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紅茶の種類と飲む時の選び方


紅茶といえば「ダージリン」「アールグレイ」「アッサム」など、さまざまな種類があるため、「紅茶って何が違うのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
紅茶は、産地によって味や香りが異なります
今回は、紅茶はどのような違いがあるのか、どのような飲み方がおすすめなのかを説明します。
ぜひ、紅茶を選ぶ際の参考にしてみてください。

三大銘茶


日本茶にも「日本三大銘茶」という日本茶があるのをご存じでしょうか。宇治(京都)、静岡、狭山(埼玉)の3種類です。紅茶にも、日本茶のように産地が異なる三大銘茶と呼ばれる種類があります。


ダージリン


インド北東部にあるダージリン地方で作られた紅茶で、多くのカフェメニューにあります。ダージリンが定番になっているだけあって、日本人の口によく合う茶葉です。

ダージリンは世界に出回る紅茶の2%を占めており、世界的にも定番の紅茶であると言えます。マスカテルフレーバーと呼ばれるマスカットのような香りが特徴で、「紅茶のシャンパン」と呼ばれるほどです。

ウバ


スリランカのウバ州で作られた紅茶で、香りを楽しむ紅茶です。「ウバフレーバー」と称されるミントのようなさわやかな香りと、バラやすずらんのような強く甘い香りを併せ持っているため、好き嫌いが分かれる紅茶でもあります。
ウバの独特な香りは、着香している可能性があるので注意が必要です。

キーマン(キームン)


中国の安徽省(あんきしょう)で清の時代から作られた歴史の長い紅茶で、蘭のような甘い香りやかすかに香るスモーキーフレーバーと果実のような強い甘みが特徴です。

紅茶のイメージが強いイギリスでは、キーマンは人気の高い紅茶と言われています。
甘みがあるため、渋い紅茶が苦手な人にはおすすめです。

その他有名な銘柄


三大銘茶ではないけど、「アッサム」や「セイロン」など、よく耳にする紅茶の種類は他にもたくさんあります。

ここからは、三大銘茶ではないけど有名な紅茶の産地や特徴について説明していきます。

アッサム


インドのアッサム地方で作られている紅茶です。世界最大の生産地として知られるインドのうち、アッサム地方での生産量は約半分を占めています。

モンスーンによる豊富な雨量や高温多湿、肥沃な土地といった紅茶に最適な条件で栽培されているのが特徴で、濃厚で独特な甘い香りが特徴です。

セイロン


スリランカで作られている紅茶の名称であり、「セイロン」とはスリランカの旧国名「セイロン国」の名残です。
そのため、栽培される場所によって茶葉のもつ香りや風味が異なります

ニルギリ


南インドにある「ニルギリ丘陵」で採取される紅茶の総称で、「アッサム」「ダージリン」に並び幅広く利用されている茶葉です。ニルギリは現地語で「青い山」を意味することから「紅茶のブルーマウンテン」とも表現されます。

ニルギリは、柑橘系のようなすっきりした香りで、穏やかな渋みがありますがクセがなくすっきりとした味わいです。

ケニア


「ケニア産の紅茶」は、あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、生産量は世界第3位と茶葉の生産が盛んな国です。

マイルドな渋み、おだやかなコクが特徴で、ほんのりとした甘味のある香りがします。

ブレンドティー


ブレンドティーと言えばどのようなイメージがありますか?
味や香り、産地の違う茶葉を組み合わせたものだけではなく、同じ産地でも農園や時期が異なる茶葉を組み合わせたものもブレンドティーと呼ばれます。

普段口にしているティーバックなどで流通している紅茶のほとんどはブレンドティーです。
ブレンドティーにはどのような種類があるのか解説していきます。

ロイヤルブレンド


ダージリンやアッサムなど、インド産の茶葉にスリランカ産の茶葉をブレンドして作られることが多い、最も一般的なブレンドティーです。バランスがよく上品な味わいで、多くのメーカーが出しています。

イングリッシュブレックファースト


朝食用に作られたブレンドティーで、目が覚めるような強めの渋みが特徴の紅茶です。アッサムやセイロン、ケニアをブレンドして作られることが多いですが、一部にはキームンをブレンドしていることもあります。

アフタヌーンティー


午後のティータイムを楽しむためのオーソドックスな紅茶です。
ダージリンをベースにアッサムまたはセイロンをブレンドして作られるのが一般的で、飽きの来ない味わいになっています。

フレーバーティー


普通の紅茶とフレーバーティーって何が違うの?と思っている方も多いのではないでしょうか。
フレーバーティーとは、茶葉の風味だけでなくフルーツや花、」香料の香りを人工的につけたものを指します。
同じ茶葉をベースにしていても、つける香りによって味わいも変わるため、バリエーションも豊富です。
では、どういった紅茶がフレーバーティーの仲間なのか、見ていきましょう。

