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カレンダーの絵をふりかえる①

2016年から毎年カレンダーをつくっています。
カレンダーの絵は毎年テーマや仕様を変えていて、秋頃になると自然と「来年のカレンダーはどんなものにしようかなあ」と考えはじめます。
ときどきカレンダーを見てくださった方から、「これはどんな意味を込めて描いた絵なの?」と聞いてもらえることがあります。
絵について知りたいと思ってもらうのはとてもうれしいことなので、このnoteのシリーズでは、これまで描いてきたカレンダーの絵について2016年のものから順にふりかえっていこうと思います。
もちろん、お好きに想像をふくらませて見てもらうのもとても嬉しいので、ぜひ感じたことをありのままに大切にしてもらえれば最高です。

◆カレンダーをつくるまでのこと

フライングタイガーの無地ノートに自分で毎月分のスケジュールページを描いて、手帳としてつかっていたのが2015年のこと。
当時はデザインが好みの手帳を買うと、自分の美しくない字や使い方が気になって、手帳を上手に使いこなせていませんでした。
そこで自分勝手に手帳をつくってしまえば、もっと自由につかえるようになるのかもしれない!!と思い、自分で描くことを決めました。
思惑通り、この時の手帳はほんとうに自由気ままに使うことができてよかった。

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ここに予定を書いたとしてもろくに読めない

そして、このスケジュールページを見た友人が、「わたしにもつくってほしい!」と声をかけてくれたので、誰でも使えるカレンダーとしてちゃんと作ってみることにしました。

◆2016年のカレンダーのテーマ

決めていませんでした。
使いたい色の絵の具と、それぞれの月でなんとなく描きたいモチーフや風景があったので、とりあえず12ヶ月分絵を描けばカレンダーになるだろうくらいの気持ちで描きはじめました。
手帳とおなじように、カレンダーづくりも自分勝手なはじまり方です。

◆1月 「おさるの温泉」

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2016年の干支は申でした。
温泉にはいっているサルってかわいいし、冬にはあたたかい感じの絵が見たくなるので、サルが温泉にはいってみんなであたたまっている絵にしました。
サルの色が水色なのは、背景が黄色や赤のなかで茶色いサルを描くと、色が似ていて目立たなくなってしまうからです。

◆2月 「氷山」

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「冬にはあたたかい感じの絵が見たくなる」とか言っていたくせに、冷たい色の絵を描いていますね。新しく手に入れた水色の絵の具がどうしても使ってみたくなって、氷と海の絵にしたのだと思います。
この絵はケント紙というツルツルとした紙に描いています。おかげで氷山のキンとした質感を表現することができました。今でもとても気に入っている絵です。

◆3月「春とパン」

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この絵は締め切り間近でかなり焦りながら描いていた記憶があります。他の月のカレンダーの絵を比べてみたときに、あまり使われていない色がピンクだったので、ピンクをたくさん使って、軽くてやわらかい感じの絵にしようと思いました。
春とパンの組み合わせは、安直ですがヤマザキ春のパン祭りから。
春も、パンも、あたたかくてふわっとしているところが良いですね。
絵本の「からすのパンやさん」が大好きで、この絵本を見るといつもパンがたべたくなります。そんな絵にできたらいいなとも思っていました。

◆4月「コインランドリー」

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これも最後のほうに描いた絵だったような。
当時は実家暮らしだったので、コインランドリーに妙なあこがれがあり、カレンダーの絵のどこかにはコインランドリーを描こうと決めていました。
西荻窪の「ウォッシュランド」を参考にしています。
コインランドリーから漂ってくる石鹸の香りが感じられるような、気持ちの良い絵にしたいと思っていました。描いているときは終わらない終わらないとか言いながら、めちゃめちゃにテンパっていたけれど。。

