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小宇宙

頭がおかしいと思われてもいい。

私はこう思っている。
BTSは、現代社会に疲れた人間を救うために現れた天使なのではないかと。

彼らが作る音楽、歌詞、SNSに投稿する写真、動画、言葉に
予告なく始まるVLIVEの生配信、Weverseでのファンとの交流に
日々癒されている人がどれくらいいるだろうか。
私もその1人で、BTSという大きく光り輝く星の周りで彼らを助けるように存在する、小さな小さな塵のような星のひとつなのだ。

今日、日本時間2022年4月17日、ラスベガスでの公演が幕をおろした。
オンラインで見守っていた私は、アンコールでやはり泣いていた。
何回見ても、熱狂させられ、感動するのは、ただ単にBTSが好きというだけではない気がしてならない。

彼らが話す言葉ひとつひとつから、ファンをいつも思っていること、ファンの為にステージを命懸けで作っていることが伝わってくる。
私はどちらかというと全肯定してしまうファンではなく、どんなに好きでもどこか冷静に見てしまうが、彼らの言葉の多くはリップサービスでも何でもなく、薄っぺらい愛の言葉でもないと感じる。

だから彼らが好きなのだ。
用意された歌をうたい、雰囲気でかっこよく見えるだけのダンスを踊り、カムバックの時だけファンと交流をするだけではない彼らが。
自分達で音楽を作り、時には綺麗とは言えない歌詞で本心をぶつけ、酸欠になりテーピングをしながらも死ぬ気で踊る彼らが好きだ。
なるべく自分の言葉で伝えようとする彼らが
一番辛い思いをしているのは自分でも、アンチに傷付けられても、それを見てしまうファンの心を案じ、そんなことまでも伝えてくれる彼らが好きだ。

私は約3年前、精神的な病を患い、通院するようになり、何の楽しみも無い、真っ暗な日々を送っていた。その少し後、彼らを追うようになった。
BTSの存在は何年も前から知ってはいたが、その時こそがタイミングだったのだ。

もろろん他にも要因はあったが、BTSのおかげで私は人生の楽しみを得ることができた。大袈裟に言えば命の恩人である。
そしてほとんど普通に生活できるようになった。

が、去年の夏の終わり、父を癌で亡くした。動かなくなった父に覆いかぶさり、泣き叫んだ。父を抱きしめたのはこれが最初で最後だった。

父は私が病んでいた時、一番近くで支えてくれていた。お前は絶対治るから、お父さんと一緒に頑張ろう、大丈夫だから、と、泣いている私に寄り添い声をかけてくれていた。まるで私は何も出来ない小さい子供になった気分だった。でもその優しさが嬉しかった。愛されていると実感できたから。

そんな父が、その2年と少し後には居なくなるなんて思いもよらなかった。

BTSがいなかったら、どうなっていただろうか、考えるだけでゾっとする。きっとまた闇のどん底に落ち、家からも出ず、でも命を捨てることもできず、ただ息をしているだけの生活をしていたのではないか。

きっとそんな人はこの世にごまんといるだろう。
でもその一人一人が、BTSを生きる意味としてやっと生きている。
そしてそこから、楽しみを見出し、いろんな人と繋がり、希望を持つようになるのだ。今日も明日も、これからも、ずっと。

でも彼らはきっと、そんなファンに対して、こう言ってくれるだろう。
僕達はARMYのおかげで生きています。あなた達のおかげで、僕達は存在しています。笑っていて下さい。幸せでいて下さい。愛しています。と。


2022.04.17
もち

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