ラジオドラマ「」

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配役

レポーター：
整体師：

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（場面1：上野公園）
（SE1：外のざわめき）

レポーター「はいっ、「あさドキ情報局」をご覧の皆さんこんにちは！　私はいま上野公園に来ています。
本日はですね、園内の美術館で今月末まで開催中の展覧会、「大バロック展」へお邪魔させていただきます～。
教科書にも載っている名画がいくつも見られるらしいですよ～～？　さっそく行ってみましょう！」

（場面2：整体院）
（SE2:ヒーリングミュージックの類）

整体師「こんにちは。ええと予約は……ない？　初診？　あー、まあ今だったら空いているから大丈夫ですよ。
ひとまずこの問診票に症状を書いてもらって……。ふむふむ、とにかく全身凝りや痛みがひどいと。まあとりあえず
診てみますから、横になってください。……ああ、これは……ひどい！」

（場面3：美術館内）

レポーター「さあ、特別に許可をもらって開館前の館内へ……。ところで館長、"バロック"っていったい
どういう意味なんでしょうか。……ふむふむ、「ゆがんだ真珠」という意味なんですか。……はい、ルネサンスは
知っています。……なるほど、ルネサンスの芸術にくらべて演出過剰だったりダイナミックだったりするからそう
呼ばれるんですね。あ、見てください！　皆さんも一度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか、
ベラスケスの「ラス・メニーナス」です！　向こうにはレンブラントの作品も……えっ！？　消えた！？」

（場面4：整体院）
（SE2:ヒーリングミュージックの類）

整体師「ほら、仰向けになったとき足が外側に開いてしまっているでしょう。これは骨盤がゆがんでいる証拠ですよ。
こうやって足を揺さぶって……と。はい、腰を持ち上げるので下に手を入れますよ～」

（場面5：美術館内）

レポーター「ど、どんどん作品が館内から消えていきます！　信じられません。
これはとんでもないことになってしまいました。館員の方や警備員の方たちも騒然としています！
はは、これは面白くなってきた……！」

（場面6：整体院）
（SE2:ヒーリングミュージックの類）

整体師「きょうはこれくらいにしておきましょうか。ゆがみはだいぶ矯正しました。首が前より後ろまで回るでしょ。
でも、整体っていうのは一度やっただけじゃすぐ元に戻っちゃうんです。二回目、三回目と継続していかないと。
それで、次回はいつにします？　予約がけっこう埋まっていて来月以降になってしまうんですが……。え、その頃には
もう日本にいない？　それじゃあ仕方がないですね……。お大事になさってください。」

（場面7：夜のニュース）

レポーター「21時のニュースです。昨日、上野の美術館で展示中の作品が突然消えてしまった事件について続報です。
本日ふたたび絵は元の場所にかかっていたということで関係者は胸をなでおろしています。
警察では、何者かが事情を調べているとのことです。
本件に関しまして、当局の番組「あさドキ情報局」にて、現場に居合わせたレポーターより
不適切な発言があったことを深くお詫びいたします。」

おわり