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『泡沫のユークロニア』ネタバレなし総評

はじめに

⚠️『泡沫のユークロニア』体験版、公式サイトおよびスタッフコラムにて公開されている情報に触れています。

本記事を読むだけでストーリーが分かってしまうようなネタバレはいたしませんが、「こんな感じだった〜」という感想を含みますのでなるべく情報を得たくない……! という方は閲覧の際ご注意ください。

また、個人的に期待値がバカ高い状態でプレイしたため辛口評価となっております。

公式サイト

画像タップにて公式サイトページが開きます。

興味がある方は公式サイトやスタッフコラム、体験版をプレイして購入するかどうか判断するといいと思います。
特に体験版ではヒロインの性格や文体の合う/合わないなど実際にプレイしないと分からない点の判断がしやすいので、少しでもいいのでプレイするのがおすすめ。

発売直前スタッフインタビュー(4gamer)




あらすじ

空中に浮かぶ理想郷・凍玻璃(いてはり)。
厳しい身分制度が敷かれながらも、
現御神(あきつみかみ)・大樹(たいじゅ)の力によって、凍玻璃には天災も犯罪もない理想郷と言われてきた。

主人公である雛菊は領地を治める貴族の一人娘。
過保護な従者・淡雪とともに、亡き両親の代わりに領民の暮らしの為に奮闘していた。

ある日、日課であった領地の見回りの際、雛菊は何者かに襲われてしまう。
それを助けた青年・矢代(やしろ)との出会い、
時を同じくとして凍玻璃で発生する事件。
まさに雛菊にとって"非日常"といえる数々の出来事が、
少しずつ雛菊の日常を変えていくことになる。

やがて凍玻璃の真実が浮き彫りになるにつれてふと浮かんでくる疑問。

――その箱庭は本当に"理想郷"なのか?


キャラクター

主人公&攻略キャラクター(と簡単に各個別√の感想)

雛菊(名前変更可能、デフォルト名呼びあり)

主人公。18歳になったばかりの東五の当主。
好奇心が強く、密かに地上への憧れを持っており、淡雪を振り回している。

当主の仕事はきっちりやって(それなりに努力も認められて)いますが、ドが付くほどお人好し&おてんば&√によっては幼く見えるときがあるので、当主という設定とギャップを強く感じました。
(当主という設定だともっとしっかりしてる/しっかりしていると見せようとするタイプが多いと思っているので➕同制作陣の前作『ピオフィオーレの晩鐘』のヒロイン・リリアーナのほうが大人びていると感じたため)

凍玻璃という場所で育ったご令嬢としてはしっくりくるんですけれど、かなりギャップを感じたので個人的には当主見習いとかのほうが受け入れやすかったな〜という感じです。

矢代(やしろ) CV:小林千晃さん

攻略制限ガチガチのメインヒーロー兼キーパーソン的立ち位置の攻略対象キャラクターです。
なにを言ってもネタバレになりそう。
物語冒頭で雛菊を助けたことで物語が動き出し、その後もちょくちょく関わることになります。
√としては真相に絡んでる分恋愛ものとしてはちょっと薄めな感じもしますが、少しずつ雛菊に心揺れている様子が可愛く、BESTエンドが爽やかな終わりで好きでした。
普段の態度からたまに覗く陰が最高。

帷(とばり) CV:岡本信彦さん

攻略対象のなかで初回攻略可能なうちの一人。
花街の顔役を務めている帷ととある出来事をきっかけに知り合うことになります。
帷とは友達関係からはじまり、切なさと爽やかさがある恋愛ストーリーで、少女漫画ぽさを感じました。
いわゆる運命枠(少女漫画でヒロインと結ばれる相手のような攻略キャラクター)ではないけど、恋愛過程も丁寧だったと思います。

帷は面倒見のよいキャラクターなので、「……ったく姫さんが言うなら仕方ねえな」で大抵OKしてくれる。わたしが雛菊の友人なら帷が相手なら安心〜とか言ってると思います。

淡雪(あわゆき) CV:斉藤壮馬さん

雛菊の従者兼保護者な感じの立ち位置。初回攻略可能なうちのもう一人。
単純に付き合いが長いからっていうこともあるんだけど、シンプルに淡雪が雛菊へのクソデカ感情抱いてる。厳しい身分制度のせいで簡単に結ばれない主従カプが好きな人には刺さると思う。
この二人はバディみたいな関係性がすでに確立しているのでどこで恋に落ちたのかじゃなくて、身分制度の厳しい凍玻璃で恋人関係に至る葛藤とか決意とかがもう少しじっくり描写されていれば嬉しかったかな〜!ないわけでは無いけど他キャラとの因縁がインパクト強すぎて持っていかれた。

