海のとなり


花を折りたたむために、
自転車をゆっくりとこぐ。

あたたかさとは裏腹に、
足あとを散歩させていた。

白線に触れては崩れて、
山への心残りを吐き出す。

果物を知ったあの日は、
洗濯機の中で宥めていた。

欲張った絨毯のことを、
密かに鮮やかに穏やかに。

海のとなり


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