石丸元市長の東京都知事選挙・みんな勘違いしている

ネットでは人気ナンバーワン

石丸元市長の東京都知事選挙は、私は興味はなかった。本人も都知事などになれるとは思ってないだろうし、なる気もないだろう。ともかく話題になればよい。客観的には、にぎやかし候補である。ただ、ネットでは人気ナンバーワンのようで、蓮舫候補に迫るという声もあるようだ。

政治家にはなりたくない

すでに書いたように、本人は、安芸高田市長になって、すぐに自分は政治家には向いてないと気がついたと思う。
台風が来るというのに、職員、市民が警戒をして、災害対策本部を立ち上げるというのに、自分は、趣味のトライアスロンをやるために、一人、はるか九十九里浜へ遊びに行っちゃう人である。

コミュニケーションが取れない人

4年間、見てきて驚いたのは、人とコミュニケーションをとることがひどく苦手ということである。相手を言いくるめたり、上から目線で自分より「格下」の人に話すことはできるが、相手と水平な関係で、距離を詰めていくことができないのである。40歳を過ぎて、そういう人がいるのかと新鮮に驚いた。本人も悩んでいるのかもしれない。

人が離れていく

だから人が離れていく。安芸高田市長になって、多くの人が期待して、一緒にまちづくりをしようといくつものグループができたが、どれも、すぐに活動を休止した。期待した人たちは、がっかりしたのではないか。

寄り添えない人

何よりも、弱者に寄り添えないのが弱点である。住民には高齢者、障がい者、子どもなど、さまざまな人がいて、さまざまな事情がある。そういう人たちに寄り添うのが、政治であるが、それができない。

政治家には向いてない・ひろゆき的立場でいこう

だから、すぐに気がついたと思う。自分は政治家には向いてない。ただ、ひょんなことで、ネットの寵児になった。私の仮説は、石丸元市長は、「ひろゆき的」立場で生きていこうと決めて、それに従って行動してきたと考えている。この仮説は、今でも間違っていないと思っている。

2.ひろゆき的立場と東京都知事選挙

なぜ広島知事選挙ではないか

簡単な話て、広島県知事では話題にならないからである。現在の広島県知事の名前をいえる人がどのくらいいるのか。対して、東京都知事の小池さんならみな知っている。ともかく話題になる、そして自尊感情を満足させることができる。これ行動原理である。

政策は安芸高田市の焼き直し

選挙に受かったり、政治家になることが目的ではなく、話題になることを第一に考えれば、政策の中身は、どうでもよい事になる。東京都知事選挙で、政策として出したのは、安芸高田市の市長選挙のときに出した時とまるで同じ、政治再建、都市開発、産業創出である。

具体策がない

この3つの政策であるが、安芸高田市の4年間で、何一つ実現できなかった。
目玉の政治再建は、議会が悪いというだけで、4年間、改善策はひとつも提案、実現されなかった。タイトルをつくるに得意だが、具体的に内容を詰めるのは苦手ということである。

財政再建の実績で東京都知事に

中には、財政再建の実績で東京都知事にという記事を書いているマスコミもあるようだ。たしかに、1年間だけ、黒字になったが、この時はコロナの大盤振る舞いのときで、他の自治体も軒並み黒字になった。
銀行がやるような貸しはがしのような削減策では、財政再建はできようがない。

あ、ひとつ実現したのがあった。「お好み焼き」の考案である

4年間のほとんど唯一と言って成果は、「あきたかた焼き」というお好み焼きを市長が提案したことである。ただ、東京には、すでに月島などの「もんじゃ」があるので、提案する余地は少ないのではないか。

選挙演説を聞くときに・具体的に何かを語っているか

私自身は、選挙演説等は聞いたことがないので、よくわからないが、聞きどころは、政策の内容を具体的に何かを語っているかどうかである。政治再建ではどうする、産業創出ではどうする。何を語っているのか、聞いてほしい。おそらくであるが、語るべき何かを持っていないので、具体的なことは何も語っていないのではないか。

3.石丸元市長はどうなるのだろう

結構、票をあつめるのではないか

既存の東京都知事候補が、いまさら感があるので、ある意味、異質で「新鮮」な石丸候補は、結構の票を集めるのではないか。これまで選挙に行かなかった層を投票に押し出すプラス効果もあるかもしれない。

しばらくマスコミでちやほやされるのではないか

東京都知事選挙で、一定の信任を得たということで、しばらくは、マスコミに、ちやほやされ、テレビにも登場するのではないか。コメンテーターとして、元市長を見る機会もあるように思う。本来は、ひろゆき的立場のユーチューバーがめざすべき立ち位置だった思うが、その意味では出世である。

ただ、長くは続かないだろう

有識者で石丸元市長を応援する人はいないだろう。政党で言えば、維新が最も近いが、ただでさえ、維新議員の質の悪さ、抱えるさまざまなトラブルのなか、みんなをほっぽり出して、千葉にトライアスロンに行っても、悪びれるところがない人を選挙で推薦したら、トラブルのタネをまた抱えるだけだろう。政党も声をかけないだろう。
内実が伴なわないこと、そして本人の性格から、早晩、飽きられ、見透かされて、華やかな場面から退場して、本来の迷惑系ユーチューバに戻るのではないか。これが私の見立てである。

残ったのは煽られた人たち

残ったのは石丸元市長に煽られた人たちと、何よりも、石丸騒動によるポピュリズムの広がりと「深化」である。ここが、最大の問題だと思う。


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