BEXAでの各講座について

0.はじめに

 先週,ロープラ商法の解説講義をリリースしたところですが,おそらくロープラ商法の講座をもって私自身の講義作成活動は最後になると思いますので,これまで出してきた3つの講義について説明しておきます。
 なお,今後も既に作成した講義の改訂作業等は行いますし,採点実感講義・判例セレクト講義等の試験直前の講義については作成する可能性があります。

1.論文を意識した会社法超インプット講座(「インプット講座」)

 商法の試験で必要な会社法の知識を網羅的にまとめている講座になります。

 江頭本,田中本,紅白本,コンメンタール等を見て,試験対策上必要となる様々な論点を網羅して,一元化しています。
 特定の基本書のみで勉強していると,どうしても判例・通説からずれてしまうので,あくまで判例・通説をベースにして会社法の試験対策で必要な論点・条文知識はこれ一つというのを目指して一元化しています(なお,有力な学説も紹介しております)。
 そのため,自分がインプット講座をリリースした後,質問箱等で会社法関連の質問が来た際に,「あれ,これってどうだったかな」と思った際には,基本書を見るよりもまず自分のインプット講座の該当箇所を確認しています(しかもデータなので,外出中もスマホで見れて便利!)。

 また,論点の解説のみでなく,論点相互間の関係,基本的な条文知識等もまとめてあります。
 基本的な条文知識って,特に会社法では本当に重要です。会社法の試験では大体は株主総会決議とか取締役会決議の瑕疵が問題になってくるわけですが,その瑕疵って条文上定められた手続への違反だったりするので,条文知識がないと手続的瑕疵に気づけないわけです。
 最近は手続問もよく出題されていますし,会社法の基本的な条文知識に基づく体系的理解を問う問題(①令和2年予備論文では,取締役が1名という事実から,非公開会社であることを認定させる基本的な問題でしたが,これができてない受験生が多かったです,②自己株式取得についての156条と157条の関係だったり,新株予約権についての236条と238条の関係だったり,基本的な条文の体系を理解していない受験生が多く,ここに関する問題が出題されたときは足元をすくわれる可能性があります)も出題されたりします。

 というわけで,試験対策上必要となる論点,基本的な条文知識等を一元化することによって,条文数が多かったり条文が複雑で読みにくかったりで受験生の苦手意識の強い会社法というものの勉強を楽にして,苦手意識が薄まればいいなと思って作りました。
  ※はじめに

2.予備試験商法過去問思考プロセス講座(「予備論文講座」)

 こちらは予備論文の商法の過去問(現時点では令和元年度まで)についての解説講義です。

 まず,私が予備論文の過去問を解説する講義を作成しようと思ったのは,私自身が学生の頃にこういう講座があったらよかったなぁと思ったからです。
 私は伊藤塾,辰巳,アガルート等の予備校には通っていなかったので,司法試験・予備論文を受験する際に,過去問演習で頼れるものが「ぶんせき本」くらいしかありませんでした。
 ぶんせき本には優秀答案は載っているので,こういう論点拾ってこれくらい書いたら優秀答案なんだなということはわかりましたが,その人がどういう思考過程を経てその論点をそう書こうと思ったのかは分かりませんでした。
 そこで,私自身が問題文を読んだ際の思考過程を表してみようかと思ったわけです。

 幸いにも,私は合格した年の予備論文を受験するにあたって予備論文の過去問を解いていなかったので,私が受験した平成29年度の過去問以外については私自身も初見問題でした(他方で,司法試験の過去問は全て解いてしまっていたので,全て問題・解答を知ってしまっていました)。
 そこで,予備論文過去問の問題文を読みながら,私がどう考えたのか,具体的には,どの事実を読んでそこからどんな思考過程を経てどんな論点につながると考えたのかというものを示したいなと思って,それを実践しました。

 解説講義の中身としては,①まず問題編といって,問題文を読みながら思考過程を話していくフェーズ,②次に解説編といって,各論点について解説していくフェーズ),③最後に答案編といって,答案を示したうえで,実際の試験ではどれくらい書ければよいのか,答案上注意すべき点について話すフェーズで構成しています。
  ※はじめに

3.LawPractice商法攻略講義(「ロープラ商法講義」)

 こちらはロープラ商法の解説講義になっています。

 私自身は,受験生だったころにロープラ商法は使用しておらず,演習書は会社法事例演習教材しか使用していませんでした(受験生の中でのシェアはロープラ商法の方がやや高いかという感じでしょうか)。 

 私が受験生の頃にロープラ商法を使ってなかった理由って,何となくですが,「ロープラ商法って判例の事案そのまんまで,判例学習にしかならんやろ」と思っていたからです(そんな頃の自分を殴りたい)。
 しかし,今年の春頃に「でもみんな使ってるしロープラ商法ってどんなもんなんやろ。どれどれ・・・」と思って,ロープラ商法を購入して読んでみると,自分の思っていた以上に問題の質が素晴らしくて,ものすごく良い演習書だと思ってしまいました。
 具体的には,司法試験や予備試験で現場思考問題として出題されていた論点や,今後現場思考問題として出されるんじゃないかという論点が含まれていたり,意外と事実を拾わせてくる問題があったり(司法試験・予備試験では事実を拾うのは超重要です)等です。

 ただ,解説の中には,当該論点・問題の結論を示さないで「自分で考えてみてね!」って感じで終わっているものがあったり,判例・通説とまでは言えない裁判例を引用していたり,受験生にこの裁判例を知っていろというのは無茶だろというような裁判例の規範をつかってきたりという部分がありました。
 なので,この問題点に対処すべく,答案例を示すことによって当該論点・問題についての一応の結論を示したり,また受験の際に実際にはどう書けばいいのかどれくらい書けばいいのかを答案・解説で示したりすべく,この講座を作成しました。

 また,商行為法といったニッチな分野の重要論点についても,ロープラ商法が対応しているというのも良いポイントですね!
 ※なお,令和元年会社法改正に絡めた問題も含まれています。

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