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いぬらぼ37 ガッツダウン技に注目した理由

数ある技の中でも特殊な技タイプ、ガッツダウン技。その多くは、相手のガッツに多大なダメージを与える代わりに、ライフへはほとんどダメージを与えられないというもの。他の技は多かれ少なかれ、相手ライフにダメージを与えるのが主な役割であるだけに、ガッツダウン技の性質がいかに特殊なものであるかがお分かりいただけるかと思います。

しかしこのガッツダウン技、その強さを客観的に評価した人はほとんどいないのではないでしょうか。私が昨年執筆した「MF2バトルマニア」でも、それぞれの技の有用性を解説こそしましたが、あまり具体的に数字を出して解説をすることはありませんでした。

ガッツダウン技の客観的な評価がこれまでほとんどなされなかった理由は単純で、評価が難しいためです。その理由はおおよそ以下のとおりです。

①ガッツダメージは±5の変域を持ちながらも固定値であり、その刺さり方が相手のガッツ回復値によって変わるため、客観的な評価が難しい
②ガッツダメージは強力だがライフへのダメージがほとんどないという特殊性から、ライフよりもガッツにダメージを与える方が勝ちやすくなるラインの見極めが難しい
③ライフへのダメージが少ないことから相手にリードを許してしまうと、多くの場合ガッツロック戦術が破綻してしまう
④ライフ差が広がらないため、その有効性が見た目から判断しづらい

こんなところでしょうか。中でも理由として大きいのが①でしょう。例えば相手に30のガッツダメージを与えたとします。この30というダメージ、G19のドラゴンなら致命的なダメージになりえますが、G6のメタルナーに1回当てたところでほとんど焼け石に水にしかなりません。このように、相手によってその有効性が変わるという点が、最も評価が難しいポイントでしょう。もちろんコストや命中率、ガッツダメージ量などから技としての強さをある程度推測することはできますが、「ここまでは有効、これ以上は他の技を使った方が良い」という明確な線引きはありませんでした。また、「G17以下の重量級にはガッツロックが刺さる、G16以上ならあまり刺さらない」というのがおおよその見解として浸透はしておりますが、これも客観的に数字として示されたわけではなく、「経験上」「なんとなく」の域を出ておりません。

今回「改良型簡易相性判定表」を使い、おそらく界隈で初めて、全ガッツダウン技の性能の比較・ガッツダウン技以外の技(以下、通常技)とガッツダウン技のリード率の差を、客観的な数字で示すことに成功しました。言うなれば、「ガッツダウン技の強さの可視化」に成功したということです。これにより、この相手には普通にライフを削った方が強い、この相手はガッツロックの方が強いという、ある程度明確な線引きが可能になりました。結論から言います。ガッツダウン技はもっと評価されて良い。見た目以上にガッツダウン技は強力です。

強いガッツダウン技の条件

最初に、「強いガッツダウン技」とはどのような技なのかを確認しておきたいと思います。
①基本技性能(カタログスペック)
コストが少なく、火力・命中率・ガッツダメージが大きいほど有利なのは言うまでもないので多くは語りません。
②技時間(モーション)
実は最も重要なのがこれ。技時間が短いほど試行回数が多くなります。試行回数が多いほど相手のガッツを多く奪える期待値が増すため、特に外した時の時間が短い技は多少カタログスペックが悪くても見た目以上に活躍する場合があります。逆に性能が良くても、コストが高い、技時間が長いなどで試行回数を稼げない技は、一時的な足止めや時間稼ぎには活用できても、ガッツロック目的で主力技として用いるには不適ということになります。

改良型簡易相性判定表

本題に入る前に、先日開発に成功した「改良型簡易相性判定表」について解説したいと思います。

簡易相性判定表(旧版)

上記の画像は、私がMF2バトルマニア執筆後に開発した「簡易相性判定表」(旧版)です。自分と相手の種族・ガッツ回復値を入力することで、試合開始~残り15秒までの45秒間でリードしている確率(以下、リード率)を簡易的に計算することができます。簡易とはいえ、ガッツダメージを受けたことによる技の使用可能回数の減少や補正も計算に含まれているため、シミュレーションとしては一定の精度は確保されています。しかしこれは、原則として評価値が最も高い技を使用した場合同士の比較しかできないという欠点がありました(一応、内部計算に使用している技のデータを書き換えれば他の技を使用した場合の計算もできますが、面倒くさかった)

簡易相性判定表(改良版)

こちらが改良版。旧版の欠点を改善し、互いの任意の技を自由に設定できるようになったため、最もリード率の高い技を割り出すのが非常に容易になりました。今回の調査ではこの改良型簡易相性判定表を使い、通常技とガッツダウン技のリード率の比較を行います。

全ガッツダウン技性能ランキング

この記事の最下部に、全ガッツダウン技のガッツダウン性能ランキングを添付しておりますので、興味がある方はぜひ見てみて下さい。どの技が何位くらいにあるのかを予想しながら見ていただければ、一層楽しいかもしれません。

<ランキング表の見方>
「ランキング」:ランキングの順位。
「技名」:技名。
「種族」:その技を使える種族。
「最速G」:その種族の最速のガッツ回復値。
「優位逆転ライン」:通常技で最もリード率の高い技を使用するよりも、このガッツダウン技を使う方がリード率が高くなる基準。例えば「大砲屁」の場合、対戦相手がG13以下であれば全技の中で「大砲屁」が最もリード率が高く、特にG14以下のドラゴンに対しては、「大砲屁が確率以上に当たり、かつライフ率でリードしている」条件下なら、ほぼ確実にガッツロックできることを示しています(○○100%という記述は、上記の条件を満たしていれば極めて高い確率でガッツロック可能であることを示します)。

このランキングにはもちろん根拠があり、より詳細なデータを根拠とともに後日公開しようと考えておりますが、これは非常に重要な情報となるため、申し訳ありませんが「いぬらぼトップシークレット」指定になるかと思われます(つまり、「MF2バトルマニア」フルセットの付録)。よって、「MF2バトルマニア」フルセットを購入していただいた方には無料での配布となりますので、ぜひとも今後のマニュアル対戦での戦術構築の役に立てていただければと存じます。
「優位逆転ライン」の条件下では通常技以上にガッツダウン技は威力を発揮するため、このランキングを見るだけでも、おそらく想像以上にガッツダウン技が強いことがお分かりいただけるかと思います。ガッツダメージはライフへのダメージと違って固定値のため、補正によって命中率は下げられても、ガッツダメージを軽減されることはありません。よって最も重要なのは試行回数、つまり数多く打つことであり、さらにひとたび命中すれば相手の補正も下がることから、続けてガッツダウン技を打つにしろ、別の通常技に切り替えるにしろ、より有利な状態を作り出すことができます。ガッツダウン技を上手に使い、より勝率を高めるためのサポートになれば幸いです。

ガッツダウン技に加え、ガッツダウン効果の高い一部の超必殺技やクリティカル技を含めた拡張版はこちら。


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