2024/7/11

 小学生の頃、卒業記念品でオルゴールを貰えたのだ。自分で曲を選べて、僕は迷わずAquaTimezの「ALONES」にした。曲のリストで唯一知っていたのがその曲だったからなのだけれど、卒業式の日に貰って、ねじを巻いて鳴らしてみたらすごく素敵な響きで、「ALONES」でよかったなあと思いながら、何度も聴き続けた。
 その頃の僕は、ウォークマンのひとつも持っていなかったため、CDデッキにCDを入れて音楽を聴いていた。家族が適当に詰めた、100均で買えるCD保管用ファイルから選んで聴く。その中には家族が作ったオリジナルプレイリストが焼かれたROMが大量にあり、タイトルなどもわからないまま、どんな曲が飛び出てくるのかワクワクしながらCDをセットして、再生ボタンを押した。その中の常連曲がAquaTimezの「ALONES」や「決意の朝に」だった。
 中学に入ってからは、それらのCD音源たちはPSPに移行され、寝る前毎日音楽を聴いていた。「MASK」とか、「真夜中のオーケストラ」とか。今思うとPSPはローのスカスカ感がやばかった。OKPのベースなんてほとんど聴こえてなかったと思う。それでも思い出で刻まれているんだよな。
 解散が発表されたころ、確か大学生だった。そのくらいの歳になってしまうと、終わりもまた美しいと思えるようになっていたし、何か落ち着いた気持ちでラストアルバム「二重螺旋のまさゆめ」を聴けた覚えがあるなあ。「Over and Over」をヘビーローテーションする日々がしばらく続いた。
 そんな感じで「解散したんだ」という確かな実感があったバンド、AquaTimezだが、来年期間限定で復活するらしい。「解散した」という確信があったとしてもこのニュースには驚きを隠せなかった。しかもちゃんと新曲を出すらしい。ホントに良いんですか。ありがとうございます。昔から僕の弱い部分に寄り添って励ましてくれたあのバンドがまた帰ってきます、最高です、ありがとう。「上昇気流」「メメントモリ」あたりも好きです 感無量 ありがとう。ライブに行きたい気持ちはあるけれど、もうAquaTimezって僕にとっては「ベッドで毛布に包まりながら聴く、僕だけの世界」みたいな音楽なので、ファンのひとりにも会いたくないです。ひねくれすぎだよね。AquaTimezを聴くと動物番組を寝ちゃって見逃し、号泣していたあの頃のちっぽけな僕が呼び覚まされるんですよね いやどの時期だよ。
 多分人生で一番大変だった時期ってそういうときで、その頃を支えてくれて今があるから、感謝しかないんだよな。あんまり小さい頃の話はしないようにしてますが、振り返ってみれば恐ろしいことや悲しいことが沢山起きていたし、当時のみぞ少年には大変だったけれど、それでも支えてくれていたのはそういう音楽たちです。来年に期待!


牛丼を食べたいです。