深夜バスの旅

前回予告を打ってしまったゆえ、書こう。(律儀)

水曜どうでしょうを見てゲラゲラ笑っていたオイラに、高校生の娘たちが言った。

「深夜バスなんて、たいしたことないじゃん? なんか大げさ(笑)」

ほおお、乗ったこともないのに、いい度胸だ。

売られたケンカ、(勝手に)勝ってやる!!
ポチポチ、予約完了。

土曜仕事を終えて、娘たちを拉致り発着場である岐阜駅に。
WILLERの深夜バスの旅である。
肌寒い12月だが、バス車内はじっとりと嫌な汗をかく。

一路、新宿駅へと向かう我々は、人いきれで結露しまくった窓ガラスをぼんやり眺めつつ、何度も狭苦しい寝返りを打つのであった。

早朝6時前、なんでもない道路沿いにバスが到着する。
現在はバスタ新宿があるが、当時はターミナルなど無かった。

この時点で、無言な娘たち。
勝利だ、このヤローであるが、とりあえずこの後の帰宅深夜バスの出発は15時間も先である。

あたりを見回しても、開店している喫茶店すらないので、トボトボと歩き新宿駅から山手線に乗った。
ガラガラな車内で、遭難民のように肩を寄せ合い電車に揺られる3匹。

ああ、この振動が心地良い……パトラッシュ…僕は幸せだよ…

ガタンと電車が止まって唐突に起きたオイラ。ここどこよ? てか、何時よ?

つか、周りに人がいっぱいいるよオイィィィ

軽〜く爆睡して、山手線を3周してました。

深夜バスに乗ることが目的であったため、その他はノープラン。

「君たち、大都会までわざわざ来たんだ、どこか行きたい場所はないのか?」

「うーん……ない」

岐阜のド田舎に住んでる若者は都会に憧れたりするもんじゃねーのか?
ならば、

「品川水族館はいいぞぉ?」

「えー? 興味なーい」

(°▽°)

オイラの趣味を押しつけても無駄だ。
幼稚園児じゃあるまいし、JKには通用しない(汗

思えば、娘たちが何に興味があるのかさえ、考えたこともなかった。
ゲームが好きなのは知っていたが、このまま山手線のホームで娘たちをしらけさせ続けたら、母の名折れだ!

「じゃじゃじゃ、秋葉原…行く?」



「行く!」

よっしゃ、通ったぁぁぁぁぁぁ!!

残り7時間。
秋葉原を満喫…でき過ぎるわけで、適当にオタク店を回って歩き疲れたので、漫喫で時間潰しを選択。

久しぶりの東京なのに、なんで漫喫…とオイラは思ったけども、娘たちは初めての漫喫なのでテンションアゲアゲ。

オイラとしても、このままバス出発までゴロゴロできると思ったのだがしかし。

未成年の方は午後6時半までしかご利用できません。

マジか…(T ^ T)

今思えば、映画見て時間潰す手もあったよなぁぁとはいえ、深夜バスに殺られた脳みそは完全に死んでました。

泣く泣く漫喫を出て、とりあえず深夜バス出発地点の新宿駅に移動し、
酒に癒しを求めたオイラは娘たちと居酒屋で腹を満たすことに。

未成年だし、早々に追い出されるかもしれないとドキドキしながら酒をあおっているので、まったく酔えない。

ようやく、バスの出発時刻に近づいた我々は居酒屋をあとにし、帰路のバスに乗り込んだ。

さあ!明日は月曜、仕事だ仕事ww
娘たちも学校だよ、ギャハハ
と心の中で叫んでいると、尿泉さんがお出ましになる。

酔えなかったために酒量は相当いっていた。
トイレ行きたいトイレ行きたいヤバいかなりヤバい漏れるMAX バカだオレはバカだ…

安いWILLERバスはトイレ無し。休憩先までがんばろう、いやダメだ。とにかくバカなオイラを許してくれ、もう我慢の限界なんだ。

コソコソコソっと運転手さんに近づき、「ほんとうに申し訳ないのですが、トイレに寄ってくださることはできますでしょうか…ダメなんです…身体が…ダメなんです…」

「あと1時間ほどで休憩予定なんですが」

「…ダメなんです…ほんとうに…ごめんなさい…」


リアルどうでしょうの大泉さんを演じたオイラと忍び笑いをする藤村さんを演じた娘たち。

もう、もう、2度と深夜バスには乗らんぞ!!!

と微かに叫びながら、変な走り方でトイレに向かったオイラを窓から見送った笑顔の娘たちで、完璧なエンディングでした。


が、さすが水曜どうでしょうですねぇ、さらに たたみかけてきた怒涛のラスト。

「雪 積もっとるやないかい!!!」

到着した岐阜駅は、雪国でしたww
なんだよぉ、予定外だろぉぉぉ

車に積もった雪を高速で払い退け、仕事と学校の遅刻を回避すべくフルスロットルをかましたという、オチ。

その時に乗ってた車はこちらです


10年前のお話でございました。

どぅだぁ、お見舞いしたぞぉーー

追伸。
その節はバカなオイラにトイレ休憩を与えてくださったWILLERの運転手さんに最大限の感謝を申し上げます…

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