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「災害をいかに表現するか」

リアス・アーク美術館「東日本大震災の記録と津波の災害史」巡回展《東日本大震災の記録と記憶〜気仙沼市からの教訓》@市民ギャラリー栄。

宮城県気仙沼市にあるリアス・アーク美術館で常設している展示一部の全国巡回展。

 2011年の東日本大震災直後から約2年間に、学芸員たちが甚大な被害を受けた町や被災した家財道具などをデジタルカメラで撮影した写真とキャプション、キーワードがパネル展示されている。この展覧会は、前々回のあいちトリエンナーレ「揺れる大地―われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」(2013年)@愛知県美術館にも出展していた。(https://aichitriennale.jp/2013/artist/rias_ark_museum_of_art.html)。 

 その時は、写真の他に被災物の展示もあったと記憶している。当時は震災から2年半後でまだ生々しさがあった。7年半後の今日、改めて観て、津波の破壊力の凄さと無残に日常を奪われる残酷さを思った。

 この企画は「東日本大震災という渋滞な出来事を地域の重要な歴史、文化的記憶として後世に伝えるとともに、日本国内あるいは世界で行われている災害対策事業等への具体的な資料提供を行う(*1」「東日本大震災をいかに表現するか、地域の為にどう活かしていくか(*2」をテーマに、美術からみた災害の記録と伝達を定義しているところが特徴的。さらに「伝える意思と伝わる表現(*3」という芸術ならではの視点で、破壊された町の客観的な視覚提示、それに付加する言葉による心情表現で構成されている。単に記録を羅列するのではなく、芸術文化を担う美術館の使命として取り組んでいるところに、感銘を受けた。(*123 展示図録/はじめに、より抜粋)

 リアス・アーク美術館に直接観にいってみたい。東日本大震災の時、名古屋では震度3くらいだったか?直接的な被害がなく東北の被害を感じにくく想像をするしかないのだけれど、美術館から気仙沼湾を見下ろしたら、学芸員=表現者の想いがよりリアルに伝わってくるんじゃないか、と思う。


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