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「嘆きのビースト」企画書

キャッチコピー


「人間VS動物ならボクは圧倒的動物側」
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あらすじ


何をやっても上手くいかない人間嫌いの主人公エモト。
保護したカラスをきっかけに動物界で復讐の神として崇められることに。
そんな正義感は強いけど勇気がない主人公に力が授けられる。
虐げる者と虐げられるモノ
世の中のモヤっとすることを解決するために力を使うが、やがてその力は主人公の命を削っていく。
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第1話ストーリー


なにやら人間を探しているカラス。そんななか何者かにエアガンで撃たれる。

冴えない毎日を送り、ストレスを抱えヘトヘトでバイトから帰る主人公がエアガンで撃たれたカラスを保護する。
自宅(実家暮らし)で保護するなか、ついカラスに本心を語ってしまう主人公エモト。
「僕は絵を描くのが好きなんだ。でも僕の絵なんて誰も見てない。あまりにも反応なさすぎて時々自分はこの世に存在しないんじゃないかとさえ思えてくるよ」
そして、カラスをモデルに絵を描きながら話を続ける
「自分は生きる気力もなく、いつ死んでも構わない。弱ってる動物を見ると自分の寿命をあげていいのにとさえ思ってしまう」
そんな話を聞かされたカラスは翌日、エモトの元から姿を消す。
夢だったのかと訝しむエモトだが、描いた絵が残っている。
 
一方、動物界での会議。
虐げられる自分達が人間に復讐するには皮肉にも人間の力を借りるしかない。
(そして皮肉にもこの動物界での姿も擬人化されている)
力を授ける人間には条件があり、カラスはその人間を探している途中に襲われた模様。
会議の最中、動物たちが「いないよ」「そんな人間がいるもんか」と口々に言う中、
カラスが怪我を押しつつやってきてこう言う
「やっと見つけた!」

朝になりカラスがいないことに気を落としつつバイトへと向かうエモト。
その時、エアガンで野良猫を狙っている人間に遭遇…しかし、勇気がなく何もできないエモト。
どうにもできないでいると擬人化したカラスが現れ「お前に力を授ける」と、エモトの体に何かを埋め込む。
カラスに言われるままエアガンの犯人に手をかざすと
白く強い衝撃に包まれる。
見ると倒れている犯人…悪さをしないよう両腕がもぎ取られている、エモトも気を失いカラスに抱き抱えられる。

その様子を見ている動物界の各々
「合格だな」
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第2話以降ストーリー


エモトが気がつくとそこはテーマパーク内の作り物のような部屋。
「コスプレ集団…?」と、ボ~ッとした頭でいると擬人化した動物たちだと説明される。
「なぜこの(エモトに埋め込んだモノの)力を動物たちで使わないのか?」と不思議がるエモトに対して
「それはそこそこ寿命がある人間の方が扱いやすいから」だそうだ。
(というのも建前でただ単に自分達が手を下したくないだけ。人間は敵だという思いが根本にある)
「まぁ実際、動物の寿命って短いよね」と納得してしまうエモトであった。

その中にいたカラスにこれまでの経緯とどうしてエモトが選ばれたのかを教えられる。
選ばれた条件は
・1動物好き ・2人間嫌い ・3弱い人間 ・4口がかたい人間・5死んでも構わないと思っている人間 

そして残酷なことに力を使う度に1年寿命が縮まること。
一瞬たじろぐエモトだが、「ボクの命で君たち動物の復讐ができるのなら別に良いよ。このまま生きててもあんまり役に立たなさそうだし」と告げる。
すんなり話が進み、逆に心配する動物たちはエモトの身の上話を聞いて気の毒がる。

その後も事件は続き、ニュースで被害者(ここで言う被害者とは動物たちにとっての敵のこと)の情報が流れるが、ネット上では被害者が全員動物虐待をしていたという噂が流れると、動物好きの間で事件を「天罰」犯人(エモト)のことを「神」と崇めるようになる。
そのことを知ったエモトは胸がゾワゾワと居ても立っても居られない気持ちになる。
自分が「神」だと人に知らしめたい…が、言ってしまうと全てが無くなってしまうとわかっているので誰にも言えない。
そして「神」と崇められている自分と冴えない生活のギャップに更に苦しむのであった。

一方、この事件以降も同じように動物を虐待した人物(多頭飼い飼育、畜産動物虐待、勝手な飼育放棄~ペットショップの闇、動物実験のジレンマなど)
が狙われる事件が発生するが警察は証拠をつかめずにいた。

しかし、動物を傷つける人間に対して復讐していたエモトだが、だんだんと「本当にこれで良いのか?解決になっているのだろうか?」と疑問を持つようになる。
その頃動物界の一部でも「本当にあんなに良い人間を巻き込んでしまって良かったのか?」「生きている方が良い人間の寿命まで削らせて自分達の復讐の道具にするのかいかがなものか?」と疑問視する者が出てくる。

そして、さんざん悩んだ挙句(当然、動物たちとも言い合いに)エモト自ら警察へ電話し「自分の様子を見ていてほしい」と謎の言葉を放つ。
何なのかさっぱりわからない警察だったが、何か引っ掛かると思い、電話から割り出した情報を元にエモトの様子を探る。

そんな時、またしても事件が起こり偶然その場を目にしてしまう刑事。
白い光に包まれて何が起こっているのかは見えないが光がだんだんと静まるとそこには倒れて意識がないエモトとそれを抱き抱えるカラスが!
刑事が気付くと二人の姿が一瞬にして消えていた。

その後、事情を聞きにエモトの自宅に現れる刑事。
心配する母を尻目に連行されるエモト。
人間の姿になっているカラスが母親に「心配しなくていい」とだけ告げ、エモトたちを追う。

そのことを知り警察署で待ち伏せする動物たち。
やってきたエモトと刑事たちに
「悪いのは自分達であって、エモトは俺たちに操られているだけだ。さぁ、捕まえるなら俺たちを捕まえろ。」
そうやってエモトに埋め込んだモノを取り出す。
「さぁ、捕まえられるなら捕まえてみろ。法的には俺たちは”物”だからな!」
高らかに叫ぶとみんな動物の姿へと変わり、去って行くのだった。

それから3年後、エモトの自宅前に人間の姿をした動物たちが集まっている。
代表してカラスが仏壇に手を合わせている。

母親が言う「眠っている間に亡くなってたんです。しかも笑顔で。」

「3年前、警察に行ったでしょう?でも結局、息子が何かした証拠は見つからず、すぐ釈放されたんです」
「あなたたちが助けてくれたの?ありがとう」
カラスはどう返していいのかわからず黙ったまま。

母が泣きながらも嬉しそうに語る「あの子、あのあと絵で賞を獲ったんですよ」と言って見せてくれた。
その絵は警察署へ行った時に去っていく動物たちの姿を描いたものだった。

#週刊少年マガジン原作大賞 #企画書部門


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