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アメリカの金持ちおもろい

旅先では美術館に行く。
世界中の美しいものを見てみたい、という気持ちがあるから。
美しいとされているもの、その正体を、見てみたい。
ニューヨークに行って、いくつか美術館を回ったのだけれど、そこで見ると、アートの扱いがアメリカとヨーロッパではだいぶ違うんだな、というのをしみじみ感じる。
ヨーロッパにもコレクターがいて、美術館にも寄贈されているんだけれど、こちらは、先祖をホルバインが描いていて、たまたまうちにあったから、というようなものが、ベースにある。
つまり、好き嫌いでなく、子供の頃からそういうものに囲まれていて、その延長上にコレクションがある。
自分の趣味だけでなく、じいさんばあさん、父ちゃんの趣味も混ざり合って、ナントカコレクションとなるわけだ。
ひとつの文脈の流れにある。
でも、アメリカは違う。
財を築いた人のコレクションは、完全に個人の思いと情熱の発露。
まー、よくこんだけ微妙な趣味、よりによってこの作家の中でもこれ買ったな、とか。
なんかわかる、わかる!とか。
美術館をまわる中で、コレクターにも興味がわいてくる。
というよりも、コレクターの好みがくっきり出ていて、絵とも対話して、コレクターとも対面する、という感覚になってくる。
いくつかの個人が設立した美術館があるんだけど、それは建物込みで、そのコレクターとおしゃべりするみたいで楽しい。
こんにちは、あなたのしゅみ、私もいいと思います、好きです。
グッゲンハイム美術館はもちろん有名で楽しいんだけど、ノイエギャラリーにフリックコレクション、どれも惹かれる。
ノイエギャラリーなんて、素敵なカフェもあるし、そのまま住み着きたいぐらいだったし。
北欧の昏さがどこかにあって、ほんの少しだけ憂鬱をまとっていて。
もしかして分身か?というぐらいピタピタきた。
フリックコレクションの、伝統を持たない新しい世界でひとり走ってきた、先駆者ゆえの、ヨーロッパ回帰も。
どれもただ、その人がむき出しで、ぐっと迫る。
そういえばZOZOTOWNの前澤社長が、バスキアの絵を60億超えで購入したとダイヤモンドオンラインに出ていた。
この買い物で有名になってディカプリオの邸宅に招かれて、アート談義を繰り広げたらしい。
その記事を読んだ瞬間は、価格高騰させて、とかセレブとか持ち出して下世話な!って思ったけれども、よく考えたら、いいじゃないか、100億だろうと、欲しくて買える力があれば。いくらつけようが、その人の価値観。
裁かないのが、アートの楽しさだから。
ジェット機とか、銀座の飲み代とかに費やすよりは、よほどよい選択な気がする。
といっても、そういうものにも、さんざん費やしているのかもしれないし、車も宝石も、なんだろうと、すべては個人的な好みの問題でしかないのだけれど。
記事によるとそのうち、美術館とかを建ててコレクションを公開してくれるらしい。
それを聞いて俄然、たのしみ!
何を選ぶか。ってすごくシビアにその人を顕にするものだから。
アメリカの金持ちに負けず、日本のビリオネアのみなさーん。
アート、どんどん買おうぜ!!
#買い物 #バスキア

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