見出し画像

心まで奪われ|THE SECOND 2024 雑感

THE SECOND 2024にまつわるエトセトラ集です。
今年の大会を通して感じたことを『後で宝物になる記憶が山程ある!書き残したい!』と1つ1つ少しずつ記録していたらファイナリストの方々の投稿よりも遥かに大遅刻。時間がかかりました。既に文字数がキモンチュだ。こんなところに7月にTHE SECONDを盛大に振り返っちゃう記事があるぞ…興奮してきたな。大丈夫、まだ3月の興奮そのままの熱量で喋れます。本当は32の抽選会、ノックアウトステージについてもつぶさに語っていきたいが、時間がなんぼあっても足りないし、ノックアウトステージについては各ブロックのまとめをTwitterである程度垂れ流した気がするのでザッツイナフとする。

“ミスターTHE SECOND” の活躍

この記事はマシンガンズのファンが執筆している点をまずはじめにお断りしておく。
第1回大会での大活躍、堂々の準優勝からの再ブレイク、この大会にでっかい夢と希望がつまっていることを証明して下さった2人の放つまばゆい光に導かれて、私はTHE SECONDという賞レースにすっかり夢中になっていったのだから、それはそれは贔屓して書く。昨年ファイナル当日に出場者を知り、「マシンガンズだ!!滝沢さんってこの人だったっけ?メンバー替わった?勝ったらいいなあ〜!」(※にわかの後付けではない証拠はTwitterへ ) などと何の気なしに見守っていたその日から、ずっと彼らの動向を追っている。この1年をそれなりに知っている。SECONDのおかげで単独ライブを開催するまでに至った彼らが、今年はしっかり弾を蓄えて大会に臨んでいたことも。昨年の大会を経ての、事務所の垣根を超えた芸人さん達との熱い交流も。
だが再びファイナルの舞台で放たれる弾丸の軌跡を見守ることは、残念ながら叶わず。ベスト16で敗退。しかし相手がまたとない最高のカード過ぎた。
悔しい!決勝でマシンガンズ観たかった!おめでとう!行ってこい輝けガクテンソク!リベンジ果たしてファイナル進出とか漫画すぎる!!…確実にあの夜はこころがふたつあった。

今年のファイナリストが出揃い、ナイツ ザ・ラジオショーでの勝手にザセカンド応援ウィーク。これだけでも十分美味しくウォーミングアップに興じられているというのに、「(予選敗退により)暇になったから」と滝沢さんが勝手にキャンペンポーイ(原文ママ)を名乗って活動を始める新たな展開も楽しめた。
推しのバイタリティとホスピタリティに感心も関心も止まらない。
はじめは記者会見でのガクテンソク奥田さんによる発言「マシンガンズのおかげで決勝行けたので、200万あげようと思います」を取り上げて、「賞金を俺らにより多くくれるコンビを応援する!」という謎ムーブを笑って見守るランボー界隈。でもこの面白発言を放っただけでは終わらなかった。
毎晩インスタライブに日替わりでファイナリストを招き、1~2時間、じっくりと各芸人さんのお笑いやこれまでの経歴、人物像などについて深掘りする回が催されたのだ。昨年の予選から仲良くなった奥田さんをはじめ、ラフ次元、ななまがり森下さん、ハンジロウたーに一さん、タモンズ大波さん・・・と、テレフォンショッキング形式でファイナリストを紹介してもらい、以前から交流のあるなしに関わらず、滝沢さんは当初の200万発言がまるで気のせいかと思わせるほどにキャンペーンポーイとしての役割を存分に果たし、無料で視聴するのが忍びないほど聴きごたえのある事前コンテンツを提供してくださっていた。
ちなみに、奥田さんは全ての回に皆勤賞で参加(途中参加や本編終了後に滝沢さんが奥田さんの配信に突撃するなど)されている。インライの時だったかどこかのYouTubeだったかで奥田さんが仰っていたのが、(一言一句正確には覚えていないが)、『SECONDをM-1の延長みたいな賞レースの空気にさせず、(マシンガンズ達が)お祭りみたいな雰囲気にさせてくれる』と。嬉しかった。16の会場で緊張しながら審査していたお客さんの心をほぐし、「ミスターザセカンド」(これも嬉しいお言葉だったなぁ)と言わしめたマシンガンズが誇らしかった。
ノックアウトステージの舞台裏で囲碁将棋をガチ応援、吉本芸人との熱い熱い円陣、それが出来るマシンガンズ。今年のファイナルの舞台裏の話を聞くと、そういう垣根を取っ払う芸人さんが居たら、あわよくばマシンガンズが居たら良かったのになぁと思ってしまった。今年はもういよいよ吉本の空気が強くて強くて、その事自体は別に悪かないんだけど、ハンジロウとタイムマシーン3号の2組だけが楽屋に戻っちゃったという話は…何か…ねぇ。皆でワイワイする事だけが正しい在り方ではないのだけど、吉本以外の事務所の2組が居心地の悪さを感じてしまっててそうなったのであれば、それはやっぱり良くはない。
インスタライブのトークはラフ次元回を除き、滝沢さんのInstagramアカウントにて現在もアーカイブ視聴が可能である。これまた助かる…!

