『宝石商リチャード氏の謎鑑定少年と螺鈿箪笥』感想
辻村七子『宝石商リチャード氏の謎鑑定』シリーズ待望の第三部開幕。私も連載の原稿を大急ぎ描き上げて拝読しました。
前巻が番外編のような形だったこともあり、彼らの物語にここまで深く長く潜っていくのも少し久しぶりという感覚がありました。
今回から舞台は横浜に移り、新たな登場人物として霧江みのるが登場。
彼は中学一年生なのですが、中学一年生の少年のものごとの観方、感じ方がなんだかリアルでぞくぞくしました。言い知れない閉塞感、無力感、それが成人するまでまだまだ何年も続くということに