けんすうのNFT論02
Xでポストしている「けんすう」のNFT論をまとめていくよ
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NFTのプロジェクトとは
けんすう
NFTを発行して、販売したりするんですが、それは株式会社がやる場合もあれば、個人や、同好の人たちで集まったチームがやる場合もあります。
なので、NFTを発行するというのを全体的に「プロジェクト」とよんだりします。
コミュニティは「NFTを発行している人とか、持っている人、興味がある人が、Discordなどコミュニティに入ってやり取りをする」みたいな感じですね。そこが活発であれば「強い」といわれたりします。
まあ、このあたり、座学でやっても全然ピンと来ないと思うので、何かのNFTを買ってみて、熱心に研究したり、活動をするほうが早いと思いますね・・・
SNSの仕組みをNFTにする
けんすう
そうすね、なんか「買う人のメリット」がないと全然売れないので意味がないかなーと。
割とクリエイターファーストだったり、アーティストの利益を考えるプランって多いんですが、だいたいにおいて「お客さんが買わないので、成り立たない」というのになりやすいです。消費者は欲しいものしか買わないので。当たり前ですね。
投げ銭とかも「投げ銭をする心理的メリットがあるから」じゃないと成り立たないです。
単に投稿された絵をNFTで売ります、といわれても売れないです。欲しくないので。ユーザーはその絵を欲しいわけじゃなくて「みたい」だけだったりするのです。
なんで「所有したいんだっけ?」というところを深く考えないと、NFTってほとんど売れないんですよね。
ユーザー自体をNFTにする、となると「そのユーザーの人生を所有できるの?」になるんですが、無理じゃないですか。なので誰も買わないです。
というので、「将来値上がるかも?」という期待以外でNFTをやるとしたら、結構難しいのです。
slothというプロジェクトやってて、1万個以上売ってて、継続的に売上があがる仕組み、何がどうなっているのか?というのを詳しく研究してみるとちょっとわかることがあるかもしれません。。
NFTの売り方
slothのコラボ衣装がリリースされて、どんどんと売っていますが、slothでやっている「NFTの売り方」について簡単に共有します。
slothでやりたかったのは「NFTで持続的に売り上げるにはどうしたらいいのか?」の解決法を一つ提示することです。
個人的にはNFTは、クリエイティブの表現として価値がありそう、と思ってやっているので、売上は二の次、みたいな気持ちもありますが「売上が継続的にあがる仕組みがあると、多くのクリエイターがNFTに参加しやすくなるかも」と思って試していました。
それの結果が出つつあるので、書きます!
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# NFTプロジェクトの構造的な問題
よくあるNFTプロジェクトでは
1. コレクションを発表する
2. それが完売する
3. その後は二次流通での手数料が入る
というのが売上の多くのパターンですが・・・。これだと
「二次流通で、頻繁に売買をさせないと、売上が継続していかない」
という構造になります。
つまりは、プロジェクト的には
「売買が活発なほうが儲かる」
という形になるんですね。
なので、
- あまり頻繁に売買されると、最低価格が下がる
- するとプロジェクトの価値が下がったように見える
- だから、なるべく長期的に保有してもらいたい
というのがありつつ
- 一方で売買がないと売上があがらないので、多少は売買されてほしい
という、相反する2つのことをうまくやらないといけないというのがあります。超難しいんです。
かつ、二次流通で価格があがって、積極的に売買される、というのは市況によってすごい左右されるので、売上があがりまくる時期と、全然あがらない時期ができてしまい、これまたつらい、という。
というので、今後、NFTが広がっていくためのアイデアを考えていました。
# slothでやったこと
で、理想としては
- プロジェクトの価値があがることをやりつつ
- NFTの売上があがる
という状況にしないといけない、と考えた結果、「きせかえシステム」にたどり着いています。
NFTとNFTを合成することで、持っている本体のキャラクターの衣装を変えられるという仕組みです。
これにより
- 本体を売るときは一時的な売上になる
- 衣装は、継続的に出していくことで、追加の売上になる
という構造になっています。というか、
slothはすでに、本体のNFTよりも、衣装・アイテムという「本体に追加するパーツ」のNFTのほうの売上のほうが大きくなっています。
さらに、そこに「コラボ衣装」というのをやっております。コラボの衣装をどんどん発表することで、さらに追加の売上があがるようになっています。
コラボの売上の多くはIPホルダーさんに還元していますが、コラボが増えれば増えるほど、きせかえできる衣装が増え、結果的にslothというプロジェクトのNFTプロジェクトがあがる、という感じでやっています。
# というわけで
というわけで、NFTプロジェクトを継続的に続けるために継続的に売上をあげていく必要があると思うんですが、こういうやり方もあるんだよ、という実例を作れればなーと思っています。
アイデアに価値はないですし、web3界隈では、お互いに参考にし合うことが多いと思うので、他のプロジェクトの方の参考になればなーと思ってシェアしました!
では!
