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北欧サウナ旅最終章

ヘルシンキのトランスファーで久しぶりに会った時から大=ととのえ親方が「メイリンの麻婆豆腐が超旨いから!」って言ってた。考えたら僕らに一週間位先行してヨーロッパに入ってた訳だから、そりゃアジアっぽい食べ物が恋しくなるだろう。という事で、clarion Hotelから徒歩15分ほどのメイリンにやってきた。最初に青島ビールと餃子、ヨーロッパ中華定番の水煮牛肉、そして大オススメの麻婆豆腐。

皆ここぞとばかりに米を食べる

最後の夜は、clarion HotelのSKY BARで飲む事になった。フィンランドのジンは、ベリーとローズマリーを入れて飲む。10日間も一緒にいるというのに、まだまだ話は尽きない。大爆笑の連続。結局BARが閉店するまで飲んだのに、飲み足らず僕の部屋で飲み直す事になった。この旅のこと、次の旅のこと、人生のこと。

この旅で何回部屋飲みしただろう?

時差も少しずつ日本に近づいてきて、朝もめちゃくちゃな時間には起きなくなった。(その分夜が起きてられる)今日は最終日、メインともいうべきスモークサウナKuusijärviに向かう。

スモークサウナとは簡単に言えば薪のサウナなのだけど、一番のポイントは煙突がない事。煙突がないのでサウナ室内は煙だらけになる。なので、十二分に室内を温めたあと、煙を天井の小穴から出し切って、ようやく入室出来るようになる。一般的な薪サウナのように、途中で薪を追加する事が不可能な為、大量の石を使う。その為必然的に大きなストーブになる。

オープンしたてだとかなりの高温

因みに、前回の北欧サウナ旅で行った、エストニアのムースカファームやフィンランドのクーサモ、ラップランドのサウナは基本的にスモークサウナ。
僕はこのスモークサウナが大好きで、ムースカファームのエダさんの「森の精霊、木の精霊、火の精霊、石の精霊、蒸気の精霊があなたに温度、熱を伝えてくれる」という言葉があったけど、どう考えても熱の伝わり方、温まり方、冷め方が普通のサウナと違う。日本にもあればいいけど(いくつかはあるらしい)スモークサウナは本場フィンランドやユネスコ世界無形文化財に登録されているエストニアでもすごく希少。何しろ時間と手間が無茶苦茶かかる。小さな部屋でも7.8時間、大きなサウナ室だと12.3時間かかるのだ。精霊と、サ守(湯守ならぬサ守by大)人の想いもあって心地いいのだと思う。

一発勝負
温度も煙もスペースも、その日1日の全てが決まるその工程と時間を贅沢に使える余裕と何よりもアバント(湖なり海なりに凍り切ってないから摂氏一度はあるはずと信じてるけど、ダイスケはこうコメントした)

「マイナス6℃……….。」

※僕とかナオさんがスキップした Löyly Helsinki。ダイスケの素が面白すぎて、部屋飲みとか車の移動で何度も再生しては大爆笑🤣

という事で、マイナス1℃かそこらという訳ではないようだ。話は逸れたけど、その日一日は一発勝負のサウナ室、大量の熱せられた石の保温力、高温度の石ならではのスチーム。そしてアヴァント。これがスモークサウナの醍醐味。ジワジワと血管の一本一本を温めていくような、大きな温かさ。そして、雪景色の中全てを一瞬で凍らせる様な、湖の峻冷さ。そして、水から上がった後の清烈な感覚。髪の毛にはスモークの香りが残る。これがとてもいい。

Kuusijärviから空港は15分ほど。昨日フェリー乗り場からの移動で仲よくなったタクシードライバーさんは、フロントの前で本当に2時間待ってくれていた。空港に着くと、チェックインを早々に済ませ、フィンエアープラチナラウンジへと向かう。前回来た時、イナケンさんの同伴で入れてもらったこのラウンジだけど、このサウナに入りたくて自分でもステータスを取得する事が出来た。のだけど、、、、。スモークサウナでパッキパキにキマった僕は、ラウンジのバーでシャンパンを飲むことにした。

いい旅だった。

コロナだかなんだか、いつも同じ人と同じ場所で、同じ事ばかりする様になってたのかもしれない。自分だけで伸ばしきれないところを誰かにストレッチしてもらうみたいな感じ。僕らの細胞は60兆もあるのだから、新しい体験とか、新しい刺激を入れる事でこれまでと全く違う新たな発見や、気づきがあるのだと思う。

13時間の空の旅。鼻の奥にはスモークの余韻がある。僕は機内でウイスキーを飲む事にした。

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