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けふこ洋裁日記 2024年5月



近況



学校が始まってしまいました。連休は暦通りでした(月曜出勤生活があります。実感としては気づいたときには連休が消滅していた感じです)
文部科学省様におかれましては、15回開講ルールの厳格化よりもニンゲンの身体と資源の有限性に目をむけて、学生教職員を休むべきときに休ませていただきたいものです。
休めないでいるうちにひどい風邪をもらってしまって強制リセットがかかりました。出勤していますが、まだ病み上がりです。洋裁や試着の旅どころではありません。ようやく今学期の折り返し地点が見えてきてどうにかのりきれそうです。みなさまもくれぐれも気をつけてお過ごしください。
『光る君へ』と『虎に翼』は見続けています。とうとう私たちの物語が朝ドラや大河に来たか、という思いがあります。

(あまり進んでいない)洋裁日記

今年もMe Made May(英語圏洋裁ファンコミュニティの制作強化月間)に乗れませんでした。痛恨です。
10月中旬まで着られる巻きスカートと洗い替えのトップスの布は各種準備しました。
コートが課題です。2006年から着ているコートを今後着られるかどうか検討しなければならなくなりました。染めに出せればよいのですが。
秋に向けてトレンチコートをがんばって縫いたい。
結局先月作ったウォッシャブルサマーウールのワンピースが一枚で決まるので便利すぎて毎日洗っては着ています。洗い替えがそろそろ必要です。

見に行ったもの


・LFJ大千穐楽 井上道義指揮新日本フィルハーモニー交響楽団 伊福部昭プログラム(5月5日・東京国際フォーラム)


ミッキーはレジェンド。ミッキーの伊福部はレジェンド。とうとう今年を最後に引退なさるとのことで、一回でも多く見るべき舞台を記憶に刻んでおきたい。チケットを値上げして規模を縮小してからのLFJにはずいぶんごぶさたしていたのですが、急遽音楽部門氏とかけつけました。
東京国際フォーラムAホールには往年の1500円でふらっと入れた頃のLFJの面影がすこしだけ感じられました。

・ミュージカル刀剣乱舞 陸奥一蓮 大千穐楽ライブビューイング(5月6日)

観劇仲間と見に行きました。手堅く力強い筆触のポスト・コロニアルな阿弖流為ものを刀剣乱舞で見られるとは思ってもみませんでした。比較的年齢層の高い観客と、ここから観劇に入る観客にともに訴える小劇場演劇の富を惜しみなく注ぎ込む配役と脚本演出がお見事です。刀剣男士キャストもどんどん腕を上げてきているのが頼もしい。次作にも大いに期待します。

・早稲田大学演劇博物館 越路吹雪展

出講帰りに見ることができました。越路吹雪のYSL舞台衣裳コレクションが際立って素晴らしかった。舞台に立つ人の魅力を存分に引き出し、照明の輝きのなかでこそ映えるクールでシャープでウィットに富んでいてスタイリッシュなデザインです。衣裳コレクションはインタラクティヴ映像でもディテールが見られます。越路吹雪本人の映像と歌、YSLをインスパイアしたジジ・ジャンメールの舞台姿の映像(おみ足美しい!)も見られる配置がさすがでした。

杉崎製作所2024AW受注会



netuii杉崎さまからお招きいただき、杉崎製作所アトリエでの受注会に行ってきました。いやー楽しかったです!!!
netuii/yee杉崎さん制作のテキスタイルと、daska杉崎さん制作のパターンと縫製技術がほんとうにすばらしい。配色と描線と印刷・織りの妙で布が何倍にも楽しめて、きれいで自然なシルエットで身体を包んで動きをさまたげないカッティング、細部までピシッと配慮の通った美しい縫製。クラフトマンシップが手触りをもって感じられて五感が喜びます。自問自答ガールズのみなさまに人気なのも大いにうなずけます。
「自分では作れないインパクトのあるものを」とロングシャツとコートを試着させていただいて、まず最初の一着としてスパイスとハーブ柄の「めぐるね」のシルバーでロングシャツをお願いしてきました。まず食べ物がテーマな柄なのがそこはかとなく福々しくて痛快で、翻る裾がとってもかっこいいし、ボトムス次第でコーディネイトもいろいろたのしめる。インパクトのあるワンピースやロングシャツを検討していたところでしたので渡りに船です。とっても楽しみです。
コートのシルエットも美しい。生地とかたちと色が違うだけで抜け感ある郊外文士テイストから『家庭画報』マダムテイストまで変幻自在、大いにたのしみました。
バーガンディ地に針葉樹とパセリ柄ジャガードの「にてるね」の落ち感あるシルエットのロングコートが忘れられません。メルトンでもつくっていただけるとのことでした。貯金します。

