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私が薬膳にハマった理由(後編)


(前編からエッセイ感覚でお読み下さい)


女先輩達と待ち合わせをしていったお店は

【百楽門酒家 _ヒャクラクモンシュカ_】

という、下北沢のお店。↓ホームページ


丈夫なお店の扉を開けたら、すごいのは香り。

分からないけど、身体に良さそうな香辛料系の香りが外まで漂いました。もう一個扉の向こうのはずなのに(中に入るまで扉二個あった)

それは、全く不快ではなく、むしろその香りだけで身体が浄化されそうな…身体がぽかぽかになるような感覚だったのを覚えています。色んな食材が見事にブレンドされた、辛めの香り。右も左も分からない私は、先輩方にコースをお任せして、皆でソフトドリンクで乾杯。

話は逸れますが、食事って五感が大事。例えばラーメン屋さんに行く時とか、「いい匂い!お腹空いてきたぞ〜」って食欲が湧いてきたり。目で見て、口や手で感じて、耳で料理の音を聞いて待つとか。こんな風に美味しい記憶が頭にあるからこそ、今回話題のコロナ感染で「あれ?いつもより嗅覚が…」って気づくのかもしれません。


次に驚いたのは、お鍋に浮かぶ薬膳食材達。

赤色で旨辛い麻辣スープの鍋と、白色で万人受けする美白湯スープの鍋。それぞれの鍋に、ニンニクやクコの実、唐辛子やしょうが、長ネギ、知らないものまで浮かんでいる… だから特徴ある香りがするんだ!と、一目瞭然でした。


先輩が「まずスープを飲むのよ」と教えてくれたので、飲んでみると…美味しい!!ただ辛いだけ、とかじゃなくて、ニンニクやしょうがの旨み有りきの美味しさ。そして身体がじんわり温かくなって、胃がぽかぽかし始めました。まだスープしか飲んでないのに、私スープだけで十分だと思ってしまう程。


薬膳鍋の食材は、しゃぶしゃぶ鍋とあまり変わらず。ただ、ラム肉が定番で、他にも牛肉や豚バラ肉も豊富に扱われていました。〆は中華麺で、美味しくて食べ過ぎてしまいました。でも、不思議と不快な満腹感ではありません。普通のお腹食べたら、「食べ過ぎた」感があって、時に吐きそうになることもあるけれど、野菜中心だったこともあり、食べた後も 全く胃もたれや吐き気はありませんでした。


女先輩達は、どうやらこの女子会には

「元気がなさそうな人を誘う」

のがお決まりだったようで、見事私は選ばれました。


そこから、薬膳の効能や美味しさをもっと知りたい!と思いましたが、当時はまだまだ薬膳鍋屋さんが数える程しかなく、あったとしても「お二人様から注文可能」がほとんど。今でこそ、お店も増えて 薬膳料理も広まってるけれど。


食が豊かになった今、長期保存が出来る食品も増えて、それと比例するかのように食品添加物も多々使用されています。


それを、否定する訳ではない。むしろ私もインスタント麺とか大好きだし。


でも、昔からの伝統的な料理って、なんだか素敵だよなあ。和食も勿論だけれど、もっと現代食にとらわれない食文化で健康になったって、いいじゃないか と感じるようになりました。


今は、薬膳鍋の鍋自体が欲しいです。



あかね

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