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私たちが自分をブスと罵る理由

メンヘラーちゃんというバンドをやっていて思う事がある。
何故私たちは自分の事をブスと罵るのか?

"ああもっと可愛かったら
人生なんてイージーモード
あの日のお食事だって割り勘じゃなかった"

"今日もまた良い事なかったな
今日まだブサイクなままだったな"

メンヘラーちゃんの顔が命という曲の一節である。また、顔が命の劇中でもチャンミの「はーい!私ちょっとブサイクな女子大生!」と言うセリフが一回案で上がった。
が、私はそれはやめとけと言ったと思う。何故ならチャンミはブサイクではないから。

じゃあなんでそんなに卑下するの?

多分私も絶世のブサイクではない。かといって絶世の美女でもない。至って普通の20代前半の女だと思う。むしろハードルは低め。顔面やスペックのレベルの話ではない。

合コンで連絡先を聞かれなかった!数分の遅刻で叱られた!ご飯食べに行って1円単位で割り勘を求められた!終電前に解散させられた!彼氏が知らない女の子と遊んでた!好きなバンドが解散した!などの不幸は全て私がブサイクなせい!

全て私がブサイクなせい、にしてしまえば楽なのだ。
別に何か悪い事をしたわけでも恨まれているわけでもなく、生まれ持ったものとして片付けてしまえば楽なのだ。実際そうでないとしても。自分が決めた選択や言葉や行動を否定されるほうがよっぽど辛い。

私は私の市場価値を理解しているから、何も知らないくせに、あいつブスだよな〜、なんて酒の肴にしないで!あいつは抱けないわ〜、なんて言わないで!こっちから願い下げだ!

というバリアなのです。理解してるから、現実を見せないで。

の、割に可愛いと言われたいという愚かな願望を持っている。
二日酔いの朝でも可愛いと言われたい。
私と玉城ティナが池で溺れていたら真っ先に私を助けて欲しい。
可愛い子のインスタを眺めるなら私の幼少期のアルバムを眺めて欲しい。

君はブサイクじゃない。合コンで連絡先を聞かれなかったのは充電が切れていたからで、数分の遅刻で叱られたのは、一分一秒でも早く一緒に働きたかったからで、1円単位で割り勘になったのは幸せも不幸せもお前とふたりでしっかり分け合いたいという彼の願望で、
終電前で解散になったのは近くのラブホは心霊スポットだからで、
彼氏が知らない女の子と遊んでいたのは、1000年ぶりに再会してしまっただけで、
好きなバンドが解散したのは音楽性の違いなだけ。

友達がいないのも恋愛が報われないのも仕事がうまくいかないのもブサイクなせいじゃない。性格に難有りなだけ。現実を見ろ。