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青色のペンを使う理由

小説家や毎日ハガキを30枚書く「書くプロ」たちが、青色の文字を好むことから、青色の文字は私たちの思考に影響を及ぼしているといえると思います。青色で書かれた文字は、より右脳を刺激して、右脳の能力を引き出すことができると思います。青色の文字についての効果は、小説家の片岡義男さんとハガキ道の坂田道信さんの言葉からもわかります。

片岡義男さんは著書『万年筆インク紙』で、「青は認識の色なのだ。認識を思考と言い換えるなら、青は思考の色だ」と言われています。片岡さんは、小説の構想や下書きのメモを書くときから、青色インクを使われています。小説を書くという行為の中で青色インクで文字を書くことで、ご自身の右脳と交信して、右脳から何かを引き出しているのではないでしょうか。片岡さんは、こうして右脳の能力を引き出す方法を独自に見つけたのだと思います。スポーツや芸術家などプロと呼ばれる人たちは、自分の右脳の引き出し方がわかった人が多いと思います。

もうひとり、青色の文字にこだわっている方を紹介します。ハガキ道の坂田道信さんです。 坂田さんは、ハガキを平均1日30枚、年間1万枚書く方です。坂田さんが書くハガキはひと工夫あって「複写ハガキ」といいます。複写ハガキとは、ハガキを書くときに、ハガキの大きさのノート(専用のノートもあります)と切手のついたハガキの間にカーボン紙を挟んで、自分が書いたハガキの内容をノートに複写して残こしておくハガキの書き方です。切手のついているハガキにはカーボン紙のインクが複写されます。坂田さんが選んだカーボン紙の色は青色です。坂田さんに「どうして青色なのですか」と聞くと、「格好いいから」と答えてくれました。坂田さんは、青色は黒色よりやわらかい印象を読む人に与えることができると教えてくれました。誰かにハガキを書く時間は、実は自分と向き合う時間ではないでしょうか。坂田さんがハガキを書き続ける理由の一つに、自分の右脳との交信にあるような気がます。交信の色は青色の文字というのが坂田さんの出した答えではないかと思います。

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