グランプリファイナル当日の振り返り

ファイナルの放送日を迎えるにあたり、何食べよう‼︎とか当日抜かりなく見守るために何時に風呂入ろうかな〜、などとお友達が一斉にソワソワし出すのもお祭りで既に楽しかったですよね。春先から徐々に近付く祭囃子に胸躍らせる恒例行事、この温度と雰囲気で、そして大会だけどお祭りのノリで我々もずーっと踊り続けられたらいいなぁ…

早速、昨年(第1回)と異なる幕開けとなったのが、前回大会王者によるオープニング漫才。
たっぷり5分間。なるほど、王者はトータル4回、SECONDの舞台(全国ネット生放送)で漫才を披露できるという訳だ。ギャロップは昨年贈られた副賞で仕立ててもらった新しいスーツ。昨年の単独ライブでお披目されたお衣装。新しい衣装で胸張ってセカンドの舞台に凱旋ってカッコ良過ぎ。「こういうカッコいい事を演出させるとフジテレビさんには敵いませんなぁ!(©️セカおじ)」

OP映像は言うことなしのエモさと格好良さ。今日までに何度リピートしたか分からない。ここだけでも半永久的にYouTubeに上げてくれんか。絶対再生数伸びて伸びて仕方ないでしょ?
各シーンに使用するコンビ写真を場面ごとに複数撮っていらっしゃるでしょう。あれ全部素晴らしいから1個1個グッズ化しませんこと?ファンは涎垂らして待っていますので円盤化と合わせて是非御検討いただきたいところ。

MCはもはや安心の顔ぶれ、東野さんと宮司アナ。
そして今年は不在のアンバサダーに代わって九州色の強い…もとい心強いお三方。ハイパーゼネラルマネージャーを務めるにあたり、最初のオファーを断ったという有田さん。
「ではハイパーゼネラルマネージャーではいかがでしょう」という提案にあっさり「分かりました」と快諾した経緯はあまりに面白過ぎる。
視聴者の皆様はあの役職名の第一印象をどう受け止めたのだろうか?勿論聞いたことない「ハイパー」な「ゼネラルマネージャー」、この長さだけでも既に面白い。アンバサダー不在のピンチを一息で笑い飛ばす敢えてのノリの軽さ、「今年のSECONDも大丈夫だよ!安心してお楽しみに!」という心意気も感じたのと、まず不思議と脳が何の違和感もなくスッと受け入れたというか、自然にストンと腑に収まったというか。それってやっぱり三津谷寛治(NHK LIFE!)を履修していればごく自然に受け入れちゃうでしょう。

日頃若手の劇場にもお忍びで足を運ぶという有田さん。M-1の審査員としてもお馴染みの大吉先生。ピシッとしそうな雰囲気を華丸さんが和やかに整えて下さるのだろうという安心感のある布陣。

