青池保子先生の原画展




吉祥寺のリベストギャラリー創さんで開催された青池保子先生の原画展に行ってきました。

2014年の京都での原画展に行けなかったことを後悔し続けて8年経ち、ようやく見ることができました。

青池先生との出会いは中学生のとき、「エロイカより愛をこめて」を読んだのが始まりです。同じ月刊プリンセス掲載の王家の紋章を先に読んでいたので、その縁での出会いでした。

青池先生のカラーの素晴らしさは分かっているつもりでしたが、原画は想像を遥かに超えた素晴らしさでした。本当にすごい、すごすぎる。線の一本一本に込められた先生の美意識をバシバシと感じました。本当に細かく緻密な、完璧を追求している線だ…と。
そして塗りの美しさといったらもう!!流れるような髪や服の陰影、銃器の冷たい質感、馬の肌の艶やかさ、海のしぶき、どこを見ても本当に息を呑む美しさで、頭から離れません。
大和和紀先生のあさきゆめみしの原画を見たときも感じましたが、これはもはや絵画ですよね…それくらい迫ってくるものがありました。本当に素晴らしい作品たちでした。

中でもこれは!と思ったのはエル・アルコンです。ああ、これは先生のティリアンへの愛だ…と。笑 全作品素晴らしいのですが、ティリアンのカラーは心底ティリアンに惚れ込んでるのがよく伝わってきました。ティリアンを完璧に美しく描くことをどこまでも追求してるような…鬼気迫る感じすらありました。

イブのカラーもですが、70年代の色使いは明るくて、エル・アルコンのような作品でも少女漫画的な可愛さがあるな~と思いました。ああいうカラーはなんというのでしょう?明るいパステルというか…。とことん男っぽいエロイカや重厚なアルカサルとは全然違う感じで。なかなか最近では使われないような色だと思うので、私の目にはとても新鮮で鮮やかに映りました。

アルカサルは宗教画っぽい絵が多くて、異国の香りがしてきそうでとても良かったです。権威ある王様だからか?豪華な服をまとっていても顔が浮き上がって見えました。『総特集 青池保子』にアルカサルの時期が漫画家として最も脂が乗った時期だったと書かれていましたが、馬に乗ったドンペドロのカラーの思い出すと納得です。あれやばすぎですもん。
 

エロイカのカラーは、本編が好きなのもあってグラスターゲットがとくに好きでした。伯爵の巻き毛、どこまで広がっちゃうの!?ってくらいの描きこみですよね。愛ですね(?)。あの絵は伯爵の華やかさに目が行くのですけど、原画を見ると鏡に写った少佐がめっちゃめちゃよくてキュンでした…うう…かっこいい…。
エロイカはカラー見たあとにマンガ原稿見たのですけど、カラーイラストのキメ顔少佐も超絶キュンですが、不機嫌に怒ったりキレたり怒鳴ったりしてるところがやっぱり何より大好き。エロイカのキャラは実在人物に対する気持ちに近い感覚で好きなってるフシがあって、顔もいいけど、君たちの内面に惚れてるよ…というのを再確認したのでした笑

それと。ノルウェイブルーとトランプ大作戦がありました!超嬉しかったです。前者はあると思わなかったので本当にすごく嬉しかったです。好きなカラー作品は幾つもありますが、「印象的」という点で言ったらあの絵が一番かもしれません。全作品を見終わって会場入れ替えまでの残り数分間、何を見ようか迷った末に、あの頭のフサフサ(?)をじーっと見てました笑 どうやったらあんな風に描けるのでしょう。
トランプ大作戦はとにかく可愛い!サイズが思ったよりちっちゃくて、それもとってもキュート。先生の作品の、キャラの個性が大渋滞してる感じが小さな1枚にギュウギュウに詰まってて最高でした。

まだまだ書き足りないのですが、長くなったのでここまでにしておきます。開催されることに気づいたのが遅く、サイン会の抽選に参加できなかったのが唯一の後悔…でもかなりの倍率だったようで、どうせ当たらなかったわよ。と自分を慰めるのでした。

この感動はきっとずっと忘れません。青池先生、そして青池作品のキャラクターのみんな、一生大好きです。また絶対どこかで原画展開催してほしいです。

青池先生、ずっとずっとお元気でいてください。関係者のみなさま素晴らしい機会をありがとうございました。

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