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とりかえ・ばや

漫画『とりかえ・ばや』は、さいとうちほさんによる漫画作品です。

平安時代末期に成立した作者不詳の『とりかへばや物語』をもとに、男として生きる女の子・沙羅双樹と、女として生きる男の子・睡蓮の波乱万丈な人生を描いています。

物語は、権大納言の藤原丸光が二人の妻から同じ日に美しい姉弟をもうけたところから始まります。沙羅双樹は活発で才気煥発な性格で、睡蓮は内気で男性恐怖症な性格でした。二人は14歳になったとき、それぞれ男として元服と女として裳着の儀を受け、性別を偽って生きることになります。

沙羅双樹は帝の信頼を得て官位を上げ、四の姫と結婚しますが、女であることを知った親友の石蕗と関係を持ってしまい、妊娠してしまいます。睡蓮は女東宮の尚侍となり、帝の入内を望まれますが、女東宮に恋心を抱いてしまいます。二人はそれぞれの立場や運命に苦しみながらも、生きる道を探していきます。

本作は、平安時代末期に成立した作者不詳の『とりかへばや物語』をもとにしていますが、原作とは異なる点が多くあります。
例えば、原作では沙羅双樹と睡蓮は実の姉弟ではなく、それぞれ別の人物との間にできた子供だったり、沙羅双樹が石蕗との関係を拒否したり、睡蓮が女東宮に恋心を抱いたりするなど、漫画版の方がドラマチックな展開になっています。

本作は、2018年に全13巻で完結しましたが、その後も外伝や番外編が掲載されています。
例えば、『月刊フラワーズ』2022年4月号では、作者の画業40周年を記念して、本作の外伝の読み切りが掲載されました。
この外伝では、沙羅双樹と睡蓮が立場を入れ替えて生きることになった後の様子が描かれています。

『とりかえ・ばや』は、平安時代の風俗や文化を忠実に再現しながらも、現代の感性や問題意識を取り入れた作品です。
性別や恋愛、忠誠や野望など、様々なテーマを扱っています。
作画も美しく、登場人物の感情や表情が鮮やかに描かれています。

漫画『とりかえ・ばや』を読んでみませんか?

とりかえ・ばや 全13巻

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