儲かりますか?農業って#2

NPO法人の挑戦 組織経営

平成15年 地元に田園空間整備事業が舞い降りた
国の事業で、日本の各地へ日本伝来の農村景観、文化
継承することを目的とした事業です。
地元に、田園空間博物館総合案内所が建設される。
その施設で、何かをやりたい人の募集がありました。

農家の母ちゃんたちは、加工施設や販売所ができたらいいなと
参加しました。郷土歴史研究者は講座がやりたい。
野草野鳥の愛好家、地元自治会役員など思い思いの30名が集まりました。
県や自治体の職員たちが音頭をとり、WSが続きました。。

途中から、マーケティングプランナーや設計士も加わり
専門的な視野も入り少しずつ纏まっていきました。

案内所オープンの1年前NPO法人を設立
1年間のシミュレーションを経て、指定管理者として
5年間の管理を任されました。
理事長として、自分の家の経営から組織の経営へと
挑戦は続きました。
ゼロからの挑戦です。
お手本もなく暗中模索もいいとこです。
非営利事業は自主事業、農業や農村の魅力を伝え
景観を守り文化を継承する事業に助成金はないのです。

農村景観は、農業者が作っています。
地域の農業が続かない限り農村景観は守れません。
そのために、直売所が必要です。
地域の農産物を地域の生活に使うことで
農村景観を生産者、消費者が共に守る意識の醸成です。
直接売ることで、農業者にはお客様に喜んでいただける
農産物を作っているという自負をもってほしいと思いました。
何をお客様が求めているか、マーケティングの場所でもあります

しかし、直売所は農業者が直接売っているわけではありません。
手数料をいただき、商品を預かり売れ残れば持ち帰ってもらう。
ずいぶん悪どい商法です。
だからこそ、農業者の心をもって売らせていただいております。

そして、非営利活動で農業、農村の多面的機能の情報を発信。
農業を側面から応援させていただいています。
農業体験、自然観察、歴史散策、食加工体験、イベントなど
多くの事業を展開、そのための人件費を直売の利益で賄っています。

そんな活動を12年間経営させてもらいました。

石の上にも3年という言葉は、今も真実となって
現れました。

地域の皆様に、私たちの活動を理解いただくのに
3年の月日がかかったのです。

お陰さまで、今では地域の皆さんの交流の場となり
会員の生き甲斐の舞台となり、350名の生産者さんの
商品を扱わせていただいています。

あくまでも基本は地域の皆さんが
この地に暮らして良かったと思える農村作りです。

平成24年度農水山祭むらづくり部門で
内閣総理大臣賞受賞や3度の農林水産大臣賞受賞などの
度に多くのかたから励ましをいただき
見の引き締まる思いと、やって来たことが
間違っていなかったと確認できる有難い機会でした。

NPOの経営としては、なんとか雇用も増え
会員の活動費も払え、施設の利用者も100万人を
越えました。
活動は、地域の皆さんの拠り所となるよう
これからも新理事長のもと頑張ってゆきます。

地域の農業者に寄り添い、農地を守り
農業のある地域の良さを発信していくことが
事業の拡張に繋がると信じます。

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