オープニングで無駄に時間を引き伸ばすこともなく、こちらの心の準備などお構いなくファイナルの対戦が始まる。楽しみで仕方なくて、だけど終わってほしくなくて。今からの対戦で勝ち進む組も敗退する組も決まるのだと思うと落ち着かない。セカンドに挑戦した全組に感謝と敬意を伝えたい。せめてここまで勝ち上がってきたファイナル組だけでも何か形にして讃えたい。優勝準優勝以外の組にそれぞれ、何か名のある特別賞をあげたい。

ファイナルの出囃子
去年からずっとこう聴こえる

グランプリファイナル 8→4

第一試合、ハンジロウvs金属バット
「元嫁カフェ」だ。早々に身体の底から興奮した。アッコヘアーのツカミも良かったし、初戦からハンジロウはしっかり爪痕を残せたのではないかと思う。世間がそのコンセプトのセンスを見逃す等もなく、出番直後には早速「元嫁カフェ」がトレンド入りしていたことからも断言できると思う。世間がTHE SECONDに注目している事に、ただの一視聴者として勝手に感極まってしまう。16で「たっぴらかしますよ」を聞いて以来、何かにつけて多用したくて困っている。人に向けて「圧縮するぞ」という言葉をかける機会などそうそうない。代わりにと言ってはなんだけど、ね ね、見て かたつむり。👊✌️

対する金属バットは、安定の治安の悪さをこれでもかと軽やかに次々叩きつけてくる渾身の「大阪交通安全かるた」。この痛快さが強過ぎた。16で披露された漫才の中でも個人的に1,2位を争うお気に入りである。コンプラがなんですの。ゴールデン全国生放送に目和る必要なんかあらへんがな。
32でザ・ぼんち師匠を倒したハンジロウを仕留めてこいと大阪組から背中を押されていた金属バットの2人。去年は武器対決に敗れ、19時台にトーナメントから姿を消してしまったが、今年は準決勝に駒を進められたことも嬉しかった。友保さんは今年も魔法をかけられてツヤツヤな美髪。


第二試合、ラフ次元vsガクテンソク
関西ダービー2024。
ラフ次元は次々と「思ってたんと違う」ものにひっくり返していく、早指しオセロのような展開。ひっくり返される度にバイソンさんの表情が目がっ開きの、全力嘆き顔にころころ変化するのが漫画みたいで味わい深い。ひっくり返すだけ返したら後半で怒涛の伏線回収ラッシュがまた気持ちが良い。Tシャツなんか着てへんやん!!「竹ちゃん」「梅ちゃん」ときて「松ちゃん」はファイナルでは回収ならず。それでもテンポ良く気持ち良く美しい形だったと思う。なので255点という点数の低さには驚いた。まるでスベったかのように評されていたが、スベったポイントなど個人的に見当たらず理解に苦しんだ。もう少し点伸びても良かったんじゃないのか。第一試合の金属の点数を受けて審査員もインフレの流れを恐れてしまったのだろうか?
後日、ファイナルの配信を一緒に観た際に友人はガクテンソクの3本目の次にラフ次元のネタをとても気に入ったと述べていた。250点台という評価には個人的にとても納得がいっていない。

ガクテンソクはまずは自己紹介にベストな国分寺ネタで。お2人の漫才はあまり早口でないのと、奥田さんの声と発声がとにかく聞き取りやすい。ゆえに時々早口で捲し立ててもちゃんと聞き取れる。声がよく通るので、今年の32の抽選会から奥田さんの存在感が一際違っていた。ただ声がよく通るだけではない。漫才中の表情豊かな声色の「緩急」がぐっと聴き手の心を掴んでくるので、観客側も話の展開に引き込まれていく。
よじょうさんのボケに対しまるでお父さんが諭しているようなスマートな紳士感を醸し出していたかと思えば、家にLOFTがあると知るや「たまに行くね?!ww」と一気に同級生の空気感を出してくる。
そして磨かれたワードセンスで的確に撃ち抜いてくるので気持ちいい。サウナのくだりの『』が地味に好き過ぎる。「いけ!輝けガクテンソク!」という思いで見守っていた贔屓目フィルターもあるのかもしれないが、今大会でガクテンソクのめっちゃ仕上がってる感はもう「感」の域を超えてオーラが可視化できてたと言っても過言ではない。

