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写真展 川内倫子「M/E」へ

開催を知ってからずっと楽しみにしていた展示、川内倫子「M/E 球体の上 無限の連なり」へ行ってきた。

[開催概要]
川内倫子「M/E 球体の上 無限の連なり」
期間:2022年10月8日[土]─ 12月18日[日]
会場:東京オペラシティ アートギャラリー

https://www.operacity.jp/ag/exh255/


* * *

川内さんの目線を借りて、世界を少しのぞき見させてもらったような。

ふだん生きていて、見ないようにしてるもの、確かにあるのにないようにしてるものがどれだけあるんだろう、と思ってしまった。
都会にいると特にそんな風になってしまうな、とも。

満員電車の人混みとか、道端のセミの死骸とか。

なんなら、セミとか鳴いているのうるさいなぁと思ってしまうし、死骸も沢山見て特に心が動くわけでもなく、
満員電車では、赤ちゃんの泣き声とかにいちいち反応しない。
イヤホンをして、目を瞑って、聞かないよう見ないようにしていたりする。

子どもの小さな手
アリが巣に草を運んでいく様子
手の上に乗ったカマキリ
セミの死骸
鳥の死骸
光を受けてキラキラしている川面
森の木々、光と影のコントラスト
阿蘇山での野焼きの火

生き物の圧倒的な生と死が写された写真たち。
私達も自然の中に暮らしていて、その一部だということを思い知らされた。

タイトルの<M/E>は「母(Mother)」、「地球(Earth)」の頭文字であり、続けて読むと「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(ME)」という意味でもあるらしい。

個人的な話だけれど、私生活で色々あり割とボロボロな中この展示を見れてよかった。
確かな強さ、透明な光と影、静けさを携えた写真たちを忘れたくないと思った。

一番好きだった写真



最後に、川内さんが映像を手掛けたミュージックビデオ、
baobab+haruka nakamura「Light of dance」がとてもよかったので貼っておきます。


追記(2022.12.30)
電車について書いたけれど、目的地まで不特定多数の人が半ば強制的に乗らなければいけないので、そこは自分の意志で見たり感じたりするのとは少し違うのかもしれない、と思ったりした。

ここで知ったbaobab(ゲスト:haruka nakamura、田辺玄)の演奏会に申し込んだら、30名限定のライブに当たり、この曲を生で聴くことが出来た。
写真展展示室内で川内さんの撮った映像がバックに映し出されながらの演奏会は、すごく贅沢な時間だった。
2023年1月21日〜滋賀県立美術館にて巡回展が行われるようなので、気になった方はぜひ。

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