◆5月「さつきのフルーツサンド」

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5月の絵もさわやかな感じにしたいなと思い、色からイメージを膨らませていきました。はじめはオレンジの背景に、鯉のぼりであそぶ子どもの絵を描いていたのですが、なんだか暑苦しい色合いになってしまったのでボツにしました。
5月ってピクニックにちょうどよいし、その時にフルーツサンドがあったらなんだかうきうきするし、色合いも爽やかな感じなので、5月はフルーツサンドでいこう!と決めました。でも実はフルーツサンドは、これまでの人生で片手でかぞえるくらいしか食べたことがないです。

◆6月「聴く日」

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6月は梅雨をテーマにしました。でも、じめっとしているだけの絵にはしたくないなと思っていました。
雨の日って出かけるのも億劫で、ちょっと憂鬱になるけど、雨の日にしかできないこともたくさんある。
そんなことを考えて、雨の音といっしょに、部屋でじっくりと音楽を聴いている人の絵を描きました。

◆7月「夏野菜カレー」

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江ノ島のほうに、「珊瑚礁」というおいしくて海も見える、すてきなカレー屋さんがあります。わたしはここの野菜カレーがだいだいだいすきで、学生のころ、色々な人とよく食べに行きました。
7月は夏!!!夏といったらカレー!!!!カレーといったら珊瑚礁!!!!!!!!という感じで、トントン拍子にモチーフが決まり、ノリノリで描きました。

◆8月「とこなつジュース」

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クリームソーダの、アイスクリームがメロンソーダに溶けてぐずぐずになったところを飲むのが好きです。
そのなかを泳ぎながら飲めたら最高だな!!と思いながら描きました。
この絵の原画はのちにクリームソーダが大好きな友達が買ってくれてうれしかった。

◆9月「いちょうの木」

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「秋の黄色」が描きたいなー!!と思って、いちばんはじめに紙を全部黄色に塗りたくりました。いちょうの木は、はじめに塗ったときの黄色を残しながら描いています。空や人間は、黄色の背景の上から描いていきました。
でも、あとからいちょうの木が黄色に染まるのは10月ごろからだと知りました。

◆10月「さけ・はたはた・さば・さんま・かつお」

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さかなが好きです!食べるのも描くのも見るのも。
秋はさんまが食べたくなるので、はじめはさんまだけにする予定でした。
でも調べていくうちに秋が旬のおさかなが他にもたくさんいることを知り、せっかくなのでメンバーを増やして描きました。
背景はさかなのうろこがぬらぬらと光るかんじが好きなので、それを表現したいなと思って、色々な絵の具をつかって描きました。

◆11月「ダサセーター」

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当時、「ダサセーター」とよばれる、柄が流行りのものとは大きくかけ離れているださい柄の古着のセーターがほしくてたまりませんでした。しかし買っても着る勇気はなかったので、理想のダサセーターを絵に描きました。
左上の犬セーターは、飼っていた愛犬・クッキーがモチーフです。まんなかの段の右のピーナッツセーターは、友人らとひらいた「ダサセーターとはなにかを考える会」で出てきたアイデアをもとに描きました。
背景の模様を描くのもたのしかった。

◆12月「クリスモウツリー」

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クリスマスモチーフのものを描こうと決めていましたが、ただのクリスマスモチーフじゃつまらんしなあ・・・と思い、おすもうさんをクリスマスツリーに見立てて描きました。
題はクリスマスツリーとおすもうさんをかけて、「クリスモウツリー」です。
なんでそうなるかなあと、いまでは不思議な気持ちです。

このカレンダーたちは、当時ネットプリントで配信をしていました。
プリントしてくれたみなさま、ありがとうございました!


次回は2017年のカレンダーたちについてふりかえります。


◆おまけ でてきたなつかしい写真たち

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描いているときに紙パレットが切れたのか、ずいぶんセコい使い方をしています。


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おしりみたいなかたちして出てきた絵の具。


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最後のほうは学校に泊まり込みで描いていたので、飽きたら外にいろんなものを拾いに行っていたようです。拾ってどうするんだよ。

おしまい!


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