第三試合、ななまがりvsタモンズ
まさかの大宮ダービー。
抽選会で対戦が決定した際に、「ファイナルまでにあと12回くらい会う予定がある」と話すほど、普段一緒に仕事をするコンビ同士。抽選会後の記者会見では着席するや互いに怒号を飛ばし合えるほど(ここも凄く好きでリピート再生しまくった、今がVHSの時代じゃなくて良かった)の仲。決勝直前の週はじめの公演にてタモンズ安部さんが喉を痛めてしまい、この週の出番を休演。その代演をななまがりが務めるというツイートを目にし、4人が笑顔で並んだ写真がアップされ、始まる前から非常にエモいカードだった。

ついこの間、M-1 2023敗者復活戦の生放送で漫才を披露いたななまがりが、満を持して全国ネット生放送漫才賞レース決勝の舞台で爆声量を放ち、ぴょんこぴょんこ飛び跳ね、そのエネルギッシュさを存分に発揮している。ななまがりはここ数年でも賞レースでの存在感をじわじわと色濃く魅せつけてきているが、この数ヶ月なんてM-1 2023敗復&ツアー、ザセカ予選&ファイナル&ツアー、KOCエントリー表明&会見と怒涛のラッシュ。勢いが凄い。加えて単独ライブも短期間で複数ぶち込んでて弾数も十分。ちょっと怖いぐらいのエネルギー。(そういえば3月に熊本の駅前フェスタにも来ていたな…⁈)
ファイナルではブルベ色の強い静謐かつ厳粛さすら感じるスタジオのカラーを、森下ワールドの異元カラフルパレードが瞬く間に覆っていく様が圧巻であった。「酸性雨の目薬さし放題」「田田(でんだ)アルファ美」「岐阜から靴下早歩き」…と、彼らからしか聞いたことないパワーワード一個一個が強烈に茶の間をぶん殴ってくる。『PayPayと言いながら…(中略)…山本ICOCAです』が好き過ぎる。覚えるくらい大会後も反芻している。どこで使うんだそんな自己紹介。
仮に彼らが準決勝に進み16でのCMまたぎのネタを採用していた場合、「イナバウアー教室」「食べる松葉杖」「カニ製薬」の複数トレンド入りは間違いなかったろう。

タモンズも強かった。ツカミから債務者宣言アザッス‼︎ 、他局アニメのワード盛り盛り。お笑いに集中しているところにお台場からのシャバドゥビタッチヘンシーン!は腹筋に直撃が過ぎる。喉が回復した安部さんから放たれるクセの強さは一級品だった。思わず、32のインポッシブルvsななまがりの濃ゆ過ぎるカードが脳裏を掠めた。抽選の運命は残酷。どうしてあの2組をぶつけちゃうんだろうね。さながらお笑いの天下一武道会。
愛嬌すら感じるほどに可愛いおじちゃんが生き生きと動き出すほどに、大波さんの涼しげなポーカーフェイスが際立つ。出番直前のコンビ写真(グレープフルーツ搾り)にもそれがよく現れている。大波さん、飄々としていながら柔らかい雰囲気もありますよね。その表情で抽選箱に直行するや即、手を突っ込んだ動きにも刺さるものがありました。ネタ中時々楽しそうに笑うところも良いですよね。「大きいお友達」「水道橋におる」のところで一際楽しそうな笑い声をあげていたのが個人的にめっちゃ効きました…。
32の配信以降、徐々に「おや…?」「あらあら…?」という反応がちらほら観測されていたが、今大会ビジュアル見つかり枠の一人かもしれない。ビジュワーキャーはともかく、今大会でタモンズの面白さに気付いちゃった私は彼らにまつわるコンテンツを片っ端から漁っている。そしてワーキャーはともかくと言いながらも、大波さんがへらっ…て笑う時の気の抜けた声色に心臓鷲掴みにされている自分がいる。
こんなに魅力ある人達が今までTVでネタ披露する機会無かったのなんで?

