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マイベストエモーショナルショッピング(暫定版)


これはまだ私が自問自答ファッションに出会う前のお話。
でも、これは無意識下で自問自答し試行錯誤しぶつかり稽古を重ねた結果の買い物体験であったのでは?と思えるので記録に残してみようと思います。


社会人になってからコツコツコツコツ少額ずつ積み立てていた貯金がある程度まとまった金額になり、満期を迎えました。特に使うあてもないので何か頑張れる糧になるものに使いたいなと思い、思いついたのが腕時計。

私は職場が割とお堅く、毎日スーツ着用&アクセサリーは結婚指輪以外不可という環境です。
加えて学生時代から毎日時計を着用する習慣があり、オフの日でも必ず腕時計をしているし、ないとなんだか落ち着かないという必需品。
バッグなども頭をよぎりましたが、ここはひとつ毎日絶対に使うものに投資してみようと思い立ったのです。


その時使っていたのはageteのシンプルなステンレスのソーラー時計。これもお気に入りで、何たって電池交換の必要もないし軽くてシンプル、何にでも合わせやすく、それこそ10年近く愛用しておりました。

この時計に愛着もあるし、壊れてないし綺麗に使えてる。まあこのままでもいいんだけど、このままだと私5年後も10年後も同じ時計を使い続けるな。と思ったのもひとつ。
対外的なものではなく、自分で何か転機を作り出したかったのかもしれません。
人生の相棒になってくれるような、指針になってくれるような、そんな時計がほしいなと思い立ちました。

時計を探そう。


思い立ったら行動だけは早い性質。とはいえ最初から百貨店の時計コーナーに行くのは金額的にも心理的にもハードルが高い。
まずは私のフィールド、ルミネに入っているHIROBから始めました。

HIROBはヴィンテージのブランド品を扱っており、ヴィンテージ時計の品揃えもよさそう。中古品にルーツをもつ(第一稿参照)私としてもハードルが低くとても見やすかったです。

この時点での私の時計選びポイントは

①視認性が高い
②華奢(ごつすぎない)
③ダイヤなどがついておらず華美すぎない、仕事でも使える
④扱いが楽


こんな感じだったかと思います。
HIROBの店員さんはそれはもう優しく押し付けがましくもなく、豆知識もふんだんに盛り込みつつおすすめを何点か紹介してくださいました。

・ティファニー アトラス
・エルメス クリッパー

どちらもヴィンテージとはいえとても綺麗な状態でとても素敵、金額は当時で15万円前後。買えなくない。ただ、ヴィンテージなので勿論一点もの。売れてしまえば当然ながらなくなってしまいます。
この買い物に関しては本気で後悔のないように熟考したい。
そう思っていた私は店員さんが仰っていた機械式・クォーツの違い、各ブランドの特徴、使っている素材、アフターケアについてなどなど調べ直します。

調べていく中で機械式というのも味があってよさそうだな…というか見た目がかわいい!と見つけたのがオメガのヴィンテージ、1960年代のデヴィルシリーズ。
再度違うHIROBの店舗で見てみました。
丸の内のトゥモローランドなんかにも置いてあるみたいですね。
小さくて本当にアクセサリーのようで華奢でかわいらしく…

ちょっとサイズかわいらしすぎた。

視認性には欠けること、そこをおして機械式をメンテナンスできる自信もなかったため成仏🙏

「時計といえばカルティエ」

やはり女が時計を考えるなら避けては通れないだろう!とリサーチ。
タンクも素敵だけどパンテールとやらがかわいい。パンテールミニならさらに華奢っぽいから合うかもしれない!
路面店からいく勇気がなかったため、中古品や新古品・並行輸入品などを扱う中野のベティロードさんへ。
どんだけ中古巡っとるんやという話ですね。でも本当に新品からいく勇気がなかったんです。

ここでわかったのは、中古とはいえカルティエはあまり値崩れしないということ。
私の気になっているパンテール、特にミニは人気モデルかつ最近復刻したばかりなので出てきてもほぼ新品と変わらない値段だしすぐに売れてしまうということ。
8年間のオーバーホール無料期間があることなどなど踏まえると、パンテールなら新品で買った方がコスパも良いのかもと気づきます。

そしてやっと、渋谷で宝石広場(こちらもベティロードさんと同じく中古・新古品など扱ってらっしゃる)を見た勢いで百貨店のカルティエ店舗での試着に乗り込みます。
初めてつけたパンテールミニは、本当にジュエリーのようで、きらきらと輝いて見えました。
ああ、やっぱり新品てすごいな。
ヴィンテージ品もよかったけど、真っ当に新しいものを買うのが今の私には必要な気がするな。

真っ当に新品を買おう

そう感じたはものの大きな金額。
カルティエ店舗での試着、イケる!と感じた私は日を変えコーディネートや時間を変え試着をしまくりました。
銀座の路面店も2つ共巡りました。
銀座ブティックはすごかった!!!お城のようで、エレベーターにパンテール(ヒョウ)がいる!と感動。
当たり前ですが混雑状況などもありお店によって店員さんの対応もまちまちですし在庫がない場合もあります。
カルティエは在庫がなくとも試着用のサンプル品を置いていることが多いようですが、それすら無いと言われることもありました。
事前予約ができると聞いていたのですが時計だけだとWEB上でうまくいかず、空いていそうな平日の昼間に試着をお願いしては短時間で退散し、(迷惑だったと思います…🙏)徐々にイメージを掴んでいきました。

