「右の鬼」ファユエン考察

今回はマーメイドSに出走するファユエンについての考察記事です。長文となりますが暇な方はお付き合いください!

そもそもこの馬が気になったのは過去レースと馬柱を見てから。いつも惜しい競馬はするものの結果がでない。左回りばかり使われているが何かが足りない。
そして追切映像。
見て思ったのは走り方の違和感。
そうしてこう考えた。

「この馬は、実は左回りより右回りの方が得意なのではないか」

そこで調べてみました。

右回り成績
1.0.0.4

普通の人はこれを見てこの馬は右回りが苦手、そう思うはず。陣営も左回りばかり使っているし。
では距離はどうか?

距離別成績
1800m 1.0.0.8
2000m 3.0.1.6

かなりズブくエンジンのかかりが遅い馬で1800より2000の方が良いのは誰が見ても明らか。

ここで疑問が湧き上がる。
右回り2000mの成績は?

答えは『走った経験無し』

…は?
これだけ2000mを使ってるのに?笑
どう見ても1800より2000がいい馬。
なぜ右回り2000を使わなかったのか?

ここでなんとなくピンと来ました。
これは繋がっているんだ。
全ては今回のための布石なんだ、と。

ざわつく胸騒ぎを確信に変えるため、過去5戦の右回りレースを見返しました。

以下、右回り1.0.0.4の概要

●右回り1戦目 2021.3.6
中山1800 3歳未勝利 稍 宮崎

1枠から好位につけ、直線では1頭楽に抜け出し最後は余力残しで1着入線。ここでは力が違った。他馬が苦にする荒れた馬場への適性を示した一戦。

●右回り2戦目 2022.3.13
中山1800 房総特別 良 三浦

3枠から後方を追走。4角で大外をぶん回し上がり2位の脚で4着入線。ゴール前では他をまとめて飲み込む程の勢いがあり、あと数メートルあれば全馬ちぎって1着だったと思われる内容。

●右回り3戦目 2022.12.4
阪神1800 逆瀬川S 良 角田

5枠から中団を追走し4角では最後方。直線進路を探し内を選択。上がり2位の脚で追い込むもゴール前で前壁となり7着入線。距離が伸び、詰まらなければ突き抜けていたのが容易に想像出来る内容。
因みにこの時の上がり最速ボーデンは先日京都1600で猛烈な末脚で追込み1着大穴を空けた。上がり3位のストーリアは2走後のG3中山牝馬Sで上がり2位の脚を繰り出し2着に好走。勝馬のドーブネは2走後G2中山記念で3着。このレースのレベルが高かった事は明らかであり、不利ありながら上がり2位で前に迫った同馬は高い評価が必要。

●右回り4戦目 2023.3.19
中山1800 スピカS 重 北村宏

大外16番からスタートし後方を追走。4角ほぼ最後方から直線1頭だけ違う脚で追い込み上がり最速6着入線。前有利TBの中、後方から差してきて3着馬から0.2差、ローシャムパークとタイム差無しはかなり強い内容。重馬場で他馬が苦しむような馬場でこそ力を発揮するタイプと再認識。

※※※
ここで陣営はついに初の右回り2000mを選択。
この馬の戦績やレース内容を考えれば距離延長がプラスに働くのは間違いなかった。
そして迎えた中山2000mスピカS。
なんと結果は競走除外。
馬場入場後に左前肢跛行を発症したための競走除外であった。
※※※

●右回り5戦目 2024.4.20
福島1800 G3福島牝馬S 良 菊沢

4枠からのスタートで最後方に位置。追い上げを開始した3コーナー手前で2頭が落馬、避けきれずに大きく躓き実質競馬を終了。当然度外視であり、不利が無ければどうなっていたかは誰も分からない。

これが右回り全5レースの概要です。 
レースを見て感じた事は、やはりこの馬は左回りより右回りの方が自然に走れている。最後の直線後ろ過ぎずスムーズに外を回ってこれれば突き抜けるポテンシャルが確実にある。

大事なポイントは3つ。
①右回りは全て上がり1位〜2位 ※福島牝馬S除く
②右回りの1ハロン延長は確実にプラス
③右回り2000は今回が初

1番のポイントは③。
不運にも除外となってしまった中山2000のスピカS。もしここで仮に出走し1着になってしまっていたら右回り2000mは1.0.0.0となり、誰もが同馬の右回り2000ベストを唱え始める。しかし実際は除外となったため結果がどうだったかは誰も分からない。
また、福島牝馬Sも不利が無かった時の結果は誰も分からない。しかし仮にこの馬が1着になっていたら同馬の「右回り巧者説」を唱える人が続出した可能性もある。
しかしバレなかった。
馬や陣営にとっては不運だったが、馬券購入側からしたらこれは不幸中の大幸い。
この馬が『右回り2000の鬼』だと誰も気づいていないのだから。

過去レースを何度も見た人は分かるはず。同馬にとって今の差しが効く右回り京都、荒れてきて力がいる馬場、2000mはベスト条件なのである。
YouTubeなどで「この馬は左回りで良積を残している馬なので右回りは〜」と言っている人を何人も見た。
何を言っているのか。過去右回り5戦をしっかり見なければ絶対にこの結論には辿り着かない。
故に少数派。だからこそ世間の裏を行く『穴』となり得るのだ。

最後に
鞍上の菊沢Jは福島牝馬Sの不利で悔しい経験をした後、前走G3新潟大賞典で継続騎乗。5枠からスタートし出遅れ行き足つかず最後方からの競馬。道中インで脚を溜め直線勝負。全馬内を避ける中1頭だけ伸びない最内を選択し上り2位の脚を使うも結果6着。距離ロスは無かったとは言え前半追い上げに脚を使い伸びない最内を通った事を加味するとこの結果は勿体なかったと言える。そんな2戦不完全燃焼の菊沢Jが乗る今回のマーメイドS。

枠は8枠16番。
同馬が好走するには大外がベストと考えていたので最高の枠に入ったと言える。
余計な小細工は不要。
あとは馬を信じて大外から突き抜けるだけ。

『右回り2000mで鬼がでる』

ファユエンの初重賞制覇を期待して今回の考察を終わります。
お読みいただきありがとうございました。


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