空気がガラリと変わった第三試合、どう評価されるのだろうとハラハラして見守ったが、蓋を開けてみると2組の点差は1点、両者260点台とやや低めの採点となった。初瀬さんの「ベストバウトを目指してたのに1点の数で争いたくないんですけど?!」安部さんの「泥試合でしたか?!」というコメントが最高だった。
共に32時点での歴代最高得点292点を記録したコンビ同士、(思えば披露したネタも同じでしたね?)得点が伸びなかった結果に悔しさもあったと思う。そこを有田さんがコメントで「真っ向からのバカ対決」と評しながらも「だからセカンドは面白い、大好き」と全肯定して称えていたのが良かった。漫才のバリエーションが似たり寄ったりのしゃべくり系統ばかり続いてもつまらないもの。
ファイナルの対決を気持ち良く始めて気持ち良く終えたななまがり、もう捌ける気満々だったのに、今からまだ審査員の講評だったのがまた笑いを誘う。本当にセカンドは面白い。


第四試合、タイムマシーン3号vsザ・パンチ
煽りVで彼らだけ「サードチャンス」まであったのが笑ってしまった。オンバト。最初のM-1。懐かしい!そうそう、2人の以前のお姿こんな感じだったな〜関さんのころっとした坊ちゃん感。「組めませんでした〜」も懐…いや今日やるツカミを先に流すんかい(笑)あのVが悪かったとは全く思わないんだけど、だけど"サードチャンス"といいツカミのフライングといい、ほんの少しだけ出番直前に足引っ張られてしまう要素があったな、そこを跳ね返すくらいの勢いがないと分が悪くなってしまったよなと個人的に感じたところ。
漫画の主人公/悪魔のドラえもん のネタ、「デブの大三角形」「大山のぶ代の怨念」「ジャイアンだったもの」といちいちワードが反則級に強い。32の締めに相応しい大盛り上がりを見せたネタで、更にファイナルではスタジオのセットを「悪魔のタケコプター」とイジる展開を追加してきた。ドラえもんの登場シーンもネズミを飼い慣らす登場から仏壇貞子スタイルに変更。
強い。正直、1本目にタイムがドラえもんを持ってきたら、本当にどちらが勝ち進むか全然読めないと考えていたが、32の時ほど点数は伸びなかった。コメントに「小慣れている」点をマイナスポイントとして挙げられていた場面は、M-1 2019での和牛を思い出して胸がギュッッとなってしまった。芸を磨きに磨いたプロから魅せて頂く時間。下手くそだと白けちゃうし、小慣れていても白けちゃうんじゃあ、どうしたらいいんだろうと考え込んでしまう。

ザ・パンチ
冒頭45秒がわらたまドッカ〜ンなのよ。
32で久々に最近の漫才を拝見して、こんなに面白くなってたの?!と驚いたのは自分だけではないと思う。クセキャラディスりものじゃなくてこんなにテンポの良い漫才をする方達になっているとは…「パンチ浜崎ですヨロシクゥ」とか頭叩かれて髪型気にする場面とか、あの頃やっていた動きも残しつつ、「16年前とはほとんど別人」とは仰る通りで、劇場に足を運ばない限り、それを広く知られる機会は今までほとんど無かったわけで。改めて、セカンドが出来て良かった。昨年上がって来なかったのが不思議だ。聞けば昨年は選考会でウケて自分でも手応えを感じ、新しいスーツを仕立てたところ32に残れず、結果行き場のないスーツが残ったのだと。「ご縁がないのかな」と思いながらも諦めずに今年も挑戦して下さって本当に良かったと思う。ノックアウトステージからの勢いそのままに、ザ・パンチ堂々の大躍進。

準決勝 4→2


準決勝 ガクテンソクvs金属バット
ガクテンソクの2本目は16でマシンガンズを撃破したあのネタ。これをやるために、1本目を急遽変更したという話。もし金属の『髪型漫才。』が先攻で出ていたら、16同様ツカミで使われたのかな。
「奥さんプーチンか?」「え〜本業頑張らないんだぁ〜!」がずっっとじわじわ残る。よじょうさんが嬉々として堂々とボケるのもまた良い。本当によじょうさんが堂々としているのが、良い。今大会ファイナルで唯一の先攻での勝ち上がり。やっぱ基本的には後攻の方が強いのかな〜と思ってしまうが、この対戦と、ノックアウトステージをずっと先攻で勝ち上がってきたザ・パンチを思い返せば、そうとも断言できなかったり。