ただ、カルティエしかまだちゃんと見てないけど、これで納得いくのかな?
とか、そういや先輩がカルティエつけてた気がするな…
という私がまた出現してきます。

あと少し気になっていたのは、パンテールのミニを見に行くと、店員さんがかなりの確率で「ミニは本当に華奢なので、お年を召されると見えづらくなったり物足りなくなる場合もあります(なのでミニじゃない方をおすすめしたいです)」とおっしゃること。
パンテール(ミニじゃない方)も素敵だけど、そこまでのときめきはないんだよな、、と。

そこで百貨店の時計コーナーで他の時計も見てみることにしました。
オメガ、グランドセイコー、フレデリックコンスタント、クレドール、、、

(ロレックスは心理的な敷居が高すぎ&いつもお店に列ができているのでひよって行けませんでした。)

色んな時計を試着してみるも、いわゆる時計ブランドはつくりが剛健な場合が多いのか私の骨格ウェーブハンドにはどうしても浮いてみえてしまいがちだったり、そうでないとダイヤや装飾の細かな「女性らしさ」を強調したデザインになったり、何だか分からないけど素敵なはずなのに私がつけると普通すぎに感じられたり、、とにかく合う時計に中々出会えませんでした。
オメガとか、すごく好きだった…!けど、似合わなかった。成仏🙏

よし。次はジュエリーブランドの時計だな。
もう怖いものはありません。ガンガンいきます。

シャネル ボーイフレンド
めちゃくちゃかわかっこよかったです。が、視認性の問題でNG。仕事で着用するとアクセサリー感が強く出るのではという点と、スーツにはちょっと違うかも?と。

ショーメ オルタンシア
妖精のつける時計のようでとても可愛らしかったですが私の気分ではなかった。

そして、私の運命ウォッチに出会います。

ブシュロン  リフレ

ブシュロンは、仕事で知り合った女性がキャトルを素敵につけこなしていて「素敵だな〜」と憧れていたブランド。
リフレも当初から存在は知っていたものの、展示してあるのがフェイスが大きいもの&黒や赤のベルトが強い印象で敬遠していました。
が、その日ディスプレイされていたのはステンレスベルトかつ小さめのフェイス。


…お???



迷わず試着させてもらいます。
な、なんなんだこの付け心地は……

パンテールも腕に沿う感覚がありましたが、それ以上に生き物のようにうねる。なめらか。


えええ〜〜〜すごいーーーキンラキラーーーー

ステンレスなので夏場でも問題なくつけられるし洗えるし、四角いフェイスなのにほどよい丸みがあり、視認性もばっちり。
小さすぎないフェイスだけど、私の体型でも浮かないししっくり。
え、これ、、これ!!!

追い討ちをかけるように店員さんが言います。
「これ、ステンレスを買っていただくと、革のベルト1本好きな色をおつけできますよ」

そんなことある?????


取り外し可能だって!!!つけかえられる上に、ベルト1本くれるんだって!!!
何を隠そう私は革ベルトの時計に憧れがありました。
かっこいい大人のイメージで、昔中学生くらいの頃母が読んでいた雑誌の中に出てきたジャガールクルトのレベルソに、「こんな素敵な時計があるんだ!」と強い憧れを持ちました。漠然と「40歳くらいになったらこんな時計をするような大人になりたいな〜」と思っていたんです。

でもでも使い勝手を考えれば断然ステンレス。だって夏場は革は無理。2本買う余裕はないよね。と考えていたのですが、リフレなら、リフレなら、、どっちもいけるじゃん!!!!

私の考えていた時計探しポイントも全てクリアしてくれる。

この時点でもう心は決まりかけていたのですが、なんせ大きな金額。
ブランドバッグ一つ買ったことのない私にとっては一大事です。
まだ悩みたい。


そのあとリフレについて調査を開始しました。
ふむふむ、1947年から続いている歴史あるデザインなんだね。すぐに廃盤になることはなさそう。
付け替え可能なのは最高だよね。…ん?

「アールデコからくるデザイン」

やっぱり???

既に書き記している通り私はアールデコのデザインが好きです。
アール・ヌーヴォーからより機能美を追求した、かわいらしいけれどやや機械的ですっきりとしたデザインが。
ゴドロン装飾て、アールデコて、これは、私のためのデザインなのでは?(軽率な発言をするくらいバグ)

それに加えて、裏面にある文字が刻まれているそうなのです…


「Je ne sonne que les heures heureuses.(訳:私はよろこびの時だけを刻む)」



っっっえぇーーーーーかっこよすぎるーーー!!!
私も喜びの時だけを刻みたいーーーー!!!!


