青竹の買い物カゴ
竹細工を始めたいと思う時の憧れは「手提げカゴ」ではないだろうか。
工房の男性に尋ねたら「いや〜全然興味がない。持たないしね」と言われてしまったけれど。
女子は年代を問わず「竹の手提げかごやバッグ、いいですよねぇ〜!いつか作りたいんです〜!」と決まってついつい盛り上がる。
私も、竹細工を始めたからには、物を入れて出かけられるタイプの竹の手提げカゴをもう作りたくて作りたくてたまらず。
図書館で借りた本にこの買い物かごの作り方が載っているのを発見してからは
仕上がるかどうかもわからない
材料も確保し切れるかどうかわからないけれど、もう作ってしまおう!見切り発車してしまえ!と、背伸びしまくって、作りはじめたのだった。
というか、なんとか形にした、というのが正しいかも。
作ったのは2021年の1月。
参考にした本は「やさしく編む 竹細工入門(稲垣尚友)」
底はいかだ底。
胴編みはござ目。立竹は偶数で2本の編みひごで編んでいく方式。
縁は巻き縁。1年目の柔らかいひごを巻き付ける。
持ち手は、3メートル一本のひごを3周させてワンハンドルに。
持ち手に巻いてあるのは革紐。
本には葛を巻くと書いてあったけど、私には入手困難なのでユザワヤで代替品を探しまくって革紐に決めた。
100均やユザワヤは、都会に住む人にとっての里山の一種と思ったらいいんじゃないかしらん。
難関だった巻き縁調達
そもそも、工房で手に入る竹は、三、四年目の竹で、長さも節間四つの約1.6メートルまで。
本の指定では、縁巻き用に使うのは、一年目の新竹、長さは5.7メートルとあった。
コレを用意するためには、工房の竹材を切り出す竹林整備に参加して、自分で竹を伐り、持ち帰れるまでに荒はぎして持ち帰ってくるしかなかった。
竹林整備も兼ねているので、時間も限られ、また長いひごを作る技術も乏しかったので、現地で必死でひごを剥いだ。
行く度に、今日は持ち手確保!今日は縁巻き確保!と、伐って枝の処理をして、やっと3メートルくらいに伐り出した竹も、全部はとても処理しきれず、1/3くらい持ち帰れればいい方、という感じだったなぁ。
長いので途中で失敗も多くて、とても本通りに巻けるような長さは採れず、なんとか剥ぎが成功した1.5〜2メートルくらいを数本でやりくりすることにした。
それでも縁巻き用のひごが採れたのは、奇跡に近く、今また縁巻きをやりたくて採取にチャレンジしても、なかなか適したひごが採れないでいたりする。
縁巻き用のひごの採りかた、教わりたいなぁ。
竹ひご作りで一番大事なのは「場所の確保」
カゴバッグを作る時の悩みどころは、入れた中身の「重さに耐える持ち手」をどう取り付けるか?ではないかと思う。
このカゴでは、一本3メートルのひごをカゴの周りに3周させてまとめて持ち手とする方式だった。
八畳二間の部屋の中で3メートルのひごを扱うと、もう隣の部屋やらキッチンやら、天井にも当たるし、果てはトイレにまで、竹ひごがグルングルンと暴れ回った。
もちろん、この3メートルのひごの幅を取ったり厚みを整える時も壁に突っかかって難儀した。
「でしょ?竹ひご作りで一番大事なのは、実は場所の確保なんですよ」
と、先生に、後で言われた。
なるほど納得〜!身をもって知ると、納得感が違うよね。
買い物カゴ出来上がる!
これに入れる内袋を作成。リバーシブルで使えるあずま袋。
中に入れるものは、長いものを少しはみ出させて入れるのが絶対似合うので手持ちの長いものを色々入れてみる。
野菜を入れるだけでは飽き足らず、是非フランスパンにカゴからはみ出してもらいたい!と翌日はカゴを持ってお気に入りのパン屋へ!
嬉しくてたまらないながらも実際持ち歩いてみて思ったのは、手に持った時に自分の体と垂直に持つことになるワンハンドルってちょっと持ちにくい、ということだった。
体の脇で歩くとゴロゴロするし、身体から手が離れる分、ちょっと腕が疲れる。
これは、ものを入れてちょこっと運ぶのに適してるかも。
買い物での持ち歩きとかではなくて車で運ぶ、家の中で移動する、そんな感じ。
色々入れて家から車へ、車からそばのピクニックへ、家の中から庭へ、みたいなね。
実際に作って2年ほど経ってからは、工房に行くのに道具を色々入れて、車に積んで出かける時にとても重宝していたりする。
ということで、作り終えたばかりながら今度は、同じカゴでもバッグタイプの、持ち手が2つあって持ち歩きやすい竹かごを!
買い物ではなくてお出かけに使えるカゴバックを!!
作りたくなってしまったのでした。
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