いやしかし金属でしか得られない効能ってあると思うんですよ。ガラが悪くて嬉しくて安心するって本当何。自分が普段の生活で極力使わないようにしている言葉すら、彼らなら許容できてしまう。贔屓目と言ってしまえばそれまでなのだけれど、ここまで「⚪︎ね」「⚪︎す」「ラリってんのか」と気持ち良く言い切れる時代があとどのぐらい続くのだろうか。コンプラ?まあまあ今だけはよろしいがな。
全て終わって振り返ると、この「⚪︎ね」 が決勝でのラクダに向けて扉をちょっと開けておいてくれた感じがしませんかね。金属にはずっとこのスタイルで漫才続けてほしいなあと改めて思うなど。
32でCOWCOWの決めポーズ、16では母心の歌舞伎の言い回しを貰って、準決勝ではしれっとビンタのあとにハンジロウの縫い目✊を貰っていたその遊び心も大好きです。名誉のベスト4 。劇場の単価上がれ上がれ!

準決勝② 中尾班対決/新年会vs忘年会

安部さんの金切り声がクセになっている自分が居る。ビバホームでプレゼントを選んでいる時のノイズ無し高音ウキウキ声も良い。ビバホームのCM来い。ネタが飛びそうな気配なんて微塵も感じなかった。ダイブシーンが発生しなくて良かったです。「飾ってくれてんのか‼︎✨」の時に客席から大きな拍手が起きるの、2人の世界観への没入度が現れていてとても良い。
ちなみに2人で誕生日プレゼントを贈り合っているのはガチなのだろうか。まだまだタモンズのことをきちんと知らないので追究したい点。
コンビ紹介の画にこのネタでのグレープフルーツ絞り(顔ワシーッ)が採用されているのがとても良い。「辞めてもええ〜辞めへん‼︎」「コンビ解散や〜コンビ結成‼︎」≒「しゃがんで立つ‼︎」

ザ・パンチ
「俺今日誕生日じゃねえよぉ😫」のくだりはシンプルに何回聴いても、毎度のお約束として擦られようが面白い。松尾さんが嘆き顔になるモーションで客席と茶の間の期待が高まるのが分かる。嘆き顔が面白いって凄く武器だよなあ。何で嘆くだけであんなおもろいんだ。レカぺでのキャッチフレーズも「哀愁の嘆き節」、ほぼほぼ松尾さんの要素デカめ。彼らはあのスタイルで一発当ててそれで終わってるとばかり思っていたお茶の間に、もう一発強烈なパンチを食らわせる物語。その劇的な展開をリアルタイムで見せつけられている。「伝説」が着々と輪郭を成していく様を。
などと勝手にエモさに震えていたら、浜崎さんの顔芸→東野さん手持ちカンペでバシーン。2024大会の名場面。今後のバラエティ共演が俄然楽しみ。
このあと更に大きな爆発がぶっ込まれるとはまだ知る由もない。準決勝のネタをあとから振り返ってみると、浜崎さんがダラッダラ喋る場面で「何"や"って"んの"ねえ"〜〜」のモーションに入ってもおかしくなかった訳で。もうこの時点でラクダ頭出しかけてた。

