見出し画像

4月11日木曜日

昼の仕事が終わり、自転車を漕いで
橋を上っていると向かいから自転車に乗ってる
おじいさんがすれ違いざまに千円を落とした

といっても、拾ったのは餅屋の前を走っていた
おじさん。おじさんは器用にサドルに跨った
ままで、お札を拾い上げて

少し遠くに行ってしまってるおじいさんを
千円を手にしたまま、眺めている
そこに居合わせた餅屋。

ついつい、気の良さが出てしまい
思わずおじさんに「渡してきましょうか?」と
言うと、おじさんは「大丈夫?お願いしてもいい」と言って、千円を託してきた

その少しのやり取りをしてる間にも
おじいさんとの距離は開いていく

端の真ん中あたりの下り坂を曲がるおじいさん
正直言って、途中からこれ諦めても良いのでは?と思いつつも

橋の上から見てるであろうおじさんの目もあり
頑張ってペダルを漕いで、少しおじいさんの
スピードがゆるやかになった時
声をかけて千円を渡した。

おじいさんは「ありがとう、助かったよ
                    コレで、」とその千円の
使い道を言いかけていたが、こちらが急いでる
ように見えて、理由は聞けずじまいで
また再度「ありがとう助かった」と言い。

ペダルを再び漕ぎ始めた。

きちんと渡せた喜びを分かち合おうと
橋を上って行くと、先ほどのおじさんは
居なく、心の中ではハイタッチくらいの気持ちで橋の上の方に向かったが、、、

勝手に期待して勝手に肩透かしを感じた

あのおじいさんは何に千円を使おうと
してたのかだけは、気になりつつ
ゆっくりと自転車を漕いで橋を降りた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?