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私と道東。自分の心の声に耳を傾けるまで。

「私は北海道帯広市で幼少期を過ごしました。」

私と道東の関係性を端的に表すと、実際はこの1行だけでした。

そう、一年前までは。


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2020年3月、突然世界が一変した。

外出は徒歩圏内になり、毎日の散歩で何か新しい発見を見つけるのに必死だった。

学生時代はハードな学科とハードなサークルに所属していたため、隙間なく1日の予定が埋まっており、半年先まで暇がない生活を送っていた。

もちろんすごく楽しかったし、とても充実した日々だった。でも心のどこかで、これは「今だけ」という気持ちがあった。

そして、その予想は的中することになった。

誰とも会えない。どこにも行けない。この状況は想像以上に自分を苦しめた。

でも、

「私って『今だけ』が終わったら、何がしたいんだっけ?」

これを考えるきっかけになった。

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突然調べ出した、故郷のこと

私は自粛期間中に、今までずっと後ろ倒しにしてきた「本当にやりたかったこと」に手をつけてみようと思い、色々とリストアップしてみることにしました。

・就職先では都市開発に関わるけど、やっぱりランドスケープも気になる。。

・都市だけじゃなく、地方とも関わっていきたい、、故郷の北海道とも関わりを持てたらいいな。。

・研究室では色んな「まちづくり」を考えてきたけど、専門家としてとか第三者的に関わるのは、なんかもうちょっと違う気がする。。

・家でよく料理をするようになって、スーパーで買ってきたものと家庭菜園のものを比べるとやっぱり採れたてが美味しい、、都市部でも美味しい食材と出会う機会ってあるんだろうか。。

などなど、、

「ランドスケープ」「北海道」「まちづくり」「食文化」あたりが、『自分のこれからの生活の中で関わっていきたいこと』であることに気が付きました。

そして、私が何をしたかというと、、

共感者がいないかを、Twitterで調べてみました!

Twitterと言えば、高校生で初めてスマホを手にした時に作ったSNS。当時は、日々の愚痴や面白いことの発信に使っていて、割と内輪な雰囲気でした。

またSNSが一気に流行り出した時期でもあり、未成年でもあったため、プライバシーの観点などからずっと鍵垢で使っていました。

でも、気づけばタイムラインは世の中の愚痴ばかり。。見るのも嫌になって、しばらく放置していましたが、気になっていたことを検索してみたら、世の中には色んな発信をしている人が沢山いることに気が付きました。

特に自分にとって1番専門外だった食農関係の人と関わることができたのは、非常に大きな学びでした。「食と農のもやもやゼミ」を見つけたり、ポケマルの高橋さんやブランドの助産師あべさんとお話しできたり、違う分野でも自分の道を切り拓いている人たちがいることを知って、すごく励みになりました。結局まだ一回も直販使えていないのやばい!使ってみなければ…!

そして見つけた、異様な盛り上がり、、、

そうそれこそが、ドット道東vol.1アンオフィシャルガイドブック作成時のTwitterのうねりでした。

ちょっと遡るのが難しかったので割愛しますが、世の中がコロナで将来に不安を抱いている中、こんなにもすごい熱量で未来に向かって取り組んでいる人たちがいることに、心底感動したのを覚えています。(振り返ってみるとvol.1は「道東の今」ですが、出版される前はそれが本になることが「道東の未来」だったんですね。) 

みるみるうちに引き込まれ、ガイドブックを購入し、道東のローカル情報共有にも応募していました。

この時の応募文は、《北海道の良さをずっと感じて生きてきましたが、うまく表現ができず自分の中で閉じ込めてしまっていました。これを機に自信と誇りをもって語れるようになりたいです。》でした。今思い返すと少し恥ずかしいけれど、このガイドブックから「自信と誇りを持って道東で生活している人たちの生き様」を感じ、自分もそうなりたいと必然的に思いました。

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この時の私の理想は「道東との二拠点居住」。東京でも仕事をしつつ、道東にも関われたらいいな〜と漠然と考えていました。


外から関わる道東と、中から関わる道東

そんな中、ドット道東理事のしげのざさんよりお声掛けいただき、ドット道東のInstagramの立ち上げに関わることになりました。

やりたかったことの一つの「ランドスケープ」として、昨年夏に十勝の高野ランドスケープに行かせていただいた際に、前泊していたhotel nupkaのロビーでしげのざさんと神宮寺さんにばったり遭遇!ド緊張していたけれど、声をかけて本当に良かったです。こういうばったり!がある街の規模感、好きです。笑

同じく道東に関心を持っていた大学生のさけちゃんと一緒に、「ファン目線」でひたすら写真を厳選し、アカウントの運営に携わっていきました。

「この写真のここの雰囲気が最高ですよね、、、」「これこそ北海道!道東って感じ!!」「ここに写ってる全員の笑顔が最強に良い・・・」

「やばい、素敵な写真が多すぎる。。。」

こんな感じで、ただただ最高な時間を過ごしていました。笑

またドット道東の誌面を作ったライターさんやカメラマンさんなど、憧れの存在の方とどんどん繋がることができとても嬉しかったのですが、自分が「外から道東に関わる」ことに「このままでいいのかな・・・?」と考えたことがありました。