決勝  ザ・パンチvsガクテンソク

ザ・パンチ
「さっきザ・パンチ観てまたザ・パンチ観るんですか?!」 を叶えてくれる香盤ってもう絶対THE SECONDしかないって。
08年M-1決勝でのエース・浜崎さんのスタイルは、パンチパーマ+独特の紫ファッション+キザで絶妙にイケボな男から放たれるこれまたウザい台詞が客や茶の間からのヘイトを集めに集めて、沸騰寸前のここぞというタイミングで「…お前もう⚪︎ねよ」「ねぇお願い⚪︎んで〜」という辛辣オーバーキルツッコミ。
「図鑑に載ってないキノコ食べて〜」などバリエーション豊富に、ときにメルヘン路線に、あるいは番組の意向でもう全然マイルド過ぎる台詞(豆腐の角に頭ぶつけて)に改変されつつ、それでもなおTVを見た視聴者からのクレームは絶えなかったそうで。「⚪︎んで〜」という直接的なワードは震災(3.11)以降はさすがに使えないと判断し、以降は封印しているのだと。今大会、ここまでの漫才でもそのカードは切られなかった。
決勝で初めて「俺はお前を“殺めてしまうかもしれない“」というトリガーが初めて引かれた。そこからの展開は早かった。「今日何しに来たのね"ぇぇ…」と松尾さんが嘆けば下の句の厳罰宣告をお笑いファンは期待している。そこからは息を飲む間もなく16年ぶりに砂漠にラクダが放たれた。ちょっと停止ボタン欲しい。漫才の途中だし今感動を噛み締めている場合じゃない。押し寄せる感情を消化する時間が欲しい。
浜崎さんのスーツの裏地がぺろっと見えた瞬間、色が「あの頃のパープル」であることに気づいたのも興。
まだ2回分しかサンプルを得ていないけれど、THE SECONDは準優勝コンビにもしっかりスポットが当たるのも魅力だと思う。負けた相手を仲間にしていく激アツ展開も、準優勝ロードをこさえた昨年のマシンガンズの功績でもあるのかな。また贔屓目評。

ラストチャッチャチャーンス当時、あの夜は08年M-1をリアルタイムで観ていて、TVの前で唇噛んで2人の事を睨みつけていた。敗者復活で勝ち上がってきたコンビの方が余程面白かった。彼らがストレートで上がれなくて、この人達がなんで…?と苦々しい気持ちだった。その後のショートネタ番組などではフラットな気持ちで「面白いな〜」と笑って観ていたり、日常や学校生活の不平不満を脳内松尾さんにバスターしてもらった事はあっても(ツッコミワードをノートにコレクションしたり)、それ以上の好感を抱いた事はなかった。まさに去年のマシンガンズと同じで、「いや〜自ら彼らのコンテンツを欲し、買い求める日が来るとはね…」というラインに乗っている。好きや楽しみを増やしてくれるTHE SECONDに幾ら感謝してもし足りない。
ファイナルの抽選会で松尾さんが仰っていた「俺たちが一番SECONDっぽい」も、西堀さんの「俺が一番大会の趣旨に合っている!」と重なる。去年との不思議なリンクを感じて、よりザ・パンチへの好感が日増しに深まっている。

ガクテンソク

もう客席が茶の間が、ガクテンソクの漫才を期待して期待して、次はどんなの魅せてくれるの!もっと聴かせて!と欲しがっている雰囲気が出来上がっているように感じた。ここまでのネタ選びの戦略も生きていたと思うし、よじょうさんが楽しそうにボケるのも、奥田さんがよく通る声でズバズバ斬っていくのも心地良くずっと見ていられる安心感があった。3本目の漫才も。
「お前が"作られた年"」がツボで何日経っても口角上がってしまう。學天則である観点で言えばあながち間違っていないというのがずるい。
今日初めてガクテンソクを知った人達は、いま決勝のステージで美声を響かせているよじょうさんが飲み会からの帰宅途中に芝生の上で力尽きていたことや、奥田さんが昨晩0時近くまで鬼殺隊のフィギュアの陳列に真剣に頭を悩ませていたことなど確実に知らないだろう。私とて彼らの事をちゃんと詳しく知っている訳ではないのだけれど。THE MANZAIの時やM-1のラストイヤーを固唾を飲んで見守っていた昔からのファンの方々って果たしてもうどんなに震える思いでこの決勝を迎えていたのだろう。
今まで、TVの賞レース放送をリアタイしながら「この組がもしかして優勝しちゃうんじゃないの?!」がその通り叶った事は今までほとんど無かった。大舞台ではその時になって、思ってもみない展開が起こったりするものだから。SECONDにおいてもファイナル当日どこでどんな化学変化や大爆発が起こるか分からないので、優勝予想という形で語ることは出来なかった。
しかしガクテンソクはもう仕上がってる勢いでしっかり優勝かっさらったね。お見事ですの一言に尽きます。歴代最高得点を塗り替えた瞬間は思わず嗚咽。これはずっと追ってきたファンじゃなくても嬉しかった。

