モンスターファーム2バトルマニア④(評価値について①)

本書の最も画期的な要素を説明したいと思います。それは「期待値」と「評価値」です。

「期待値」は技の火力・命中率・クリティカル率から算出した、その技を1回だけ打った場合の期待値です。

次の「評価値」が重要で、こちらは試合開始~残り15秒までの45秒間、その技だけを打ったと仮定した場合に、相手に与えると考えられるライフダメージの平均値です。使用モンスターのガッツ回復と技のコスト・命中率・技時間・ガッツロス(技発動中は自分のガッツの増加が停止するため、本来増えるはずが増えずに実質的に失ったガッツ量)から理論上の使用可能回数を割り出して算出した数値です。

ネット上の攻略サイトでも独自の計算方法で評価値を出している所があるのを確認していますが、それとは全く計算方法が異なり(というか、そもそも評価の基準が違う)、こちらは評価値がそのままダメージの平均値となるため、より実戦に即した数値となっています。

単純な技性能の比較ではなく、技時間やガッツロスが計算に含まれているというのが本書の肝です。例えばワームのしっぽキックと、ハムの正拳を比較してみます。

しっぽキック
コスト19 火力15 命中+20 GD5 CR5

正拳
コスト20 火力15 命中+20 GD5 CR10

この2つの技は正拳がわずかにクリティカル率が高いくらいで、性能的にはほとんど差がありません。ちなみに期待値はそれぞれ78.21と80.12です。クリティカル率の分正拳の方が少し高いですが、その差はわずか2なので、クリティカル率はほとんど問題になりません。しかし評価値はしっぽキックが391.04、正拳が480.69と、明らかに差がついています(どちらもG12の場合)。したがってベニシャクトリがしっぽキック、ハムリーフが正拳で真っ向から殴り合った場合、ベニシャク側の勝ち目は薄いことになります。

これはなぜかと言うと、正拳の方がモーションが短く、打てる回数がしっぽキックよりも多いため、そこで差がついているのです。ほぼ同じ性能なら、打てる回数(=試行回数)が多い技の方が勝率が高くなる道理は、ご理解いただけるかと思います。

このように、ダメージ効率を求めるのに技時間を計算に含めていた攻略本やサイトは過去に存在しません。また、命中率は当然として、ガッツ回復やガッツロスまでも計算に含めているので、不純物のないダメージ効率を割り出すことに成功しています。命中率に固執せず、逆に確率に期待しすぎてダメージ偏重になることもなく、外れる回数まで考慮に入れて評価しているところが、画期的と言えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?