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【まほやく】予想メモ

この記事では、「魔法使いの約束」2部16章までのネタバレを含みます。

はじめに

この記事は、予想とその考察をまとめたものです。詳しいものを書くと長くなるので雑にまとめてあります。もし「もう少し詳しく書いてほしい」などの箇所がありましたら、コメントなどに残してもらえると嬉しいです。

ちなみにダイアナ・ウィン・ジョーンズ著「ハウルと火の悪魔」を参考にしている箇所があるので、気になった方はぜひ読んでみてください。


まほやく世界と月の関係

まずストーリー内での世界と月の関係をまとめます。

月は一年に一度世界に近づき、世界を攻撃する。
それを賢者の魔法使いが儀式をすることで撃退し、遠ざける。

月の襲撃により世界は壊れかけ、そのたびに修復する。その際に現れるのが花かけらの波である。

こんな感じかなと思います。

ではこれを逆に考えてみます。

具体的には、「世界はもともと壊れかけていて、月は世界を修復している」というものです。

世界は元から壊れかけていたという根拠としては、海の向こう側に何もないことです。5つの大陸以外はすでに滅んでしまい、陸は海に沈み、精霊もいないので魔法もなくなってしまった、と考えられないでしょうか。

まほやく世界がすでに寿命を迎えた星だとしたら、修復する力は当然、月からのものだと考えられます。実際、前回の例外を除けば厄災での被害はほとんどなく、一年に一度追い返すだけのちょっと面倒くさい行事に近いです。

厄災の傷

次は、「厄災の傷は魔法使いの心を表したものじゃないか」についてです。

例えば、オズは約2000歳ですが、その割に無垢さが垣間見えています。普段は圧倒的な魔力や経験、知識などで隠れていますが、時々リケの方が大人びて見えるときがありますよね。

自分の中の複雑な感情をうまく言葉にできない。感情に振り回されているが、それがどういった感情なのかもよく分からず戸惑っている。という感じがしませんか?
感情に振り回されるのを楽しむシャイロックの大人の余裕とか対照的ですね。

オズの傷はそういった精神的な未熟さが現れたものじゃないかと思います。

連想ゲームのような形で考えてみましょう。

・オズは精神的に未熟→心は赤ちゃんや子供のような未熟さ

・夜は大人の時間である。つまり子供は夜に眠らなくてはいけない赤ちゃんは無力な生き物である→夜は無力になり、無理に力を使うと眠らされる。

このような感じです。
では他の魔法使いも簡単に見ていきましょう。

【中央の国】

・カイン…他人の気持ちを理解できないので、相手も自分と同じ気持ちのはずだと行動してしまう→他人が見えていない

【北の国】

・スノホワ…体は2つ別れていても、心は1つ→絵画になることで文字通り1つになった

夜限定なのは、「夜になると喋る双子の絵画」というホラーな要素=ホワイトの幽霊要素と繋がるから?

・ミスラ…

度々「けだもの」と評される。祝祭のストーリーにおけるオーエンとの戦いや、2周年ストーリーでのオズとの戦いは獣に近い。

獲物を狙って目をギラギラさせている興奮状態の獣不眠

・オーエン…そのまま「騎士」に強い理想を抱いていた子供の頃の人格に引き戻された

・ブラッドリー…相棒だったネロでさえ彼を縛ることはできなかった。誰にも囚われない心→どんな場所からでもできる瞬間移動

【東の国】

・ファウスト…

本来は誰よりも希望や夢に溢れた魔法使いだった→見ている夢が溢れる

・ヒース…ヒョウの性格は慎重で警戒心が強い。また身の危険を感じない限り、基本的に人を襲わない。→ヒースの性格と合っている

黒の要素としては、元ネタ、もしくは黒豹は両親が普通のヒョウでも稀に生まれてくることがあるということから?

