スターダスト・チャージ・ウォリアー》や「音響戦士」モンスターを使い回せる利点よりも、場のモンスターを失う欠点の方が目立ってしまいました。
 決して弱いカードではありませんが、ランク4は除去やアタッカーに枠を割きたかったこともあり、不採用となりました。
 先述の《ランリュウ》を採用し魔法使い族を多めに取り入れた場合は採用を見込めるでしょう。

《グレート・フライ》

 風属性しか採用していないこのデッキでは事実上素材の縛りが無いリンクモンスターです。
 地属性モンスターを弱体化させつつ、自分のモンスターは全て強化されます。自身も効果範囲に含まれるため実質的な攻撃力は1900となります。
 さらに破壊されることで墓地の風属性もサルベージできます。自身もサルベージ対象に含まれるので何度でも使い回せます。
 ではなぜそのような強カードが不採用なのかというとそれは、謎です。(は?)
 いや、何か理由はあったはずなのですが、すっかり忘れてしまいました。多分リンクモンスターは《蒼翠の風霊使いウィン》以外入れたくないとかそういうこだわりの面によるものでしょう。
 《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》の枠が自由枠となっているため、こだわりが無ければそこに入れてもいいでしょう。

《召命の神弓ーアポロウーサ》

 攻撃力が尽きるまで何度もモンスター効果を無効にする、現代の《光と闇の竜》もどきです。
 《月鏡の盾》と組み合わせることで攻撃力を戻し、何度でもモンスター効果を止められることと戦闘破壊を防ぐことを両立できるコンボは有名ですね。
 風属性であるため《風霊媒師ウィン》や《SRカールターボ》の効果の誓約をすり抜けながらリンク召喚できます。
 しかしこのデッキはあまり展開力に長けておらず、大量のモンスターを素材にしたリンク召喚を無効にされた日には泣いてしまいます。
 また種族も天使族であり「魔導書」の恩恵を受けられない点も欠点であるため、今回は採用を見送りました。


 決闘者の数だけデッキの可能性は広がります。
 筆者が採用しなかったカードにも可能性を見出し、皆さんだけのオリジナルのデッキを是非組み上げてください。
 数多の変t……奇抜なデッキが世に放たれるのを楽しみにしています。

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