この時点で大ハッスル、語彙力を完全に失いました。

さらに着用している有名人を調べてみます。
この時までにたくさん著名人やスタイリストさんなどの愛用時計を調べていました。
リフレはあまり多くは出てこなかったのですが、
エディット・ピアフ(フランス人歌手)
日本人だと、
膳場貴子さん(アナウンサー)
がいらっしゃいました。

は、ハードル高〜〜
いけど、素敵ーーー

どちらも、「自立した聡明な女性」ですね。
そういう存在でありたい。
リセールうんぬん、どうでもいい。
私は私の欲しいものを手に入れたい。

もう一度、行こう。
奇しくも自分の誕生日が近い。
買うなら、この日だ。


そして私の心の中でひっかかっていた、あるブランド。
カルティエのパンテールミニ、そして、ジャガールクルトのレベルソ。
ここを乗り越えられたらもう本物だ。

いざ行かん、伊勢丹。

マイバースデーに、新宿伊勢丹に向かいます。
4階のジュエリー&時計コーナー。
ブシュロンでリフレを見せていただきます。
「もうつけてたみたいにしっくりしますね」と言われて浮かれる。
だがしかし、今日は比較検討しに来ている。まだです。

次はカルティエ。パンテールミニを試着。

…あれ???

不思議とリフレの時のようなしっくり感がありません。確かにかわいい。素敵。
何度も試着してきたのに。
私のものかと言われたら、あくまでお店のものに感じられました。
よし、成仏!🙏

次はついに、ジャガールクルト。
恐る恐る入店。試着させてもらいます。
おっと。

まじで似合わない

フェイスの大きさなのか、すっごくすっごく素敵な時計なのは間違いないのですが、借り物感が強く出て「お前は私じゃないよ」と時計が言っているような気がしました。
これはこじつけのようですが私はクォーツ式希望、ルクルトといえば機械式が王道だそうですね。
潔く、成仏!!🙏

晴れて成仏を遂げた時計たちをあとに、ブシュロンに舞い戻ります。

「お帰りなさい」と言ってくれる店員さん、本当に好き。
ブシュロンの店員さんはどこに行っても本当に親切で親身で大好きです。
かつ、これは私自身への戒めでもあるのですが、おすすめを聞かれた時に
「人それぞれですね〜」とメリットデメリットを挙げるだけではなく、「それでも私はこちらをおすすめします」と意見を言ってくれる店員さんから買いたい、と思います。
選ぶのは結局客ですが、責任を分かち合おうとしてくれている感じがあって。
カルティエの方もそうでした。それなら、と私は諦めがついたけど、そうできたのもアドバイスのおかげな気がします。

ベルトの色を選ぶ時、そんなことを思いました。
とか言いながら私はおすすめされた色ではなく、この上なく素敵なベージュを選びましたが!おすすめされた色が、「似合わないけど、本当は好きな色」だったのもポイントかもしれません。分かってくれたような気持ちになったのかも。

ちなみにリフレ、というのは「吐息」という意味合いだそうで、時計に息を吹きかけるとブシュロンのシグネチャーが浮かび上がります…✨と言われたのでその場でやってみたのですが、一生懸命ハアハアしてもうまく浮かび上がらず、気まずくなりました。笑
その後もふとした瞬間にハアハアしてみているのですが、まだ浮かんできません。鍛錬が足りないのか。リフレに認められし者にだけ見えるの?



カードを一括で切って、ずっしりと重いショッパーをぶらさげながら、伊勢丹の正面玄関を出た瞬間。

曇天が、晴れ渡ったように見えました。



これが私の、暫定版マイベストエモーショナルショッピング(今さらながら使い方あってるのかな)です。
時計は、特に冬場は袖に隠れて正直そんなに人目につきませんし、リフレはそこまで有名でもないと思うので(そこも好き)高い時計だと気づく人は少ないと思います。これは私のせいだとも思いますがファッション的に分かりやすく変わった感じは正直、あまりない気がします。
それでも自分は知っている。
そういうものを手に入れた喜びが、確かにありました。
私にはまだ不釣り合いかもしれない。でも、リフレに相応しい人になりたいし、相応しくありたいな。

御姿ちらり 久しぶりに箱を出したよ


そう思っていた所で、自問自答ファッションに出会いました。
この時はそこまで深く考えたりしてなかったな、と思いもしますが、根本ではコンセプトに合うかどうかをジャッジしていたのかもしれない。
「よろこびの時だけを刻む」そのために、自分自身をもっと理解してあげたいと、思い始めています。

そんなこんなで長くなりました。
時計を探したいなと考えている方の参考になったら嬉しいです!
ただ正直全然時計オタクという訳でもなく、高い買い物をするなら相応の良い買い物体験をしたいがために付け焼き刃のリサーチをしただけ+もう新しい時計を買う気が(資金も)さらさらなく他を見ていないので、詳しくはありません!笑

そして大事に使っていたageteの時計も、サブ時計として気軽に使う用に今でも大切にとってあります。この子はこの子でやっぱり好き。

金額問わずエモーショナルなショッピング、これからも重ねていきたいな!


おまけ:お出かけの時はこの巾着に入ってるよ

おしまい!








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