アールグレイティー


紅茶の種類で「アールグレイ」と聞くことが多いため、「紅茶」だと勘違いする方も多いのではないでしょうか?
アールグレイティーはベルガモットオレンジの香りをつけているので、実はフレーバーティーの仲間であり、フレーバーティーの代表と言えます。

ラプサンスーチョン


中国で生産される、松の葉や木で薫製した紅茶です。
薫製しているので、独特なスモーキーな香りがしますが、香りのインパクトとは対照的にまろやかな味わいをしています。

その他のフレーバーティー


アールグレイティーやラプサンスーチョンの他にも、アップルティーやマスカットティーなどのフルーツを使ったフレーバーティーや、バラや桜などの花びらをブレンドして作ったフレーバーティーもあります。
また、ジンジャーやシナモンといったスパイスを使ったブレンドティーもありますので、お好みのブレンドティーを見つけるのもおすすめです。

紅茶の等級(グレード)について



グレードと聞くと、品質の違いと思う方も多いでしょう。しかし、紅茶の等級というのは、茶葉の大きさや形状で分けられたものなので、「グレードが高い=品質が高い」というわけではありません。

例えば、「オレンジペコー」という名称を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。オレンジという名前がつくことから、オレンジの香りがするフレーバーティーを連想してしまいがちですが、紅茶の等級のことでフレーバーティーの名称ではありません。

紅茶の等級はオーソドックス製法とCTC製法に分けられます。

オーソドックス製法


・オレンジペコー(OP)
オレンジペコーは茶葉の長さが7〜11mmのものを指し、一般的には細かい針状の長い葉で、橙黄色の芯芽(ティップ)をしばしば含んでいます。
浸出した水色は明るく薄いものが多く、香りが強いのが特徴です。
茶葉をカットしていないリーフタイプで、茶葉の長さがオレンジペコーよりも短いものにペコー(P)やスーチョン(S)があります。

・ブロークンオレンジペコー(BOP)
茶葉を揉捻するときにカットしており、大きさは2〜4mmとリーフタイプの中で一番小さいサイズの茶葉です。
芯芽を多く含む上級品が多いのが特徴で、水色は濃く、香りも高いので需要が最も多いグレードの紅茶とされています。
茶葉をカットしているブロークンタイプで、ブロークンオレンジペコーよりもサイズが大きいものをブロークンペコー(BP)と呼びます。

・ブロークンオレンジペコーファニングス(BOPF)
ブロークンオレンジペコーをふるいにかけた時に落ちる1〜2mmくらいの茶葉で、水色や香りも濃いのが特徴です。
上級品のティーバッグやブレンドティーに使われています。

・ダスト(D)
オーソドックス製法の中で最も茶葉が小さい等級の茶葉で、1mm以下の粉状です。
名前からチリやホコリを想像する人もいますが、このダストは「細かい」という意味であり、良質なものは、抽出時間も早く、味や香りも強いため高値で取引がされています。
品質が低いという意味ではないので注意しましょう。

CTC


CTCは「Crush(つぶす)」「Tear(裂く)」「Curl(丸める)」の頭文字を取ったもので、言葉通り特殊な機械を使って細かい粒状にした茶葉のことです。
アフリカの茶葉に多くみられる製法で、短時間で抽出できるようになっています。細かくつぶして作る茶葉のため、ティーバッグに使われていることが多いです。

紅茶の選び方


紅茶を飲むときはどのようにして飲みますか?カフェなどで紅茶を飲む時にはストレートティー、ミルクティー、レモンティーを選ぶことができるお店が多いです。

それでは、カフェで飲む機会の多いこの3種類の飲み方別におすすめの茶葉をご紹介していきます。

ストレートティー


ストレートティーは、紅茶本来の色や香り、味を楽しむ飲み方が魅力で、製茶・管理によっても味わいが大きく変わる繊細な飲み物です。
茶葉によっても大きく味わいは異なりますが、「ダージリン」「ウバ」「キーマン(キームン)」「アッサム」を選んでみてください。

ミルクティー


ミルクティーは、家庭でも楽しみやすい飲み方なので一度は口にしたことがあるのではないでしょうか。でも家庭でも作りやすい分、同じ味でマンネリ化しがちな飲み物とも言えます。

マンネリ化しやすいミルクティーにおすすめの茶葉は「アッサム」「イングリッシュブレンド」「アールグレイ」「ケニア」です。

レモンティー


レモンティーはさわやかな風味と香りが魅力です。ただ、この茶葉ってレモンティーに合っていないのかもと思ったことはありませんか?
レモンの風味に合う紅茶は、「ニルギリ」「ウバ」「ダージリン」「アールグレイ」になるため、ぜひ試してみてください。

おわりに

紅茶と言っても、たくさんの種類があることがわかりましたね。
製法や保存方法一つで味が変わってしまう紅茶は、同じ茶葉でもまったく味わいの異なるものになります
ぜひさまざまな茶葉を試して自分の好きな1杯を見つけてください!


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