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アンティークリング〜ターコイズの忘れな草

以前友人に向けて書いた、アンティークリングについての文章です。ちなみに友人はアンティークジュエリーや宝石には興味がない人です。

アンティークジュエリーに興味がない人に、全くお構い無しでアンティークジュエリーの文章を送り続けるって、よく考えたらどうかしてますね。

好意的に聞いてくれてた友人に感謝。


noteでもいくつかアンティークジュエリーの記事を書いてはいるんですが、真っ当な記事にしなきゃと思ってかなり気取って書いています。

だけど真っ当なふりをしてアンティークリングの事を書いててもテンションが上がらない。


淡々と書いてると、だんだん心が死んでいく。


そんなことを続けているとだんだん、アンティークリングに対しても気持ちが燃え上がらなくなってきてしまい、それは本当にマズイ!と焦りを感じ始めました。


ということで、過去に書いた中でもテンションアゲアゲの記事を大公開し
二度と格好つけてジュエリーを語らない戒めとしたいと思います。


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忘れな草。


ヨーロッパで男性が恋人にあげようとこの花を摘んだその時彼は足を滑らせて川に落ちた。流されていくその刹那彼はこの花を恋人に投げ叫んだ。

「僕を忘れないで!!」



そう、忘れな草の花言葉は

「私を忘れないで」。




アンティークジュエリーでもこの忘れな草をモチーフにしたデザインをよく見かける。

恋人たちが愛を誓う時に贈る、とか。

あとは亡くなった大切な人を偲ぶために忘れな草デザインのジュエリーを作る、とか。


大抵忘れな草モチーフのジュエリーにはターコイズが使われる。

こんな風に一輪。


セカイモン 商品画像より。美。   



そしてこれめっちゃかわいい!



セカイモン 商品画像より。美。


2輪は珍しい!

隣り合う忘れな草の中心にそれぞれ小さなルビーがはめ込まれ、互いに金の線で結びつけられている。

離れていても心はつながっているよ。 

ということだね!


華奢で愛らしいデザインなので、年若い娘さんに贈られた品だろうなぁ。
 

これ真ん中の金線はさり気なくハートっぽくしてあるわ。


何てステキなんだーー!


しかもちっちゃいターコイズがついたちっちゃいチャームまで揺れとるわ!


凝ってるな〜〜!!!


こういうデザインは本当に見ないし希少。

値段は可愛くないけどしかたない、と思わせるだけの魅力がこのリングには詰まっている!!


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セカイモン 商品画像より。美。


これもターコイズのアンティークリングの中では変わり種。



よっ、4輪咲いてるうぅぅぅぅ!!!!

と見りゃわかる事に感激。



だって!!!



大抵ははじめの画像みたいに一輪が多いし。

3輪のパターンもあるけど、真ん中の大きめの花の両サイドに小さめの花が一つずつみたいなパターンが多く

たいてい奇数で並べることが多いので、

この4輪はほんっっとーーーに見たことない!

こんなのあったんだ!




この立体感、花の向き、ターコイズのサイズ感、ヤバっっっ!

バランス最高だろ〜〜〜〜〜〜〜!


ブローチやネックレスのように平面に広がるジュエリーだと花をいくつも連ねたデザインはよくあるけど、リングは面積が小さいから、モチーフをたくさん盛り込むのがそもそも難しい。

それでも複数の花をデザインするとしたら横一列に並べるのがまあ定石なんだけど、

まさかの立体キターーーーーーーーー



これを作った人は誰ですか?

マジ天才と思うよ!



あとターコイズの色のチョイスもいい。

すっきりした空色が爽やかで、咲いている忘れな草の活き活きした花弁のよう!

でも単調にならないように、完全に色を揃えないで微妙に違う色のターコイズをうまく組み合わせていらっしゃる。




もっと言っていい?





これ、ターコイズは銀で覆って留めて、ゴールドの輪をつけてるの。

何でわざわざ石周りを銀にしたのか?

多分澄んだ空色の石を黄色味の強いゴールドで覆うと、色が反発するから。

あと反発する色で縁取りすると石が小さく見えるから。


空色とシルバーの方が視覚的に馴染みやすいので、石の存在感や美しさを損なわないし

清楚な忘れな草ブルーにはシルバーの清潔さが合う合う!



かと言って全体をシルバーで作るとそれはそれで冷たすぎるし。

色彩的に空色とシルバーだと馴染みすぎて単調だし。

シルバーのアームだと腐食や変色があるし
サイズ直しも基本的に出来ないし。



ということで、わざわざゴールドのアームをセットしたんだろうな………………




凝ってるな〜めちゃくちゃ凝ってるな〜〜〜

これはもー最高と言わざるを得ないでしょ〜



これはフランス製、刻印が入ってるので18ctゴールド、そしてターコイズ周りはシルバーだ。
年代は1800年代後半から末
いやもう少し前かな?


アンティークジュエリーといえば日本ではイギリスが数的には多くて、フランスは珍しくはないけど多くもないという印象。

もちろんイギリスのアンティークジュエリーもすごいんだけど、フランスのアンティークリングは特に好きだー!



欲しいっっ!!!

けど、サイズが8号と小さめなのよね。
古くて華奢なリングなので、日本でサイズ直しを頼んでも何号あげられるか…。

サイズ直しでリングに負担をかけるよりも、リングはこのままで、シンデレラフィットする人の元に行ったほうがみんな幸せになれる気がする。


美しいあなたよ、永遠なれ。

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