決勝戦の点数発表について

「低くないですかぁ?!」

こればかりは相対評価でしょう。ザ・パンチの決勝ネタがスベっていたとは到底思えない。(ただ漫才の時間は4分台と短かったようですね 笑)
いよいよラスト2組だけの対戦で、どちらが王者かを決めるとなれば、審査はどうしても相対的にジャッジしてしまうのではないかな。だけどザ・パンチの3本目を絶対評価でつけた時の純粋なスコアはどこまで伸びたのか、興味はあります。

漫才中、客席がウケている時に同時に有田さんの笑い声を何度も観測したのも新鮮に刺激的だった。
他の賞レースにおいて漫才の出番中に映像が審査員の表情に切り替わる演出には否定的な考えを持っているのだけれど(06年M-1では最終決戦の動きのボケが一個殺されたという実害もありましたよね)、これに関しては悪くないなあと自分は思った。

何よりまずは4時間10分をトラブルなく終えられて良かった。自然災害や重大事件による放送中断、システムトラブル、(採点システムのダウンなんて想像しただけでゾッとするよね…万が一に備えた代替手段とか用意されているのだろうか…) 起こらなくてほっとした。無事完走出来たことに感謝。放送・大会運営に関わられたスタッフの皆様も、本当にありがとうございました。

まだまだ余韻をしがみたいTHE SECOND、この記事を書き終える前日、原因不明の機器トラブルによりTVの故障&HDDの録画データ全消失という憂き目に遭っている。それはすなわち他の賞レースの録画と共に第1回,第2回のTHE SECONDのデータも失われたということ。やってらんねえ〜😭!!!
そういうわけなので、絶対に〜〜〜円盤化しようね〜〜〜!!!!!

出典/今大会で視聴した公式・関連コンテンツ一覧


▶️開幕戦ノックアウトステージ抽選会
👬【配信】ノックアウトステージ32→16 A〜Hブロック
👬【配信】ノックアウトステージ16→8  A〜Hブロック
▶️グランプリファイナル抽選会・記者会見
▶️ガクテンソクに告ぐ!マシンガンズがTHE SECONDを振り返る!
▶️マシンガンズがTHE SECONDを同士と共に見守る!【マシンガンズチャンネル】
▶️M-1王者で"公式セカおじ"となったくるまが「THE SECOND2024」を予想!
▶️公式セカおじ"高比良くるまの「THE SECOND徹底振り返り生配信」【official令和ロマン】
▶️ザ・パンチ 東京吉本のやばい時代を知ってる先輩が、THE SECONDファイナリストに!【ニューヨークofficial channel】
▶️セカおじ令和ロマンくるま降臨!Mおじ武智とザセカンド2024を徹底考察!【スーパーマラドーナ劇場】
▶️THE SECOND 漫才賞レース決勝進出!帰りの車内
▶️THE SECOND決勝直後の車内トーク【タイムマシーン3号official YouTube channel】
📻ナイツ・ザ・ラジオショー(5/13〜16)
『勝手にTHE SECOND芸人ウィーク2024』
ザパンチ、ハンジロウ、タモンズ、ガクテンソク
📻宮司愛海のすみません、今まで黙ってたんですけど # 30 ゲスト日置祐貴さん
📱キャンペンボーイインスタライブ【マシンガンズ滝沢Instagram】
👬【配信】第弐の漫才頂上決戦2024 緊急アフタートーク(5/25)
👬【配信】オズワルドさんたら、もう!(5/22)
👬【配信】太鼓判ライブスピンオフ  ~ザ・パンチのなんちゃってマッチョマントーク~  (6/2)

+各ファイナリストその後のYouTubeやメディア仕事諸々…書き切れねえ…
ファイナリストのSECOND以降の特需お仕事、その後のご活躍が嬉しくて、喜んで観ちゃう。SECONDが出来て本当に良かったと嬉しさを何度も何度も噛み締める瞬間がある。

誠にセカンドである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?