投機のNFTが終わりつつある今、slothでは何をやっているか
僕の会社はNFTを発行していたりするんですが・・・。今は「sloth」という、きせかえができるナマケモノのプロジェクトをいろいろやっていたりします。
んで「NFTってこういう面があるよね」とか「こういう問題や、こういう胡散臭さがあるよね」というところを解決して、おもしろいことできないかなあでやってたんですが、、
結構いくつか、おもしろい結果が出てきたんですね。
しかし、今やNFTはバブルが終わり、幻滅期真っ只ともいえますし、冬の時代ともいえる状況で、NFTに興味を持っている人がかなり減りました。
今のトレンドは生成系AIです。こっちのほうが「課題を解決しているよね!」感が強いですし、理解も簡単なので、メディアではそちらがトレンドです。
というので、「これは誰も言及してくれないな!」と思ったので、もはや自分で言っていこうと思ったので記事を書きます。技術的な話をほぼなしで書くので、苦手な人でも大丈夫なようにします。
【そもそもNFTとは】
そもそも、NFTとは・・・というところなんですが。これはもう何度もいろいろなところで説明されていますが、一応、一般論を書いておきます。わからなくても大丈夫です。
NFTはNon-Fungible Tokeの略でして、日本語だと「非代替性トークン」と略されます。
もはやこの時点で、逃げ出したくなりますね。略語でもわけわからなくて、英語のフルの文章を見てもわからず、訳してもわからない。最悪だ。
さらに、これに加えて「ブロックチェーンを利用して、偽造が不可能な形で鑑定書みたいなものがついているデジタルデータだよ」と説明されたりします。デジタルデータって今まではコピーし放題だったけど、鑑定書がついたことで、資産価値を持てるようになったんだよ・・・、みたいな。
は?
というわけで、ちょっと難しいので、「車の仕組みがわからなくても運転できればいい」みたいなのと同じノリでいうと、、
NFTで何ができるようになったかは、「デジタルデータだけど、いい感じで売買できるようになったんスよ」という説明くらいでいいかなーと思っています。
反論として「いや、デジタルデータだって今までの仕組みでもできるでしょ。たとえば、アバターを買ったり、それを売ったりする仕組みを同じサイト内でやることは簡単じゃない?」というのがあると思うんですが、、
大事なのは「共通規格ぽくなっており、みんなが使うような売り買いする場所があって、特に誰の許可なしに、その規格に併せて作れば、簡単に売買するという要素を付け加えられる」ということです。
たとえば「OpenSea」という、NFTのマーケットプレイス、要はメルカリみたいなのがあって、みんなで売り買いをしている場所があるんですが、特定の規格に則ってNFTを作ると、ここで売り買いができるということです。
なので「デジタルのグッズを転売できるような形で売れるね!これはリアルのグッズをメルカリで売れるようなのと同じだね!」という感じが一番初心者にはわかりやすいかなあ、と思っています。
【NFTの問題点】
で、NFTも問題がいろいろあって。
あまり詳しくない人の印象でいうと、NFTって
・なんかよくわからん画像が何億円とかついたりした?
・それがすごい高値で売られたりしてたけど、価値が暴落とかした?
みたいなのがあったりすると思います。
これは正しいです。たとえば、「ジャック・ドーシーの最初のツイートがNFTになって290万ドル(4.3億円)の値がついた」とニュースになりましたが、今は、オークションに出したら、30,814ドル(461万円)しかつかなかった、というのがありました。
4.3億円が461万円まで下がるというのはどういうことかというと、4.3億円が461万円になるということなので、つまりは、とても悲しいです。
しかし、これは僕からしてみたら当たり前で・・・。なぜなら「そのデータに価値を感じる人が少ないから」です。
というので、「なんかわからんが、デジタルデータに価値がつくらしいぞ」から始まって、暗号資産で儲かった人たちが「NFTでまた一山あてるぞ」というので、投機合戦が繰り広げられた結果、すごい値段になったりしたけど、それは「壮大なババ抜き」みたいなもので、最後に一番高値でつけた人が負けるというゲームになってたりしたんです。
んで・・・。とても当たり前ですが、NFTを持っている価値の源泉が、「価格があがるかも」、だけだったら、バブルが終わったらすべて価値はなくなるんですね。
(続)
続きはnoteで!よろしくお願いいたします!
「NOT A HOTEL」問題
NFTにおける「NOT A HOTEL」問題といっているんですが、、
NOT A HOTELのNFT活用があまりにフィットしていて、すごいわかりやすかったので、NFTの専門ではない外の人が「NOT A HOTELがこうやっているので、こういうものもいけませんか」というケースが多いんです。
ただ、、あそこまでうまくいくものって、現状だとなかなかなくて、
「NOT A HOTELは、ものすごい特殊な商品で、ユーザーの金銭感覚、およびリテラシーも特殊で、かつNFTにめちゃくちゃフィットしていて、NFTじゃないと解決できない問題に極めてうまく使った外れ値」
と考えたほうがたぶんシンプルかなと思っています。
アイデアを聞くと「たぶんありえるけど、それは5年〜10年かかるかもですね、、。技術の問題じゃなくて、ユーザーがついてこれないので」みたいな感じになっちゃうんですよね。
NOT A HOTELが突然、ユーティリティのベストアンサーを出してしまった、みたいな感じなので、逆に混乱しちゃっている、というのがあるのかなと笑
正確にいうと「NFTにはあまり詳しくない、スタートアップの市場にいる投資家の人とか、起業家の人が考える、うまくやった事例」みたいな感じですね!
お知らせ
けんすう紹介
インターネットでコミュニティサービスとかをよく作っています。最近だとナマケモノをモチーフにした、きせかえできるNFT「sloth(すろーす)」というのを作ったりしています。
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