「大往生禁止法①」


2020年 新型コロナウイルスが蔓延するも翌年にはワクチンが開発される

2036年 HIVに有効な治療法が確立され罹患者は数は激減

2049年 がん細胞を死滅させる微生物の発見により、がんでの致死率は2%未満に

人類は古今東西、常に病気と向き合い、闘い、そして共に歩んできた。

古くは天然痘やペスト、近年ではMERSやSARSなどが人類に恐怖と医学の進歩をもたらしたのである。

では人類の最も優れた、そして他の動物と一線を画す特徴とは何か?

それは「感情」である。

子供が大学受験に合格したとき

お気に入りのピアスをなくしたとき

20年来の親友と昔話を肴に酒を交わすとき

喜怒哀楽こそが人類の根源であり生きることそのものとも言える。

愛する人を病気で亡くした経験から医学を志した青年が数々の難病に立ち向かい多くを救ってきた。

そのような積み重ねが医学を進歩させてきたのである。

では病気を克服しつつある人類は新約聖書に出てくるような不死身になれたのであろうか?

答えはNoだ。

何故ならば単純かつ当然、自然の摂理とも言える死因が存在するからである。

それは「老」である。

これは人類が持って生まれた「感情」と「老」の物語である。

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