集落の存続をかけて

ワクチンや治療薬が
なかった時の
コロナウイルス患者が
医療従事者らにとって
恐怖そのものであったように

杉沢地区に
結核患者を集めたものの
彼らのほぼ全員は
そのまま衰弱して
死ぬしかなかったわけです。

最低限の食事の差し入れと
排泄物の出し入れは
するにしても
それを継続する限り
いま健康な人らが感染するリスクは
絶えない。 

そして献身的な人間が
また、感染する。

そういった恐怖が限界にまできたときに
集落の人らは
ある決断をくだしました。

衰弱した
結核感染者の集まっている
杉沢のそれぞれの、住居について
外から鍵をかけて
逃げられないようにしてから

火を放ち
結核患者たちを
皆殺しにしました。

これが世にいう
「杉沢村伝説」の
真実です。

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