『NN4444』を観て

今巷で話題のNN444を観た。
下北沢で公開したもののほぼ毎日満席。残念ながら諦めてたものの渋谷にて2週間の上映が決まりすぐさまチケットを取った。

短編が4本入った80分ほどの映画だ。
感覚的には世にも奇妙な物語に近いと思うがかなり綺麗なシーンも多く、MVを観ている気持ちになった。以下、短編ごとの感想。、

『犬』
モラハラDV旦那に苦しむ、会社にもどこにも居場所のない女性が犬に育てられたような少女を拾い育て、その犬が旦那を殺し…でも犬はいなくて現実だったのか?狂ってしまう話。

この物語は幼女、少女、主人公が出てくるが全部主人公なのでないかと思った。ファミレスでの幼少期の主人公の記憶がそのままファミレスで幻覚として見えており、そして少女になった時に継父の性犯罪に耐えられず殺したかった願望が犬を生み出したのではないだろうか。社会人になって、親元を離れて、でもまた継父のように自分を扱う今の旦那と出会ってしまい殺したいくらいに憎い。その憎しみからまた犬と出会ってしまったんだと私は考える。

主人公の心の中の犬が本当に継父を殺したのかは謎だが、旦那を殺したとなると継父も殺したのだろう。ただこの考察だと旦那も犬が見えてるということが矛盾になる。主人公の心の具現化なのか、もしかすると主人公ではなく苦しむ女性を救うマリア的な存在なのだろうか。


『Rat Tat Tat』
音に合わせて出産をする?シーンがぶつ切りでツギハギだらけで自分の脳内で組み合わせて作る作品はとても大好きで観ていて飽きない。アリアスター監督作品が好きなので始めの方の吐息だったり急に出てくる助産師のような老婆もどこかオマージュを感じ嬉しかった。おしゃれだが気持ち悪い宗教のような雰囲気もとてもよかった。

『洗浄』
昔からある田舎ホラーの都市伝説のような、言い伝えのような禍話を綺麗にまとめた作品でかなり好きだった。狂った演技が気持ち悪くてとてもよかった。4作品の中で1番好きかもしれない。ラストのシーンでお金もちの彼が泣いているように見えるのがとても美しかった。

『VOID』
人間のどこか軽薄さが、自分のものではなくなった途端にどうでも良くなってしまう冷たさが亡くなった友人を忘れられない主人公と上手く対比している。

随時更新予定

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