道路交通法の改正(電動キックボードの免許不要化)

4月19日に可決された道路交通法の一部の改正について

この法改正により、最高速度が20km/h未満の電動キックボードについては「特定小型原動機付自転車」となり、免許が無くとも乗れるようになります。

色々と批判はありますが、個人的には賛成です。
改正内容にも何ら違和感を感じません。もし法改正が電動キックボードを軽車両扱いにする内容だったなら私も反対していたと思いますが。


しかしSNSなどの批判を見ていると理解し難い内容のものが多い印象。
本記事ではそれに対する見解を乗せていきます。

「こんな乗り物が保険未加入で〜」

この手の批判に対する率直な疑問は『どこから保険未加入の話が出てきたの……?』です。
まず自動車や原付バイクの保険の加入義務については「自動車損害賠償保障法」によって定められています。
今回の道交法改正で免許不要となった「特定小型原動機付自転車」は「原動機付自転車」に該当するため、保険加入が必須となります。

つまり保険加入義務については、この改正案を議論するにあたって一切考慮しなくて良いのです。

「免許を不要にしたら交通ルールを知らない奴が〜」

これもよく目にする言い分ですね。でもよく考えてみてください。
免許を取得できない年齢層を除いた人口の75%は、運転免許保有者です。つまり大半のユーザーは交通ルールを理解した上で利用する事になります。
なので定量的には、大きな問題にはならないと思われます。

こういう話をすると一部の悪質な利用者を持ち出す人が多いのですが、そんな話をしだせばキリがありません。〝包丁を使用した犯罪があるため包丁の購入に何らかの制限を設ける〟くらいに低次元の話だと思います。

さらに言えばシェア電動キックボードの利用者は免許を保有しています。
免許がなければレンタルすらできません。
つまりテレビで取り上げられる違反者たちの多くは、本改正を批判する人たちが重要視する運転免許を持っているわけです。
前述した免許保有率の数字も踏まえて考えてみてください。
重要なのは「取り締まり」ではないですか?
その点で言えば、自転車と比較して「特定小型原動機付自転車」の方が圧倒的に違反者を取り締りやすいです。なぜなら区分上は原付なのでナンバー登録が必須であり、反則金制度も存在するからです。

公道の安心・安全を語るならむしろ推進すべき

電動キックボードが普及して自転車と置き換わる未来の方が、ずっと安心・安全だと思います。

反則金による取り締りがある以上、少なくとも自転車よりかは交通ルールが守られるでしょう。
電アシなら簡単に20km/hオーバー出る自転車(ほぼ取り締まりされない)が走行する道路と、リミッターで電子的に速度が制限された電動キックボード(違反は青切符で取り締まりされる)が走行する道路。
私なら後者の方が安心ですね。

下り坂とか特に電動キックボードの方が安心です。
自転車は本人がブレーキで制御しなければどんどん加速します。つまり本人のモラルや危機管理能力に依存するわけです。
対する電動キックボードは、回生ブレーキによって下り坂でも速度が20km/h未満になるよう電子制御する事が保安基準の案として出ています。

それに実際に事故が発生した後の事を考えてみてください。
電動キックボードは、保険加入義務があります。未加入での運行、証明書未所持には罰則規定があります。
自転車には、自治体レベルで加入義務があります。特に未加入による罰則はありません。従って実態としては未加入者も多いでしょう。
私が歩行者なら後者と接触した時の方が嫌ですね。

長くなりましたが、以上が私の見解になります。

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