【西の国】

・シャイロック…ムルへの感情からも分かる通り、涼しそうな顔をしていても心の内は激しく燃え上がっている。→ハート(心・心臓)が燃える

・ムル…ひとつの体に収まりきらないほどの様々な分野への探究心→魂の欠片が意志を持つ。
欠片が自分の意思で戻らないのは、何よりも探究心が勝るため。


こんな感じです。

どうでしょう。確かに魔法使いにこんな一面あるなぁくらいには思ってもらえたでしょうか。


ノーヴァの正体

では次にノーヴァの正体について予想です。
ノーヴァについてはファウストの反応がかなり意味深でしたね。

賢者に似ていることを考慮するなら

・異世界からきた賢者以外の存在
・前賢者もしくは歴代賢者のうちの誰か

とりあえずこの2つが挙がるかなと思います。

「大昔、異界から何度もやって来て、帰っていく奴がいたらしい」とアーサーが調べた情報の中にあったそうなので、異世界から来た存在という可能性はあると思います。

ですがそう考えると、魔法が使えるようになった経緯や、150年前ほど前には東の国で無名の魔法使いとして存在していた点が謎です。


では、「魔法使いであるはずなのに、賢者の感覚に似ている」という矛盾をまとめて考えるのではなく、別人として考えたらどうでしょう。

ストーリー内でノーヴァは機械人形のような作品を作っていると言っていたので、機械人形で例えてみます。


機械人形Aと機械人形Bがあったとします。
頭には記録媒体、体には運動能力がインプットされていて、それぞれAとBには別のものがインプットされています。

ここでAとBの頭を取り替えてみます。すると、

・Bの記録とAの運動能力を持った個体
・Aの記録とBの運動能力を持った個体

ができます。


ノーヴァ自身にもこういったことが起きているのではないでしょうか。

また、これは分かりやすく2つの個体にしましたが、3人でも4人でもパーツは分けられます。

こう考えると、一部でノーヴァが言った「いずれまた会うことになるだろう…何故なら私は…」という台詞も、「ノーヴァは1人だけではないから」と考えられます。

そうなると、

この場面も気になります。
組み込んだうちの1人に「ヒース」と呼ぶほど親しい人物がいたとするなら、今のところ考えられるのは「前賢者」が濃厚でしょう。


ここでクックロビン=前賢者説を考慮して考えてみます。

先ほどの例で例えるなら「機械人形Aがノーヴァ。機械人形Bがクックロビン」といった感じです。

とはいえ、
・1部で火山に落とされたノーヴァ
・2部で東の国に現れたノーヴァ
・西の国で目撃されたノーヴァらしき女性

この3人が別人なら、組み込まれたのは2人以上である可能性が高いですし、その上、1.5部で各国の用心を足止めしていた人物も加わると際限がありません。

そこで、「余ったパーツを寄せ集めてできた人間」がクックロビン、ではないかと思います。

ノーヴァとしての記憶はないし、魔法も使えない、けれど「魔法使いと友人になりたい」という気持ちだけは残り、賢者ではなく書記官として記録を残す…。とかだったら切ないですね。


ちなみに「精霊の反応が鈍い」というのは、心のパーツがないからなのかなと思いました。魔法は心で使うものなのに心がない。けれど寄せ集めたおかげで魔力だけは高いので従ってしまう、と言った感じでしょうか。

加えて、東の国で活動していたはずのノーヴァの衣装は西の国のように派手ですよね。ノーヴァが機械人形のような存在だとするなら、黒幕のような存在がいる可能性は高いです。

人形の衣装が黒幕の趣味だとすれば西の国の魔法使い、人間、国家が怪しいですね。可能性が高いのは、ギルドの記録に名前があり、「私に失望する」と言ったムルでしょうか。

会いに行こうとして魂を砕かれたムルが、「自分が行けないのなら、月から会いに来てもらえばいい」と考えたなら、月の召喚の動機としては十分かなと思います。


おわりに

長くなったのでこの辺りで終わろうと思います。

最初に説明した通り、この記事は「ハウルと火の悪魔」を下地において考察しています。
この他にも契約の内容や、ムルのラストネームにある「ハート」についても気になる箇所はたくさんあります。

勿論、まほやくに関係なく面白いお話なので、気になった方はぜひ読んでみてください。

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