グラディウス1億点プロジェクト回想録(前編)
はじめに
昔話で恐縮ですが、かつて私は友人達と某ゲームセンターにて、アーケード版グラディウスの1億点達成に挑戦したことがありました。
加齢のせいでしょうか、近頃は過去の記憶が薄れつつあるのをひどく感じます。
おぼろげながら記憶のあるうちに、当時のスコアとエピソードをデジタル媒体に残しておこうと思った次第であります。
何しろ30年以上前の出来事ですので、記憶違いも多々あるかと思います。
間違い等ありましたら、ご指摘とご容赦を頂ければ幸いです。
プロローグ
そもそもは、巣鴨のゲームセンターに集まっていた面々の雑談から生まれたプロジェクトだったようです。
当初は巣鴨でやろうとしたらしいのですが、許可を貰えなかったそうです。
どうみても営業時間内に終わる見込みがないので、当然と言えば当然でしょう。
「なかなか場所とメンツの都合がつかなくてさ~」
と主催のM氏がぼやいていたのを覚えています。
M氏の名字は「高見」といいます。
故人です。
スコアネームは「めぞん一刻」。
自分は彼のことをスコアネームの「めぞん一刻」を省略して「めぞん」と呼んでいました。
以後「めぞん」もしくは「め」と表記します。
某所某日、私がいつものゲーセンで遊んでいるとめぞんが話しかけて来ました。
め「グラディウスの件だけどさ、許可もらえたからこの店でやる。一緒にやろ~よ」
私「は???」
そもそも自分はグラディウスをほとんど遊んだことがなく、どうみてもふさわしくない人材でした。
やろうとしてる話は耳にしていましたが、まさか自分に声がかかるとは夢にも思っていませんでした。
め「I氏にも声かけてあるから大丈夫。アイツ上手いから大丈夫」
何が大丈夫なのか全くわかりませんでしたが、どうやらプレイ中に残機を溜めすぎても良くないことが起きる可能性があるらしく、適度に初心者がいたほうが、
かえって都合がいいらしいです。
私「それなら気楽でいいや、ヒマだし楽しそうだし手伝うよ」
二つ返事で引き受けたはいいものの、さすがにド素人のままでは戦力にならないので、色々教わりながら事前練習しました。
なんとか当日までには、
「ザブはアドリブだけどその他は一応やり方だけは知ってるレベル、復活は逆火山ステージ中盤以外は一応出来る」
というところまでは上達しました。
逆火山中盤は滅多に成功しなかったですね。
とりあえず、当日逆火山でハマってしまったら、寝てる相棒を叩き起こして解決しよう、ということで目をつぶりました(笑)
そもそもよく許可が貰えたものだ、と思ってめぞんに聞いたところ、
「あくまでも筐体のメンテナンス中という名目になってるから」
という答えでした。
はい、かなり無理がありますね(笑)
色々とゆるい時代であった、としみじみ思います。
「営業時間外では一切金を筐体に入れていない」
という点では違法行為はないと思いますが、厳密には色々アウトでありましょう。
熱暴走を防ぐ為に、
「テーブル筐体開けっ放し+筐体の横で扇風機を回して冷却」
というスタイルでプレイしていました。
この風景は、
「事情を知らない人にはメンテナンスしているように見える」
という効果もあり、一石二鳥だったかも知れませんね。
連射装置はありませんでした。
そもそも当時は連射装置というもの自体が希少でしたから、別に不自由は感じませんでした。
とは言え、もし連射装置があったなら、逆火山中盤の復活も少しは安定したのかなあ…と今にして思いますね。
記録を残すためのノートをめぞんが用意してきました。
これに周回ごとのデータを記入していって欲しい、とのことでした。
この記録は現在(西暦2022年)でもコピーが残っていて、当時の雰囲気をありのままに伝えてくれています。
当時は、
「めんどくせ~よ、こんなの書いて何の役に立つのよ?」
と思っていましたが、今まさにその時がやってきました。
この記録がなければ記事に残そうとは思いませんでしたから、記録を残しておいて良かったと、今にして思います。
記事の中編・後編ではその記録を元に当時を振り返ります。
というわけで、
グラディウス1億プロジェクト、発動。
平成2年4月5日20時20分
と、当時の記録には残されています。
(続く)