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諦めから始まる何か

「人間はひとりじゃ何もできない」なんて話はいろんなところでされている。でもみんな、自分に期待をしすぎるあまりに、それを本心では認められないでいるようにも思う。自分を客観的に(といっても結局は主観だが)見てみた時がそれである。本当に諦めが悪い。


少し前にあるコンペの結果が出た。自分が参加した(させてもらった)チームの案はどうかな、と思っていたところもあり、あまり期待していなかったが、表彰式の話を聞く感じだとなんとも。まぁそれはそれとして。

テーマは海岸の事前復興についてだった(ここまでいえば何のコンペかバレバレ)。3.11.から10年が経ち、当時のいろいろなことが語られ始めてきたと思う。

その表彰式を見た同期がふと話していた「L1堤防は意味があるのか」というのはだいぶ印象的で、確かにそれもあるなと思った。

詳しくないので簡単に言えば、L2堤防が3.11.級の津波を防ぐもの、L1はもう少し低いけど数十年〜百数十年レベルの津波を防ぐもの、その下が現況のものだったかと思う。

いずれにしろ、今より高い堤防を作るが、L2の津波は防げないというものが各地で生まれた(もちろんL2の堤防もあると思うけど)。

津波を目にしたことがない人間が言うべきではないかもしれないが、津波の威力は絶大だ。コンペ案を考える中で津波の動画を見まくったが、その威力に絶望し、ハードの無力さを目に焼き付けて、病んだ。

だからこそ「L1堤防を求めて何になるんだ」と感じ、「海と陸を遮らず、津波が来ても死なない場所まで下がる」選択は一理あるのではないか、と考えた結果が「L1堤防は意味があるのか」につながったんだと思う。

ここまででわかるだろうが、L1堤防はL2津波に対する一種の諦めで、ただL1まで諦めきれなかったんだと思う。実情は定かでないし、無意識下の話だろうが。(そして外野の人間がああだこうだ言っていい問題ではない。現地の人が考えて決断すべきだろう。)


この時、また違った考えが出てきた。それはまちづくりについて。

「商店街に大きな駐車場を作ろう。みんな車で移動するからこっちにも人が来るはずだ。」なんて話はよく聞いたけど、これもひとつ、諦めきれない世代の発言に聞こえなくはない。


別のものも思いついた。

「若い人はすぐに諦める。続かないよね」なんて話。確かに諦めるのが早いかもしれない。

でも、それこそ昔は、津波が来たら諦めるしかなかっただろうし、突然倒れてしまう人を目の前にして(救急車なんてない時代は)諦めざるを得なかった時だってあるだろう。もしかしたら古くから人は、常に諦めを背負ってたんじゃないか。


逆に言うと、高度経済成長期(とその影響を受けた下の世代)の人が「諦めが悪い」だけで、その時代が異常なだけかもしれない説。

別にその人たちを批判したいわけじゃないけど、そろそろ現実をみてもいいんじゃない?とまちづくり界隈を見て思うことはある。


ここまでが本題のようで、前置きチックなのだが、各地域にばら撒かれた「まちづくり」に希望は持てなくなった。それは色々なものの影響を受けているので、大きな転機があったわけではない。

これまでの違和感は「外部から専門家が来て、住民はお膳立てされたステージに乗り、それっぽいことをやる。住民が参加した実績だけ残し、あとは好き勝手やる。」ことに対するものだ。(ここまではっきり言うのは初めてかも)


少し前に地元の星川通り沿いに大きなマンションが建った。自分はあれをガバナンスの敗北だと思ったが、その程度まで住民、国民のレベルは低下しているんだと思う(もちろん自分を棚にあげてはならない)。政治関連とかSNSとかそんな感じでしょ。

結局、本質的に何かをやろうとしたら、意識から変えなきゃいけないんだと思う。これまでの人が、これまで通り+αのやり方でやったところで、何も変わらないと思う。

特に、まずはハードを作って...だなんてふざけた話だ。何を考えているのかさっぱりわからない。


まぁこんなことを書いてきたところで、高校3年の時からぶち当たってきた「所詮、学生の戯言」と諦めておこう。自分が何かをしたところで社会が変わるわけではないし、何かを主張したところで何かが変わるわけではない。そんな大きな何かを持っているわけじゃない。

ってか、人は思った以上に何も考えずに行動して、生活してるので。それをしっかり認識したのとしないのじゃ全然違うだろうなぁと。

これは自分の中での敗北宣言かもしれないが、そんな大きな捉え方はせずに、あくまでもリセットをするタイミングとして。気楽に生きていこうかな。

(と、また悪い癖で何かに期待してしまうんである)


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これはプレイスコーヒーで飲んだビール。

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