もうドット道東の中の人だよ!仲間だよ!と言ってくださったこともあったのですが、以前自分の中で引っかかっていた「第三者的な立場からの関わり」になっている気がして、どこか自信を持って中から関わっているとは言い切れませんでした。

「私はこれから、どうやって道東と関わっていきたいの・・・?」

そんな時に発表されたのが、ドット道東vol.2ビジョンブックのクラウドファンディングでした。


私の理想と、道東の未来

「理想を実現できる道東にする」。これがドット道東が掲げるビジョンです。

だから別に、外から関わるとか中から関わるとか、そんなの全然関係なかったんです。

「私が」やりたいこと、でよかった。

そしてそれがたくさん集まったものが、道東の未来なんです。

初めに戻ると、私は「故郷の北海道とも関わりを持てたらいいな。。」と思っていました。

ということは、、

実現してるじゃん私の理想!!笑

【今だけの後に何したい?】→《故郷の北海道と関わりを持ちたい》→Twitterで探す→ドット道東見つける→読む→応募する→『インスタ関わる(理想実現①)』

→【道東とどう関わっていきたい?】→《〜したい》→『(理想実現②?)』

→【?】→《〜したい》→『道東が二拠点居住先になる、、?(理想実現③?)』

こんな感じで【自分の心の声】に気づいてあげることができたら、《やりたいこと》も見えてくる気がするし、続けていたら『理想の実現』にも近づく気がします。そしたら次の【心の声】も自然と聞こえてくるかもしれないし、私みたいに気づかないうちに理想実現してた!なんてこともあるかもしれない。

【私はこれからどうやって道東と関わっていきたいのか】

これもまさに私がドット道東と関わったことで生まれてきた【心の声】であるし、外からとか中からとか関係ないと言いつつも、やっぱり最終的には「住んでいるかどうか」ということに対して、何かを感じる自分がいる、ということがわかりました。

だから、今の時点で言える私の理想は《道東で暮らすこと》です。

短いし、平凡だし、つまらないかもしれないけど、多分ずっと心の中にあり続ける私の理想です。

暮らしたことあるじゃん!というツッコミもあるかとは思いますが、それでもなお、もう一回、「道東で暮らしたい」んです。

なぜなら、「今回浦幌で出会った素敵なひとたちと一緒に、生きてみたいから」かな。


自分の街に自信と誇りを持つこと

浦幌で出会った20歳の青年が、「浦幌に戻ってきたい」と言っていました。

地域の子供達の発案で、町の花のハマナスから素敵な化粧品が生まれていました。

街の顔となる素敵なゲストハウスが、みんなの手によって改修されていました。

浦幌という街には、笑顔が溢れていました。

浦幌滞在中、このように何度も「グッとくる」瞬間がありました。

「みんなが街の未来のことを考えている。」

その時にふと、こういう場所で子育てしたいなと思いました。相手が誰とかそういうことはとりあえず置いておいて、「子供が幸せだろうな」と思ったんです。

浦幌には高校がないため、子供たちの教育にとっては必ずしも良いとは言えない、、と思う方もいるかもしれません。でも浦幌では、10年以上前から「うらほろスタイル」という新しい学びの活動が始まっています。(詳しくは↑のnoteを読めば、バッチリわかる◎)

また浦幌の人たちに限らず、浦幌で出会った北海道各地で頑張る人たちは皆、「自分の街に自信と誇り」を持っていました。

「そういう場所で育ったら幸せだろうな」と、素直に思いました。

だからもう一つ私の理想を挙げるとしたら、《道東で子供たちに誇れる街をつくりたい》になると思っています。

めちゃくちゃ広義だし、手段わかんないし、漠然としているけれど、多分これもずっと心のどこかで思っていたことのような気がしています。

「何のために誰のために、まちづくりをするのか」。私が大学の間にぶち当たっていた壁に対する答えな気がしています。

また今やっている仕事も、広義で街を作る仕事になります。だからいつかこの理想にも上手いこと繋がっていくんじゃないかな〜と勝手に思っていたりします。




未来はわからないからこそ面白い。

今こうやって「私の理想」を書いてみましたが、まずは社会人一年目、東京で、今の会社で、やりたいことに全力投球してみようと思います。そしたらきっと、次の道が見えてくるはずだから。道東の皆さん、まだちょっとだけ、待っててください。

前に「どうして道東が好きなの?」と聞かれた時、「美味しい空気と美味しいご飯があるからです!」と答えた時があって、自分の幸せの基準ってこれじゃん!と気づいたことがありました。十勝平野に広がるツンとした冷たい空気と遠くに見える日高山脈が大好きで、あとおばあちゃんちで食べるフキの煮物や採れたてのとうきびも大好きで、見てるだけで、食べてるだけで、笑顔になっちゃう自分がいました。コロナ禍でも、道東の人と関わるだけで笑顔になっちゃう自分がいて、未来に希望を持てているって、改めてすごいことだなと。笑顔あふれる日本の未来を自分たちの手で作っていきたいな〜なんて思う深夜2時でした、おやすみなさい。笑

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