パン屋さんから始まる恋
〇:今日も頑張るかぁ〜
ここでパン屋を初めてもう4年くらい経つ
最初はなかなか人が来なかったり、売上が伸びなかったりして大変だったが、今は安定期?というのだろうかぼちぼち自分のやりたいように続けさせてもらっている。
続かなかったら転職しようかなと考えていたものだ。
〇:鍵開けないと
うちの店は7時に開く
毎朝ここを通る社会人や学生の人にもパンを買って貰うためだ。
ちなみにドアは自動ドアではなく喫茶店などにある木製のカランコロンとなるタイプのドアで
理由としてはお客さんがくるのが分かるのと憧れ
カランコロン〜
??:今日も来たよ〜!
〇:あー美玲さんおはようございます
美:おはよう!〇〇くん!!
この人は佐々木美玲さん。オープンした時から来てくれる常連さんだ。
毎朝オープンすると必ず一番最初に来てくれる
明るい性格でいつも温かい笑顔を向けてくれる美玲さんはほんとに僕にとっておひさまのような存在だ。
美:はぁ〜♡今日もいい匂い〜!
〇:今日もいい匂いですか?
美:もっちろん!!この匂いに包まれて毎日寝たいなぁ〜
〇:本当に飽きないですよね笑
美玲さんのルーティーン?というかいつも決まってやるのは、、出来たてのパンの匂いを思っいっきり深呼吸する。こと
正直、僕は毎日嗅いでいるのであまり考えないが、美玲さんからしたらとても良いのだという。
美:今日も朝と昼の分買っていこっかなっと思いまして〜!
〇:嬉しいです。ありがとうございます笑
美:もう〇〇くん、敬語じゃなくてもいいのに〜
〇:やっぱり、先輩っていうのがどうしても抜けなくて笑
美:もうそれ5年とか前じゃん!
〇:えーもうそんな経つんですね笑
僕と美玲さんは大学の先輩と後輩でサークルや課外活動などで一緒になることが多く、良くお世話になった。
〇:ってか美玲さん時間大丈夫ですか?
美:あ。やばいじゃん!!
はい、お金!お釣りはいらないから!いってきまーす!
〇:あーー後でお釣り返すんでってあ、、、笑
美玲さんいってらっしゃい〜!
カランコロン〜
美:ありがとう〇〇くーん!だーいすきー!!
〇:ちょっ、なんてことを大声で言ってるんだか…//
美玲さんはこういうことをとてつもなく可愛らしい笑顔で言ってくれるので嫌いになるというか好きにならない訳が無いと思います。
まぁ僕は美玲さんの眼中に入ってないと思いますけどね笑
〇:(走っていく後ろ姿も可愛らしいなぁ、、)
??:なーににやけてんですか〜
〇:おっ、、びっくりしたぁ、、
後ろから急に話しかけるなよ美穂ちゃん
美穂:だって、出勤したら〇〇さんいないんで
こっちがびっくりしましたよ笑
〇:ごめんごめん笑
美穂:また美玲さんですか?
〇:うん、あの人といると毎日元気が貰えるんだ
この急に出てきた女の子は渡邉美穂ちゃん
ここの近くに住む大学生
朝からシフトに入ってくれるのでとてもありがたい。
ただ僕に対してなんでもストレートに言ってくるのだけはちょっと勘弁して欲しい。笑
美穂:ふーん
〇:え、なに、、
美穂:そんなに好きなら付き合っちゃえばいいのにって思って笑
〇:む、むりむり// 僕にそんな勇気はないのよ
美穂:えー〇〇さん優しいし雰囲気めっちゃ良いし性格も良いし、かっこ、、いいし
〇:おい、最後ダメじゃないか笑
美穂:まぁそんなもたもたしてると美玲さんも誰かに取られちゃいますよ〜
あ、いらっしゃいませー!
そう言い中に戻っていく美穂
〇:取られちゃう、、かぁ。
惹かれているのは間違いない。ただこれといって前に進むきっかけもない。
そんな毎日に不安を感じているわけではない
が、どこかこの気持ちに終止符を打ちたいというのもまた本当だった。
美:ふふ〜ん♪ 今日も〇〇くんに会えて大好きって言えた〜やった♡
つづく?
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