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80の壁をどう乗り越えるか、上の数値がいくつになら高血圧なの?

 血圧の高い低いについては考え方がいろいろあるようです。
ネットを検索すると、「高めの血圧を放置した」ことを後悔するという内容の広告を見かけます。そこに出ている画像は上が130です。これを高めだと見ることは可能でしょうが、誰に対しても高めだと誤解を招く広告だといつも思っています。
 また、広告主の方にも誤解(?)があるように思います。血圧が高めだと思っている人が「放置している」ことは考えにくいからです。みんな気にかけていて、何かしらの手段(薬を飲んだり、塩分を控えたり、運動をしたりなど)を講じているからです。サプリメントを飲んで欲しいという広告主の気持ちが前に出ていて、血圧で悩んでいる人の気持ちを逆撫でしているようにさえ思えてしまいます。

 先に引用した浴風会病院の和田先生は著書(80歳の壁)の中で「血圧の数値の話。幸齢者は高くても大丈夫」(先生は高齢者という言葉を幸齢者としています)というタイトルで、
「かつては血圧が150くらいでも血管が破れることがありましたが、それは昭和30〜40年代の日本人の栄養状態が悪かった頃の話です。栄養状態がよくなった現代では動脈瘤がない限り、血圧が200でも破れることはありません。・・・とにかく数値だけで「異常」と判断され、薬を飲み続けるという選択は間違いです。自分の体の状態から判断するのが、幸齢者の賢い選択です」(79〜80ページ)と書いています。
 先生自身も血圧に問題を抱えているそうですが、170くらいで調整していると出ていました。つまり、血圧が高いというのはデータだけに頼るのではなく、自分の体調、体質、環境を基準に考えることを説かれています。私としては大いに参考になりました。

 血圧の数値をどこで線引きするかは正解がないように思います。年齢、環境、食事、仕事、遺伝、生活習慣などを個々に判断しなければ「正常値」を決めることはできないと思っています。
 昭和の時代には「年齢+90〜100」を目安にする数値が喧伝されていました。私の場合だと80+(100〜90)で180〜170です。この基準値の方が理にかなっているという説を唱える医師もいますから、現在使われている基準(日本高血圧学会の見解)で上が140を越した人を「高血圧症」としているのは、何を根拠にしているのか一般の人にわかりやすく、はっきりと説明しなければならないように思います。(降圧剤を飲んで血圧を130以下にすれば健康が保てるのか、長生きを保証できるのか、リスクはないのか・・なども明示して欲しいものです。「長生き保証書」を発行してくれれば嬉しいけど)

 健康食品を売り出している会社の広告で「130以上を血圧高め」として扱っているのも不安を醸成するのではなく、血圧正常値の根拠を示さなければならないでしょう。理由があるはずです。(ちなみにアメリカでは130を基準にしているそうです)

〈表紙の写真はポピュラーなタイ料理・カイチアオチャオームです〉
〈下の写真はタイ・海老チャーハン、カオパットグンです〉

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