見出し画像

そう、ここは西表島


3日目

 早起きがつらい。もっと寝たい。なんて文句を言いながら彼に毎日起こしてもらう生活3日目!とにかく甘やかされたい気分なんだ、今は。
 早起きしてフェリーに乗り西表島へ。私は幼い頃から船酔いが酷いのでとにかく空腹になってはいけないと思い、昨日ホテル近くのスパムおにぎり屋さんが朝から開いていることを2人で確認したのでそこに向かう。キャリーがとにかく重い。なんでこんなに荷物入れてるんだってくらい重い重いキャリーを引きながら、彼の背中を追う。

写真をあげてからわかった、ポーク玉子おにぎりだった


 一応病み上がりの自分には遠く感じてしまう(大袈裟)スパムおにぎり屋さんに到着。数あるメニューの中から迷いに迷ってツナと高菜のおにぎりにした。この時私はスパムおにぎり屋さんなのに、たまごとスパムの存在を忘れていて、船でおにぎりを見た時に巨大すぎてびっくりすることになる。フェリーの時間が迫っているのでうかうかしてられない!早く!早く!なんて言いながらもお互いの写真を撮りあい、ふざけあい、あっという間にフェリー乗り場に着いた。

 なんとかフェリーに乗り込むも出発時間が目前だったこともありギュウギュウ…40-50分ある船旅が1人で座ることになるのはつらいなぁとめげそうになってると優しいソロおじさんが空いてる席に移動してくれて2人揃って前の方の3人がけの席に座ることができた、、こういうささやかな優しさって心に余裕がある時じゃないとできないよなぁ私も見習いたいとは常々思ってるけど余裕がないとできなかったりする。

彼はゴーヤの何かを食べていたらしい。


 座ってしばらくしてからお食事タイム。食べながらふと顔を上げると何やら注意書きみたいな張り紙がある。ふむふむ…えっ…前方の方が揺れるの?えっ…このフェリー50-60km出るの!?!!めちゃくちゃ揺れるんじゃないの…!?!?!!と一瞬よぎったけど、なんせ眠い&空腹の私は思考停止してただただおにぎりに集中した。長旅だから大切に食べよう。よく噛もう。よく噛んだらたくさん味がして美味しいなぁ…あっ隣はもう食べ終えてるやん早いなぁ…とかそんなことばかりをぼんやり考える。そうやってずっとぼんやりしてたいのにフェリーが揺れる、揺れる。マジで。ジェットコースターか?ってくらい揺れてちょっと泣いた。怖かった。おにぎりを完食してからは揺れると眠くなれる私の特権を使い爆睡。気がついたらここは西表島。



 そうここは西表島。着くなりレンタカー屋のお兄さんと合流してレンタカーを借り、レッツドライブ!沖縄県に来て初めての快晴で心地よかった〜!これぞバカンス!って感じだった。 ラジオから流れる沖野綾亜さんのお喋りが2人のお気に入りだった。

車のオーディオのデザインがかわいい


 さて、今日は1番楽しみにしていた「ノコギリガザミを現地のガイドおじいが獲るのに同行して(とってもらって)夜ご飯にそのノコギリガザミをいただく」というもの。西表島へ行くことが決まってからすぐにやりたい!と彼に持ちかけてドキドキしながら電話で予約をして決まった日。

 先にホテルにチェックインして(ホテルの話は後ほどしようかな)お昼ご飯難民になりながらも、13時にお店の前へ。長靴を借りて水分と首からぶら下げる式の防水iPhoneケースと共におじいの車へ乗り込む。車の中で話していると私たちの住んでいる駅に時々遊びに来ることがあるそうでとてもびっくり!楽しみにしていて会いたかった人だけあって、ちょっと運命的な物を感じちゃって嬉しくなったりして。

 車で数分してから駐車場に停まる。え?ここからどうするの?と道路を歩きながら思っていたら道を逸れて降っていくとそこはもうマングローブ!下の写真のような景色が360度広がっててめちゃくちゃ楽しかった…なんて経験してるんだ…って貴重な経験してるんだなぁと思った。「"どんぐり"と言っても種類がたくさんあるように、"マングローブ"は気水域(海の水と川の水が混じった水)に生える総称植物の総称」ということらしい。

 この木の根っこは「膝根(しっこん)」といって文字通り膝が折り曲げられてるように見えるからその名がついたそう。下の泥の部分はぬかるんでいて歩きにくいので膝根を踏んで歩いてみるも、バランスを取るのが難しい。ぬかるんでるところも歩きにくい。色々試行錯誤した結果、人の歩いた跡を辿ればある程度ぬかるまずに歩くことができることに気が付いた!


 不意におじいが止まる。ここから「後ろに絶対来ちゃダメよ。棒が刺さって死んじゃうから」的なことを注意され呼ばれるまで待機。
少し待つと手招きされて穴とおじいと棒の横へ。「ちょっと静かにしててね、このコツコツって音がカニが当たってる音」と教えてくれる。ドキドキ。しばらく格闘すると1匹出てきた!本当にいるんだ!ってめちゃくちゃ興奮した。メスらしい。

ほんとうにいた…!メス!


 おじいはすぐに「そのカニ見張っててね」と言って再び穴と格闘。しばらく格闘してもらっている間になんだか申し訳なくなってくる。お金は払っているものの私たち2人だけのためにノコギリガザミをとってもらうなんて申し訳ないなぁ、カニってあんまり取りすぎたらいけないのかなぁなんて。そんな申し訳ない気持ちが吹っ飛ぶくらい大きなオスが出てきて、もうびっくり!人間の指なんかこのハサミで一瞬でポキっとなるらしい。ひぇ〜

すごい迫力、立派な爪

 他にも2箇所連れてってもらったけど、そこにはいなくて帰ることになった。最初に2匹も獲れているのでもうこれ以上は…獲れないでくれ…と思いながらもマングローブを探索することができてほんっっっとうに楽しかった。

ありがとう、マングローブ


 そのあとはホテルに帰って夕食の時間までまったりゆっくり過ごしてまたおじいの元へ。蒸されたノコギリガザミを見せてもらってからおじいが食べやすいように切って並べてくれたんだけど、メスがなんと年に1〜3回獲れるか獲れないかくらい珍しいソフトシェル付きだったそう。脱皮する前だったのかなぁ?夫婦だったよね、ごめんね。私たちのためにありがとう…!
 手で豪快にむしゃむしゃいただいた後は八重山そばinノコギリガザミ!という豪華フルコース。味噌は濃厚だし、身は詰まっていてて歯応えもあって本当に美味しかった〜ソフトシェルを噛むのは少し勇気が必要だったんだけどその奥の味噌の濃厚さがすんごかった。そばのスープと混ぜて飲むのも絶品だった…おじいがとったイノシシとオオタニワタリの炒め物も美味しすぎてひっくり返りそうになった。それを一緒に食べられて嬉しい、本当に嬉しかった。

ノコギリガザミたち
八重山そばinノコギリガザミ

 おじいと写真とって貰えばよかったなぁなんて後悔もあるけど、それは次回のお楽しみということにする。西表島にまた来る口実ができてラッキー!なんて。寄り道してホテルでゆっくり休んで3日目は終了。
 長くなったけどこの日もきっと忘れられない大切な1日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?