この√のBESTエンドの終わりが正直好みじゃなかったんですが、掌編(BESTエンドクリア後に解放されるスチル付きSS。攻略対象全員分ある)がかわいすぎた。惚れた女に勝てないやつが好きなので……。

依様(より) CV:江口拓也さん

淡雪√クリア後に解放されるヤバい男。
貴族として変わり者である雛菊に対しては結構ネチネチ嫌味言ってくるし、雛菊も言い返してるのでどっちも子供だな〜という感じ。

ただ依様がなぜここまで拗れたかっていうのはちゃんと描いてくれていると思うので、あとはプレイヤーがこの√の雛菊や依様に興味を持てる/好きになれる/受け入れられるかどうかにかかってるかな。ちなみに依様の過去に対して理解も同情もするけど、劇中彼がやった事に関してはわたしは許してません。
一番モヤッたのは、依⇒雛菊への気持ちの描写があんまり多くないので、こいつ本当に雛菊のこと好き?ってなってしまったこと。
わたしはプレイ直後「はァ?!」ってなってたけれど、クリアしてから数日後に掌編で「フーン、お前雛菊のことちゃんと好きだったんだね」って和解に至りました。でもそれ本編で視点が依様になったときに入れても良くない? ってなった。

でもあの拗れ方した依様が雛菊のこと好きだってなかなか認められないよな、ってことで終着した。(めんどくさいオタク)

露草 (つゆくさ) CV:松岡禎丞さん

帷を攻略後攻略可能になる雛菊の幼なじみ枠。
帷とは別の意味で雛菊との恋を安心して応援できる、というか露草と雛菊はくっついてくれないと困る。あんまり詳しくは書けないけれど単に雛菊との掛け合いが可愛いだけでなく、「あ〜!やっとくっついたか〜!」という安心感と納得感が半端ない。この√の雛菊はいい意味で年相応だから、自分がなりたい当主のあり方とそれに向かっていく心の眩しさみたいなのを感じ取れるので爽やかぽくて良かった。

終盤露草の発言で多少モヤッたところはあるけれどまぁまぁ許容範囲でした。


全体感想(まとめ)


前置きがかなり長くなってしまったのですが、
おすすめ乙女ゲームを訊かれて、この作品の名前を挙げるかはかなり微妙でした。
体験版をプレイしてみて気になるキャラクターがいるのであればプレイするのが一番だと思う。

わたしはというと、真相√までプレイしていて決してつまらなかったわけではないけれど、あんまり盛り上がれず心に残らなかったんですよね……。
(事前に気になっていた淡雪√のシナリオやヒロインと合わなかったのが大きかったかも)

このnoteを書くにあたり、この作品をどんな方におすすめするかを考えてみたんです。

日頃乙女ゲームをプレイしていて主に二つのタイプの方が居るのかなと思うんですけれど、
恋愛模様(糖度)はそこそこでもいいから、ゲームとしての面白さやシナリオの面白さを重視するシナリオ重視派さんと、
前者よりもヒロインと攻略キャラクターの恋愛部分(恋愛過程とか)を重視するタイプの方。

ちなみにわたしは乙女ゲームを購入するときは、僅差ですが後者を重視しています。前者であれば乙女ゲームというジャンルに拘らなくてもいい作品が溢れているからです。

話を戻します。

緻密に張られた伏線から世界観やキャラクターの人物像を想像したり、真相を考察するのが好き!とかシナリオ重視です!という方は肩透かしを食らうし、
逆に世界観とかそこそこでいいから恋愛絡みのストーリーでときめきたい!とかカプ萌えしたい!って人は過程の描写が不足していて感情移入できず置いてきぼりになると思う。

つまり乙女ゲームプレイヤーさんが、どちらを重視しているにしてもおすすめはしづらいな、とわたしは判断しました。

大事なことなのでもう一度書きますが、
気になるキャラクターがいて、その目で凍玻璃の恋を見届けたいのならば自分でプレイするのが一番だと思いますよ……!わたしは一人でも多くの乙女ゲームプレイヤーさんが楽しめるのを一番に願っています。わたしがこの作品に合わなかったからこのnoteを見てくださっているあなたも楽しめない、ということにはならないと思いますので。


他ブロッコリー作品はよくダウンロード版のセールをしているのでこの作品もセール対象になるのを狙ってみるのも手だな、と思いました。


参考になれば嬉しいです⸜🌷︎⸝‍

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