日記 22.03.28 月

リビングは30畳あって、そこそこ広い。だが、猫のゲージが5台、猫タワーが3台置いてあって、かなり狭くなっている。その合間に、妻が通販で買い込んだ何かが入ったダンボールが開梱しないまま置いてある。「これ、何が入ってんの?」と聞くと聞こえないふりをする。小物は無限に置いてあって、もはや個別のものに焦点が合わない。何があって何がないのか、把握している者は誰もいない。カオスだ。カオスのなかにハンモックを置いて、かろうじて横になるスペースを確保している。気づけば獣道のような生活動線にも、ダンボールや小物が侵食している。そして、このカオスのなかを、13匹の猫が走り回っている。猫は、理由もなく走り始める。いや、彼らの中には何らかの理由があるのかもしれないが、それは人には計り知れない。とにかく猫は唐突に走り始め、一匹が走り始めると、連鎖してみんな走り始める。埃と猫毛が舞って、窓から入る陽の光にキラキラして………

荒川修作がつくった三鷹天命反転住宅というのがある。深遠なコンセプトがあるアート作品なのだが、一言で要約すると「住みづらい家」ということになる。反バリアフリーとでも言おうか、とにかく普通の生活を阻害するトラップが至る所に仕掛けてあって、そこで生活すると「普通」という観念が自ずと解体するように設計されている。
いや、おれの家じゃん。おれの家、名古屋天明反転住宅じゃん。

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