ねごまがVol.3

経済学部4年の三木一真です。
今年は選手ではありませんが、選手のそばで彼ら彼女らの姿を見てきた立場から、選手に向けたメッセージをつづります。

これまで2か月間、選手は来る日も来る日も本当によく頑張ってきたと思います。大学生らしいことができたはずの9月をネゴに費やして、朝から夜まで、「問題文」という突き詰めれば答えのない難問に挑み続け、ああでもないこうでもないと議論に議論を重ねていた日々を過ごして、気が付けば今日は本番です。

自分としては、まだあと24時間もしないうちに大会が始まることに実感が伴いません。メンバーと膝を突き合わせて検討して、新幹線でみんな一緒に東京に行き、OBOGさんとご飯に行き、会場で喜びの声や悲しみの涙に包まれる、そんなお祭りのような日々がないからでしょうか。

僕がもし、今年も選手をやっていたら、性格的に、間違いなくどこかで集中力を切らして、チームに迷惑をかけていたんだろうなあと、特に10月に入ってから思っていました。それくらい、選手の大会にかける思いと、それを行動に移す意志の強さは素晴らしいものだと思います。

大会に初めて参加するメンバーは、交渉と仲裁の両方の経験が豊富とはいえないにもかかわらず、大会の検討を通じて、何段もステップアップしていくのを目の当たりにして、末恐ろしさすら感じます。自分自身が、当時経験した成長とは比べ物になりません(僕が初出場した2年生の時は仲裁が本当にボロボロで、法的三段論法すらまともに理解できていなかった)。まずは、2か月前の自分を思い出してみて、それから、今そこにいる自分を見つめ直してみてください。自分が持っていない力を出すことは不可能です。成長した自分が、いまできることをただただ出し切る、結果は自ずとついてくるはずです。

大会にすでに参加したことのあるメンバーは、その経験を買われ、上の立場を任されることがあったのではないでしょうか。これまでとは違う責任感のもと、今までよりもより広く、より深く、問題文と組織を見つめ考えてきたと思います。その当事者意識(よく「ラストマンシップ」と言っていましたが)は、間違いなくあなたの血肉となって、本番で表出するはずです。去年の自分に、成長して立派になった姿を見せられるように、恐れず果敢にトライしてみましょう。

そして、本番の前に、バックアップチームの存在を思い返してみてください。彼らが、出場するわけでもない大会のために、選手と同じかそれ以上の熱量を注いでくれているのは、選手も肌に感じていたのではないでしょうか。
笠場・柴田は、バックアップチームに回ったあとも、全力でチームをサポートしてくれています。2人の、多大な協力のおかげで、チームの検討が深まり、パフォーマンスが磨かれたと思いますが、ここまでのコミットメントは普通の人には期待できない、本来あり得ないことです。
また、BUリーダーも、昨年まではチームにいた4年生やOBOGが少ない中、選手に負担をかけまいと主体的に行動し、慣れないリーダーのポジションで試行錯誤して、会議運営と検討に尽力してくれました。その成果がこれまでになく素晴らしいものだったことは、知っての通りだと思います。

ほかにも、コロナ禍で例年ほどの経験ができていないはずのバックアップメンバーが検討に尽力して、OBOGの方々が平日休日問わず資料やパフォーマンスへのフィードバックをして、教員の方々が授業を設計し運営委員会やGLPとやりとりをして、本当にたくさんの人々の支えで今があることに、改めて思いを馳せましょう。

さあ、本番です。
ここまで読んで、肩の力が入っている選手は、一旦深呼吸してください。
繰り返しますが、持っていない力は出せません。そして、皆さんが最高の結果にたどり着くための力は、もう備わっています。
2日間、悔いのないように頑張ってください。応援しています。

2021年11月6日(土)
三木 一真

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