双子じゃないのに同級生の長女の話

ある朝、旦那が職場からもらったパソコンを運んできた。
廃棄するモノだし、適当に触っていいよと居間に設置して仕事に行った。

ごくごく簡単なゲームができるようだが、まあオイラにとってはただのゴミでしかない。

だがしかし、長女にとっては違ったようだ。


その日、オイラは仕事が休みだったので、別の在宅ワークをしていた。

11時過ぎくらいに玄関のドアが開く音がしたので、来客かと思ったら長女がいた。

「!? ん??」

長女は はにかんで何も言わず、真っ直ぐにパソコンに向かう。

体調が悪くて、保育園の先生が送って来てくれたのかと思って外に出たが、そんな気配はない。

長女も特に熱もないし、今日は早帰りの日だったっけ??
お迎えに行かなかったオイラの失態か?(汗

などと思っていたら電話が鳴った。

「もしもし……あの…。
娘さんが行方不明なんです!!!申し訳ございません!」

「え?? いや、家にいますけど…」

「は???」

「ん? いや、さっき帰って来たんですけども……」


「……は? え? (〇〇ちゃん家にいるって  ゴニョゴニョ…)

あの、そちらに迎えに行きます!
オヤツの時間に居なくて、今までずっと探してて【泣】【泣】」

先生の涙声を聞きつつ、
オヤツタイムの10時から今まで捜索していたというが、本当は10時前に長女が園に居なかったんだろうと悟った。

大人が徒歩で行っても20分はかかる場所だ。

「あーー、わかりました。でも、オイラが連れて行きます。」

「あ、はい!…よろしくお願いします。お待ちしてます!!【泣】」


そんなやりとりなぞ おかまいなしで長女はパソコンをポチポチ触って楽しげだ。
これが触りたくて帰って来たのかぁ。

保育園までの道のりには、歩道橋はあるが横断歩道はない国道と、田んぼ用の1メートル幅の農水路がごうごうと流れている。

しかも園から家まで、迷子にもならず(?)に帰宅するとはww

長女は大物だなぁと笑いながら、頭をなでなでして、とりあえず園に行くかと車に乗せた。

道すがら、農水路を見るとかなりの水量だ。
大人でもここにハマるとキツいよなぁと思いつつ、園に到着すると


園長はじめ、スーツのお偉いさん方がずらりと横並びで

「申し訳ありませんでした!」
ときたもんだ。

えーーーと。

まぁ、オッサンに頭下げてもらうのは滅多にないことだけど、6人から同時に謝罪とかww
貴重過ぎるww

どうやらその日は、たまたま 総議会があった日らしく、先生方も園児よりはそっちに重きを置いてて、気もそぞろだったようだ。
ともあれ、

「何もなかったので良かったですが、居なくなったら早く連絡ください」

「へへーーー(平身低6頭オッサンずの図)」

まぁ、園も管理不行届ではあるが、長女もブラックリスト入り。
今後は目配せと育児管理は徹底してもらえるだろうから、逆に良き良き。
何事もポジティブ思考さっ

なんて思って流したのだがしかし、

それからしばらくして
子供を乗せてドライブしていた時、
側道から老人がととと と目の前を横切ったので急ブレーキを踏んだ。

「ぁんわ、あっぶねーー!」

とオイラが言ったら

「ワタシもそうだったよー」


と、長女が無邪気に笑う。


いや、おまえ、事故りかけとるやんけ!!!!(怒


はぁぁぁぁぁ………

……生きててよかった【泣】

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