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大事にしている考え方。#1 自己決定理論

「本を出したい」と前からずっと思いながら、文章を書くことから逃げまどって暮らしてきた気がする。
「やりたいことカタログ(https://yaricata.com)」を始めて、やっぱり自分のやりたいことには「本を出したい」ということがサラリと出てくる。

いいかげん、ここは決着を付けないとなーと思い、noteを書き始めることにした。

いきなり本を出す!ということを決めても、みんなが読みたいような内容の経験もできていないし、創作やエッセーや自分の論考などはまとまってもいない。
それに、何よりも文章を書くことから遠ざかってもう何年も経過してしまっているので、まず書く筋肉を鍛えていかないことには本を出すということに近付けない気がした。

1ヶ月くらい前に重い腰をのそりと持ち上げて少しずつ書き出して13本。
文章を書く筋トレを兼ねていることもあり、なかなか読みにくい文章になっていることは忍びない。
内容も最初は自分の会社、合同会社ハハハで取り組んでいることをあれこれ書いていたのだけれど、自社取り組みのPRばかりに見えるのもなと思い、
所謂ブログ的な自分の考えていることや「◯◯に行った」とか「◯◯が面白い」とか時事ネタにも触れながらnoteを進めていこうと考えた。

まずは自分の大事にしている考え方シリーズから。

この考え方に出会っていなかったら、
 今の活動には繋がっていなかった!
 会社員を辞めることもなかった!
 子供3人に恵まれることもなかった!
というものたちの紹介から始めていこうと思う。

もちろん、全ての人にとって刺さることはないと思うものの、mobtのnoteを読んでくれている珍しい方の何人かに届けばいいなと淡く考えている。


自己決定理論とは

少し前に別のnoteでも触れたけど、ここでは改めて説明。
デシとライアンが2000年に発表した「自己決定理論(self- determination theory)」。モチベーション(内発的動機付け)に関する論を展開する時には避けては通れない金字塔だ。

自己決定理論(self-determination theory)
デシとライアンによって構築された動機付けの理論。
自己決定理論の根幹を支えるのは3つの基本的欲求:自律性有能感関係性である。特にこの中で自律性が大切とされる。
これら3つの欲求が満たされることで内発的動機づけがされている状態となり、人は自発的に行動を起こす状態になる。

自律性(Autonomy)
とは,自分の行動は自分自身が自発的に行なっていると感じられることを意味する。自分が自分の行動を律していて他からの強制や指示・命令で行なっているのではないと感じられることである。自律性は,孤立はもとより独立とも異なる概念であることに注意が必要である。他の人に頼ると独立しているとは見なされないが,自ら求めて自分の意志で他者に依存するのは,自律性と矛盾しない。

有能感(Competence)
は,自分は能力があって優れている,社会の役に立つ存在であるという感覚である.活動をして達成感が得られれば有能感も高まり,人から認められたり誉められることも有能感を高めることになる。

関係性(Relatedness)とは,他の人と精神的につながっているという感覚である。愛し愛され,関心を持ちもたれ,集団や社会に属し,相互信頼関係を維持しているという実感を持つことであり,連帯感と言ってもいいだろう。特に,親・友人・上司・同僚などの重要な他者とのつながりが大事である。

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ピアノを親から無理やり習わされているケースをイメージしてみると分かりやすい。

1)最初のうちは「やらされ」なので、あんまりやる気が起きない
2)でも先生との関係性が育まれてくると少しずつやる気が出てきて、家で練習するようになる
3)家で練習すると弾ける曲も増えてきて、自分の有能感が高まってくる
4)それをレッスンで披露すると先生から褒められ、更に有能感が高まり、先生とも仲良くなる
5)そうなってくるとピアノを弾くこと自体が楽しくなってきて、家でも自発的に練習するようになる。
……その結果、「自律性」「有能感」「関係性」の欲求がそれぞれ満たされ自律的にピアノに向き合うようになってくる(内発的動機付け)

……一方で、「先生との関係性も育まれない」「出来るようになった感覚も得られない」「褒められない」「自分に選択権がなく、押しつけでレッスンが進行する」といった場合は、なかなかしんどい状態になることは自明だろう。

「楽しく暮らす人を増やす」を目的とする合同会社ハハハでは、「楽しい」と「内発的動機づけ」は切っても切れない関係にあると考えていて、この論をすごく大切にしている。


自己決定理論に出会った時の衝撃。

28歳の時に「楽しさ」には2種類ある、と整理を付けた時があった。
「自分がどういう時に楽しい」と思うのかを改めて考えを深められるといいと。

その時の結論は、「Groove」と「Growth」の2種類。

Grooveが意味するところは、みんなで1つの目標に対して頑張ってる、向かっている時に発生する「連帯感」や「一体感」を感じられる時に「楽しい」という感覚が発生する。
もう1つのGrowthは、前までできなかったことが出来るようになった時に「成長感」を感じること。その時に内面から湧き上がる「楽しい」がある。そう整理を付けて、「Groove」と「Growth」を大事にしてきた。

数年経ち、目の前に「自己決定理論」が突如現れて衝撃を受けた。

自分の整理には「自律性」がなかった!

もう本当にこれは目から鱗だった。
Groove(一体感) ≒ 関係性、Growth(成長感) ≒ 有能感と近いニュアンスで捉えているように感じられたけど、自分の「楽しい」の整理の中では「自律性」の概念自体が登場すらしていなかった。

負けた、と思った。

そして「自律性」が一番大切なものであるというのにもすっきり腹落ちした。「やらされ」では「楽しい」は発生しないから。

なので、自己決定理論をベースにあれこれ考えていくことにあっさりとシフトすることにした。


最後に

自己決定理論は、自己決定についての論だ。

冒頭でnoteを書く経緯について触れる枕を書いた。
これは「本を出したい」という自分のやりたいことは自発的なもの。
それに対してnoteを書くことは文章の筋トレになるし、素材を集めることになると自分で考えた。
で、「noteを書く・書かない」という選択肢が自分にある上で、進めることにした。自律性を満たすプロセス。

ここで有能感とか連帯感が感じられてくると更に内発的動機づけが強くできていく。さて、そのためには何をしようか考えてみる。


自己決定理論については以下の本がオススメ。

楽しく暮らすためのサジェスト
「自己決定理論のフレームで考えてみる」

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