雑然日記2020.07.03

仕事をしていると、体調や気分の波が感じられなくなる。これはつまり仕事にアディクトしているのだ。
以前、細野晴臣が、ぼくは風邪を引かないから不健康なんだ、と話していた。音楽制作に没頭していると、免疫が高まるということだろう。いいことのようだが、それは自然の波に乗れなくなっていることでもある。そういえば、ウィリアム・バロウズはジャンキーは風邪を引かないと書いていた。

老いる、ということの味わい深い側面は、無理が効かなくなるというところかもしれない。つまり、自分の身体が堅牢なものではなくなる、外界だと感じていた世界に「泥んでくる」。健康ではなく、病気が深刻になるのでもない、ちょっとした不調を抱えつつ、「泥む」という通じ方をしているのがいい。これで酒が飲めて、詩など書いて、馴染みの女を渡り歩けば、それはもう和製ブコウスキーじゃないか。悪くない。

今日は、夜、zoomで上野さんにインタビューした。上野さんというのは、デザインやプログラムの世界ではとても「強い」人だと思うのだが、おれには、彼の「そうじゃないところ」が、面白い。今日は、著書をめぐる話だったので、どちらかと言えば、彼の「強い」部分にフォーカスしてフォーマルな話を中心にインタビューしたのだが、まあ、ところどころで「そうじゃない」部分も漏れ出ていたのではないかと思う。
そもそもクリエイターというのは、表に見せている顔とはまったく違うdark sideを抱えているものだ。むしろそのdark sideの深みや奥行きが、表の表現活動の養分になっていると言ってもいい。上野さんは、その深みや奥行きが、なんというか、とてもfunnyなのである。笑

今日は、一日が長かった。一日が終わってから、一番密度の濃い仕事をしたという感じだ。まあ、こういう日があってもいいね。明日は、だらだらしよう。


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