伊勢丹新宿店 mmmさんとNando Jewelryさんの展示

お久しぶりにmmmさんとネツイイ杉崎さんにお目にかかることができました。新作ネックレス「私のバラ」は『マッドマックス 怒りのデスロード』のフュリオサのイメージとのこと、細いチェーンから太いチェーンまで軽くて強くてたくましいのがまたいまの気分でした。一番太いチェーンがしっくりきました。いつかキヌガサタケリングをお迎えに行きます。
Nando Jewelryさんの作品を実見するのは今回初めてです。噂に違わぬシャープな構築性と石の輝き、大いに惹かれるものがありました。
お財布は有限です。じっくり考えて時がきたらお迎えに行きたいものです。


あきやあさみさん講演会(アーカイヴ視聴)

ふだんはそれぞれにモグラのように潜って活動している自問自答ガールズのみなさまが集う機会です。アーカイヴを拝聴しました。同時にいろいろなところに行かなければならない季節、アーカイヴでくり返し聞けてメモをとりながら聴けるのはほんとうにありがたいです。
講座とあきやさんのご著作で紹介される「なりたい/似合う/好き」「きれい/かわいい/かっこいい」にキーワードを分類して服飾にアウトプットするワークが自分でできるように鍛えてくださる内容です。
「なりたい」は骨に刻みたい生き方、「似合う」は「しっくりくる」、「好き」は直感。これで解像度があがりました。
あきやさんの「ギャル事件」と視力事件のお話には思わずもらい泣きしてしまいました。
(私は「老成している」「悪目立ちしすぎ」「お色気どこ?」「はらのにくがへらないよね」がアキレス腱でした。よくまあ好き勝手にあれやこれやずけずけと言うたものだ、身の安全のためにひっそりしていたのだからしかたがないだろう、と暴れたくなることが多々ありましたね……)

そして今回は冒頭のライフスタイル二択クイズが新機軸です。
私はこのようになりました。

○一つのスタイルを貫きたい
○少数精鋭のクローゼット

○広い家
○便利な都会(コンクリートジャングルは無理だけれど、景色が良くて、自然溢れる豊かなところなら嬉しい)
○職人芸の繊細で美しい鞄&いっぱいものが入って軽くて頑丈な鞄
(欲張り。結果的にロンシャンとgentenが最適解になっている)
○時代に流されない自分
○曲げない自分の信念をもちたい
(気づくと信念を通しているけれど、周囲に合わせて柔軟に生きられたら当意即妙な才智に富んでとらわれない余裕のあるかっこいい人と思っていただけるのだろうなという気持ちもある)
○ファッションのことを真剣に考えたい&ファッション以外のことを真剣に考えたい
(ようするになんでも真剣に考えたい)
○自然体に生きたい
(自分のライフスタイルは築こうとしなくても築けてしまうので、自然体に見えるように生きられたらいいなと思う)
◎情熱的に生きたい

欲張りだなあ私。「ナチュラルメイクはなにもしないのとはちがう」を生きている。欲張りなりにゆたかに生きてゆきたい。
デザイナーやバイヤーの談話を読んで共鳴するブランドやテイストを選ぶワークの指南もあり、さらに模索が深まりそうです。何を着ても愛嬌がでるいま私に必要なのは背筋をのばしてくれる強さ、Y'sを試着して愛嬌がでるのは間違っていなかった。

装幀で「なりたい/似合う/好き」を考える「本のワーク」のご紹介もありました。
似合う本として著書をあげてよいというお話でした。
幸い、いままでに関わった単著・単独訳では、尊敬する装幀家のお仕事で仕事と思いと心にかなう装幀でふさわしいときに相応しい本を作っていただいて、多くの方のお手にとっていただくことができています。
ほんとうにありがたいことです。
単著と詩集のみかけはまさにネツイイ杉崎さんが私の印象としておっしゃっていた「大理石のテーブル」のような本かもしれません。これからも白い本を作っていただく機会がきっと出てくるでしょう。どうぞよろしくお願い申し上げます。

そういえば最近本を装幀買いしていませんでした。
なりたい装幀、好きな装幀についてはまた別途UPしようと思います。

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